唖然
寺前先生の以外な事実が?!
零咲は放課後になると誰にも見つからないように屋上を目指した。時間帯的に夕焼けがすごく綺麗に見えるタイミングだった。
辺りを見渡すと昼間居た場所に翔先生は居た。零咲に気づいた翔は話しかけてきた。
「授業お疲れさん」
「ありがとうございます」
「どうだ?夕焼け綺麗だろ。毎日放課後になるとここに来るんだよ」
「そうですね。綺麗です」
翔は煙草を取り出し吸いながら話を続けた。
「嘘ならつかなくていいぞ。嘘って結局バレるんだったらつく意味ないだろ」
「そうですけど、騙せるかなって」
すぐに嘘にバレて落ち込み零咲。そしてまた翔が話しかける。
「それで、俺に何を聞きたいんだ」
「寺前先生の事と私が嘘をつく時の癖を教えて欲しいです」
「その2つか......前者はいいとして、後者は自分で考えな。その方が後々便利だよ」
零咲は便利と言われてどういう意味か悩んだが、寺前先生の事が聞けるならとそっちに耳を傾けた。
「あいつは零咲も知ってると思うが都市伝説級の心理学者だ。本当にそれだけだ」
それは知っていると言いかけた瞬間翔は話を続けた。
「だけど、あいつが職員室に居ないだろ。いつも数学準備室にいるだろ」
「はい。でもそれって、その場所が気に入ってるからですよね?」
一度聞いた時そうやって寺前先生は答えた。
「確かにそれもあるだろけど、本心は違う。あいつは人の顔を見るだけで感情を理解し考えていることもわかる。つまり、職員室にいると居心地が悪いんだよ。ましてやあいつは会議にすら出てこない。多分人の顔を見たくないんだろうね」
「じゃあなぜ教師に?」
「少しは自分で考えなよ零咲」
「すいません」
確かに自分で考えたら答えはすぐに出てくるはずなのだが考えるのをやめた。
「教師はあいつにとって天職なんだよ。生徒の事を理解して何が分からないとか、どうしてわからなとか、どうやったら分かるのか。それが全てわかるのが良い教師だ。それをあいつはできる」
「あ。そっか......」
そう考えるとすごく天職だが逆に自分の居場所が作れない場所でもある。改めて寺前先生の立ち位置を思い知らされた。
「まぁそんなあいつでも結婚してんだよな。羨ましいよ全く」
その一言で私は頭が真っ白になり時間が止まったかのように静まった。それに驚いた翔は反応を確かめる。
「おーい、どうした?既婚済みって知らなかったのか?まぁ無理もねえか」
「それ本当なんですか?」
「なんだよ。あいつに興味あったのか?残念だったな」
「むしろ逆です。翔先生とお話しできてよかったです。それでは」
嘘をついていない零咲を見て少し疑問に思った翔だった。
零咲は明日寺前先生に聞いてやろうと心に決めた。
見ていただきありがとうございます。
一度全て消え萎えました。本当に萎えました。なので文字数も少し少ないです。皆さんもこまめなセーブを忘れずに......
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