第20話 神宮司ルナ
その日の夜。
ピンポーン。
「あ、誰か来たわ」
寮の自室にてキサラちゃんと今日の訓練の復習をしていると、インターホンが鳴らされた。
「はい。今いきます」
本郷タケシか夢川アユムか。そんなことを考えながら、僕が玄関の所まで行ってドアを開けると、そこには意外な人物が立っていた。
「こんばんは。アキラ君。ちょっと今からいいですか」
神宮司ルナ生徒会長からの直接の呼び出しだった。
屋上。
ルナ会長と話すときはいつも、ではないが屋上の率が高い。今日も今日とて屋上にて会話する。
ただ、普段はただの偶然だが、今回は人のいない所を意図して屋上に呼び出しらしかった。
「アキラくん。あなたは一体何者なんですか」
いきなりだった。
咄嗟の返答に窮する僕にルナ会長は続ける。
「その強さもそうですが、何よりあの魔人イルミナティとの会話です」
「やはり、ですか」
「はい。6号、と呼ばれていましたね。裏切り者とも。6号とは何ですか? 裏切り者とは何ですか? 一体あの魔人とはどういう関係だったのですか?」
「それは」
僕が言い淀んでいると会長は続けて、
「実は学園側のアキラ君への容疑はまだ晴れていません。人類会議にも話を通して今後の対応を検討している段階です」
「やはり、ですか」
「はい。でも、私はアキラ君のことを信じたい。でも、無邪気に無根拠に信じるのは違うと思うんです。だから、答えてください。6号とは、裏切り者とは何なんですか?」
「それは……」
嘘を答えるのは簡単だ。その程度の口は回る。だが。
ここまで真摯に向き合ってくれる会長に嘘をつくのは何か違う気がした。だからと言って正直に答えられる問いでもない。僕は俯き、ただ押し黙る事しかできなかった。ルナ会長は寂しそうに、しかし笑って。
「答えられない、ことなんですね。分かりました。私からはこれ以上は何も聞きません。失礼しました」
ザッ、ザッ。
ルナ会長は去っていく。僕はその場に立ちすくみ、うな垂れた。このまま嘘をつき続けることに限界を感じた。だが素直に打ち明けることもできない。僕はどうしようもなく行き詰まっていた。
「僕はこれからどう生きればいいんだろう……」




