プロローグ 神宮司ルナの力
「会長! リヴァイアサン現れました!」
エリアL。海竜リヴァイアサンが支配する魔海。僕ら生徒会はその魔界の陸地部分にて海流リヴァイアサンと対峙していた。
リヴァイアサンは獰猛な魔獣だ。そして第4覚醒まで使える。リヴァイアサンが発動した結界内は泳げる空間となり、リヴァイアサンは縦横無尽に空を泳いで突進してくる。だが、僕らには生徒会長がついている。
生徒会長が鏡を掲げる。そして詠唱した。
「フィジカル・カウンター」
巨大な鏡が目の前に現れる。リヴァイアサンがその鏡にぶつかる。そして――。
「ヒギュアアアアアアアアアアアアアア!」
突進の衝撃を全て跳ね返されて宙でのたうち回る。さらに会長は鏡を2つ産み出し、合わせ鏡とする。
「無限合鏡」
合わせ鏡の中央に光の弾が灯る。その弾は見る間に大きくなり、限度を知らない。そしてリヴァイサンの頭部をも超えるサイズへと発展していく。リヴァイアサンがその身に蒼いオーラを纏い、頭に甲冑を武装解放して、魔法を使った。
「ヒギギャアアアアアアア!」
魔海から無数の水の龍が浮き出る。その数なんと10。10体の水龍が会長へと殺到する。会長はようやく光の弾の増強を止め、水龍たちへ向かって光の弾を解き放った。
「無限よ。解き放て」
光の弾が水竜たちを食い破っていく。1体、2体、3体、貫通してリヴァイサン本体へと向かう。残りの水竜は会長の元へ。会長は再び詠唱した。
「マジック・カウンター」
ドシャァ!
鏡にぶつかり跳ね返った水流が同士討ちする。あっという間に残り1体に減る。残り1体も突進してくる。それは再び鏡により跳ね返され、
「ヒギュァアアアアアアアアア!」
光の弾の直撃を喰らって胴体に大穴が開いたリヴァイアサンへと反射直撃した。それが決定打となった。リヴァイアサンが水中に沈んで行く。その最中、会長は再び鏡を突き出し、
「オール・カウンター」
戦いの最中に受けた攻撃の総力を一度だけ反射する半概念攻撃をリヴァイアサンの頭部に放った。リヴァイアサンの頭部が爆散する。当然、即死だ。リヴァイアサンの体が水中に沈む。そして、二度と浮き上がることはなかった。
生徒会の、いや、会長の勝利だ。生徒会役員たちが会長の元へと殺到した。
「イヤッホー! 流石会長! 頼りになります!」
「あのリヴァイアサンを圧倒するなんて惚れ直しました! 付き合ってください!(女性)」
「ふっ、流石会長。神淵覚醒に目覚めた化け物たちを覗けば最強クラスと呼ばれるだけのことはある。あるいは匹敵するのかもしれないね……」
「今夜はパーティーだ! リヴァイアサンの死体を回収して焼肉パーティ―だ!」
魔導機械が出陣し、リヴァイアサンの死体の回収にかかる。その最中、僕は光津キョウくんと一緒に生徒会役員たちに囲まれる会長の姿を呆然と見ていた。
「なぁ、アキラ。会長って強いな……」
「うん。……こんなに強いとは思わなかった」
本当だ。本当にこんなに強いとは思わなかった。原作4巻で丸々1巻かけて劣悪な地形も相まってたくさんの犠牲者を出しながら倒したあのリヴァイアサンをたった一人で圧倒するとは思わなかった。
(これだけの力があればラスボスにも通用するんじゃないか? そして、原作で死ぬはずのあのキャラやあのキャラやあのキャラも助ければ、もしかして光津キョウ君抜きでも行ける? いや、それはどうだろう。やはり)
僕は横目でチラっと光津キョウを見る。そして改めて決意した。
(やはり安牌を考えるなら光津キョウ君を成長させ切るのが一番だろう。うん。その方向性で間違いない。が、ラスボスまでに、第五覚醒神淵覚醒に辿り着けるのだろうか。分からない。が、辿り着かせるしかない。そう決めたじゃないか。ふ、ふふ……何で僕だけこんな不安を覚えなきゃいけないんだろ。ふ、不平等だ……)
僕は胃をキリキリさせながら会長の方を見る。会長と眼が合う。そして、
ニコッ。
天使のような笑みを見せてくれる。胃痛が吹っ飛ぶ。決意を改めて思い出す。キサラちゃんや会長みたいな鬱展開を打倒し、光津キョウ君も成長させる。そう決めた。ならば決めたことに邁進するだけだ。僕は改めて決意を胸にするのだった。




