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5.5話:魔王録 Ⅰ

1500年の時を駆け、一度は時代の遺物と嘲笑され消滅した魔王。だが、その魂は父の魔法により全ての始まりの地へと回帰した。ここに判明している世界の理を記す。


1:魔物の階級

(らい):下級魔物。本能のみで動く烏合の衆。ワーグ等。

(ぎょう):中級魔物。群れのリーダー格。一定の知能を持つ。

(えい):上級魔物。魔法を操り、人間と対等かそれ以上の力を持つ。

(じん)最上級。国一つを軽々と滅ぼす災厄。その核は未来で武器の素材となる。


2:ゼル・アルヴァルトの技

【通常技、アドヴァント】

ゼルの基本技能。由来:advance 意味:前進の


アドヴァント・エッジ → 最小単位の空間断裂。対象をテレポートさせ、物理的硬度を無視して切断する。


アドヴァント・カスケート→ 無数のテレポート門を刃として射出する広範囲技。魔暦2611年では古臭い演算と失笑されたが、現代では回避不能の絶技。


アドヴァント・カスケート--ポイントセット → カスケートの派生。特定の範囲にのみ斬撃を凝縮させ、精密に対象を削り切る。


肆虐態(しぎゃくたい)・ラドウィドル】

ゼルのテレポート形態。


全身紫色のタイツを履いているかのような、全身をテレポートできる門で覆い隠す。この形態になるとテレポートの門を自在に操ることができる。拳を打ち出すとテレポートの門を使って拳がワープして予測不能の攻撃となる。相手の攻撃は入った瞬間、テレポートのワープとして処理され無効化または反射する。この状態では斬撃を放てない。



3:魔法について

Ⅰ.魔法の理屈

・魔法は意識(集中)を通して放つもの。意識が傾かない限り、魔法を放つことができる

・魔法を放つと魔力を消費する。魔力の量を魔力量という

・魔力が尽きると意識が傾き、魔法を放つことができなくなる

・生まれながら属性があり、どの種類の魔法が強いか決まっている


Ⅱ.魔法の肩代わり

 魔法を放った際、魔法に副作用があるならば、それは詠唱した者ではなく、詠唱させた者に効果が付与される。

例.友達にやれと言われた炎魔法の副作用が、"自身の炎を熱く感じる"ということである場合、詠唱させた者に熱いと感じる副作用が働く。


Ⅲ. 魔法の昇華

 魔法は大きく分けて、二つの性質に分類され、それらは昇華によって姿を変える。


1. 実体系……炎、水、風、土など、目に見え触れることができる物質を操る魔法。威力が直感的で分かりやすい。


2. 非実体系……テレポート、回復、強化(バフ)弱体化(デバフ)など、それ自体には形がなく触れることができない魔法。非実態系の魔法の属性を持つものは、他に魔法を習得できないため弱いとされている。



魔法の昇華……非実態系の魔法に強固な意志と魔力を流し込み、触れられる形へ変換することを『魔法の昇華』と呼ぶ。人類では伝説として扱われる。


 ゼルのテレポートにおける昇華

【刃への昇華】本来は、自身を地点AからBへ移動させるだけの触れられない力を、昇華によりテレポートの門を細く長くしたものを飛ばすのがアドヴァントである。


【門への昇華】 テレポートの入り口と出口という概念を、全身を覆うほどの薄い膜として物質化させたものが肆虐態・ラドウィドルである。 触れられないはずのワープという現象を、タイツ状の門に固定することで、飛んできた攻撃を強制的にワープの処理に流し込む"絶対に攻撃が効かない鎧"へと変貌させている。


この非実体系を昇華させるという技術は、極めて難易度が高い。例えば、回復魔法を昇華させれば、触れるだけで傷を癒やすものとして物体化できるが、そんな真似ができるのは1500年後の未来でも一握りの天才だけだった。


魔王ゼルは魔法の昇華を完成させ、テレポートの基礎や応用を研究し続けた。それは彼が最強と呼ばれる理由であり、未来の勇者たちがデータ解析という攻略でしか対抗できなかった理外の業であった。

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