サンとの再会(4)
「それと殿下、もう一つ申し上げなければならないのですが…。」
カリが俺の顔色を窺いながら言ってきた。俺を殺そうとしたことを告白した時より顔色が悪い。俺は言い知れないほど嫌な予感がした。
「言ってみろ。」
「明日は何の日か覚えておいでですか?」
俺は頭をひねった。確かに日付は覚えがある。かなり前からこの日に何かあると覚えていた。少し考えてから、俺は手を叩いた。
「ナビ王妃の懐妊祝いの会か!」
「本当に忘れていらっしゃったのですね…。」
俺は憤慨した。何だこの呆れたような物言いは。思い出しただろう。
「祝いの品についてですが、実はまだ用意していませんでした。」
「は!?」
そんな馬鹿な。もう半年も前から準備していたはずだろう。どうしてと言い掛けて、俺は唐突に理解した。用意する必要がないからか。
「待て。仮に俺が死んでいたとしても、祝いの品が用意されていないのは不自然だろう。用意した祝いの品を見せろと言われたら何と言うつもりだったんだ?」
カリは露骨に溜息を吐いた。
「その質問は一月前にして頂きたかったですね。」
「…何だ、わざとか?」
「殿下は警戒心が薄すぎます。本当に。」
カリにも迷いがあったのかと安堵した反面、問題が解決していないことに気付いた。俺は眉間に手を当てて目を閉じた。
「明日は急病に倒れようか。」
「いずれにせよ祝いの品はお届けしなければならないでしょう。如何しますか?」
「お前のせいだろうが!お前が考えろよ!」
俺はカリに殺されそうになったのだと気付いた時より怒りが抑えられなかった。カリは苦笑いしている。
「今から手配できる品では相応しくないでしょう。一応、殿下がご存命だと知ってから手配させましたが、まだ十日ほどかかります。」
「問題はどうして用意していなかったのかだ。何と説明すればいい?」
「普通に手配に失敗したと言うしかないでしょう。王妃様ならお許しくださるのでは?」
確かにナビは寛大だが、会に出る人々はそうではないだろう。俺はカリを睨みつけた。




