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伯爵令嬢は僻地で子供達と戯れたい!  作者: イブ
1章 ドラゴンを従える伯爵令嬢
26/26

24.伯爵令嬢とドワーフ族と一時

文章が迷走してますが暖かく見守って頂けたら嬉しいです。

「すまんかった。機嫌直してな」



カイトさんに不機嫌な表情を見せると冗談だと謝ってきました。



「今回だけですよ。物心ついた頃からずっとアイシャが私の従者として一緒に過ごしていたので側に居る……それが当たり前なのです。良いですか?」



アイシャも私の機嫌が悪くなったのを察したのか何事も無かったかの様に背後にいます。


カイトさんは分かったと言葉にして話を本題に戻します。



「ふむ、話は戻すがワシ達ドワーフ族は酷な提案でもどの条件でも受ける予定やったんじゃがな。双方に利益のある取引やし、お嬢ちゃんの提案ならワシ達も予想以上の収穫や。伝承での人族は強欲な者が多いと聞く。やから仲間もリヒト様の客人やから素直に聞いているだけや。でもこの条件なら、仲間も素直に聞いてくれるやろうし好印象なのは間違いなかろうな。何故なら、宝石よりも未知の物を作る魅力に取り憑かれたワシ達や。お嬢ちゃんが本当にワシ達が望んだ情報を与えてくれるんならワシ達にとっては最高の取引や。リヒト様より授かった知識を再現して作れるのはどんなモノにも勝らぬモノやからな」



カイトさんの話を聞いた私は両手を合わせて笑顔を隠さずに言葉にします。



「それは良かったです。交渉成立ですね。人族の相場の2倍と出来次第でリヒト様から授かった情報の不特定な部分の提供で大丈夫ですね?」



「そうや、情報の提供はワシが纏めておくがお嬢ちゃんが何処まで提供出来るかはお嬢ちゃんが決めてな」



ニヤリと笑うカイトさん。

信用されているとは思いますが釘を刺された言い方ですね。

情報の提供と言う曖昧な取引ですからそうでしょうね。

そして、私が価値があると思って渡しても価値があるかどうかは受けた側がそう感じない可能性もありますからね。



「分かりました。それではそちらの議会があるのでしょうからまた後日に結果のお話をしましょう」



「せやな。議会終わってまた呼ぶんでそのつもりでな。その時までには正式な契約の書類を作成しとくな。リヒト様の前で互いに交渉成立した証明として見届けてもらうんがしきたりや。公平である事を見てもらう為や。ええか?」



私はカイトさんの言葉に頷きます。確かにリヒト様が絡むのなら公平になりそうですね。身を持って体験しましたがリヒト様の前で嘘を吐ける人は居ないと思います。


最初の交渉が終わり、お互いにゆっくりとした雰囲気になります。

この少しの時間の為に情報を得ようとして疲れてしまいました。

王都に居た時は既に情報を得ていましたのて後手に回る事は無かったので今回の交渉は勉強になりました。

安心して自然と笑みがこぼれます。

私の笑みを見てカイトさんは優しい表情を作ります。



「それがお嬢ちゃんの本当の笑顔か。いい表情や。この里に来てから笑顔を張り付けていたがワシに気づかれないように気難しい表情を隠れしてたもんな。考えや行動を見るにお嬢ちゃんも様々な場数を踏んでいるみたいやが失敗を恐れておるようにも見えた。お嬢ちゃんはワシとの会話の中で人が住めない場所だと話したな?それが関係しているんとちゃうんかな?」



ジッと見つめてくるカイトさんに私は少し考えます。

カイトさんも信用したから踏み込んできたのでしょう。

これが他国であれば自らの醜悪を語るようなモノですから話すのなら内容を濁します。

ですがドワーフ族は異種族で人族との付き合いはありません。話しても話が広まる訳でも無いです。

胸の内に秘めるのもいい加減参ってしまってます。

誰かに真実をお話してもいいですね。



「……そうですね。ドワーフ族の方々に知られても大丈夫でしょう。話すと長くなるので簡単に話しますが私はレントシア王国の次期妃として過ごしてました。……ですが様々な悪意の渦中に呑まれ負けてしまい、幽閉か処刑の2択しかありませんでした。しかし、追放と言う形でこの地に逃げてきたのです。お会いした時に言いましたよね?私達でも同じ気持ちですと。それは本心からの言葉です。まだ私の居た王国では混乱の最中でしょう。しかし、あそこには私の家族が居て、仲良くして下さった民がいます。きっと乗り越えるでしょう」



私は王国に貢献しているグラウザム家の者であり、妃になるはずなのに碌に証明もさせずに罪を与えるお粗末な対応は確実に嵌められた証拠です。

処刑もそうですが幽閉されていたら何をされていたか想像も出来ません。恐ろしいです。


私が話し終わるとしんみりした雰囲気になります。

そんは中、カイトさんは納得いったと言う表情を浮かべ頷きます。



「お嬢ちゃんは人族の姫様やったんか。通りで普通じゃないと思ったんや。人の国は何を考えてるんやろうな?こんな有能な姫様を貶めて何になるんやろう?」



「足の引っ張り合いはどこの国でも良くある事です。今回は他国の思惑も絡んでいたみたいです。更に幾つもの偶然が重なり合ったのも原因ですね。それに恋愛をしている方々の行動は私には理解出来なかった事が後手に回ってしまった理由です。恋は身を滅ぼすと聞きますが本当だったとは思いませんでした。やはり私には理解の出来ない事です。そう言った意味では私は完全に負けてしまいましたね」



身を滅ぼす程の恋が出来なかったから彼には想いは通じなかったのですね。



「ん?お嬢ちゃんの言い方に含みがあるんはなんや?」



「窮鼠猫を噛むと言う言葉はご存知ですか?」



「ふむ、その言葉なら知っておるが……」



「私もやられっぱなしでは無いという事です。私が居なくなる事で得をする方々には今頃はそれ相応の対応が迫られているはずです。えぇ、それは色んな事が明るみ出てしまっているでしょうね。そして、私を連れ戻して冤罪だった事を証明しないと国から居られなくなるでしょう。ですが、この地に来る事も出来なければ私が王都に戻る理由もありません。そうでしょうアイシャ?」



私が振り向いて尋ねるとアイシャは固まってしまいます。目を泳がせながら何か言葉を考えているようです。



「そ、そそうなのですね。それは貶めた方々は今頃大変でしょう」



目を逸らしたまま話すアイシャは挙動不審です。

また前を向くと挙動不審のアイシャの姿にカイトさんとゲンさんは困惑の表情を浮かべます。




「アイシャ、貴方が私の為(・・・)に動いていたのは知っているわ。貴方が私に黙って動く時は私の身に何か危険があるからです。だからこそ、私は大人達よりも先に今回の騒動に気が付いて動けました。アイシャはいつもツメが甘いのですよ。あのままでは人様に迷惑をかけてしまうわ。ナタリーには私が居なくなった後の事も指示してますのでちゃんと動いているはずです」



私の話を聞くアイシャは不安そうにオロオロしながら私が見える位置に移動して、私の顔色を伺っていますがどうしたのでしょう?

まぁ、話を続けましょう。



「アイシャは貴方中々面白い事をしましたね?」



そう尋ねるとアイシャはビクッとします。

何を脅えているのでしょう?



「私を貶めた方に私が居ないとアリバイを証明出来ないようにしたのは流石だわ。今頃、彼らは私が居ない事に困っているでしょうね。但し、詰めが甘いわ。アレでは国にも被害があったでしょう。ちゃんとその者だけに被害が被るようにナタリーに指示してますので悪いようにはならないわ。私は貴方の主よ、貴方の後始末はちゃんとするわよ」



やはり、国に被害が出る事にアイシャも不安だったのね。

アイシャは私を基準に動きますから周りの被害を考えない事がありますからね。


私が大丈夫よとニッコリ笑うとアイシャはコクコクと頷きますが更に顔色を青く変えます。本当にどうしたのでしょうね?


カイトさんにまた視線を戻します。



「カイトさん、私は追放の身です。今回の不祥事が明るみに出てしまうと王族にとって大打撃になる出来事ですから隠蔽・・されるはずです。ですから、先手を取って私に不利益にならない条件で此方に来ました。しかし、どんなに取り繕っても王国では罪人扱いです。そんな私ですが今後もドワーフ族の方々と親しくしても良いでしょうか?」



「何を可笑しな事を言うや。ワシ達はドワーフ族やで?人族の事情など知らんがな。ちゃんと目で見た事が真実や。リヒト様の知り合いに悪いもんは居らん。何かあったらドワーフ族に頼るとええで。ワシが仲間を説得したるわ」



ニカッとカイトさんは笑い、ゲンさんも頷いてくれます。

捨てる神あれば拾う神ありって事ですね。


本当に私を罪人扱いしてくるのは貴族のみでしょう。

平民はその地が安定していましたら、どんな領主でも移住してくるものです。商人はもっと逞しく利益があれば善悪関係なく寄ってきます。それは領主や貴族と関わりを持つ平民は極僅かだからです。


まぁ、領民と仲が良いグラウザム領は少し特殊ですが、、、


それに善人だけど貧乏の領地より悪人でも領地運営が上手な方を選ぶでしょう。


ですから、私は帝国から人を呼び寄せようと考えてました。



「ありがとうございます。この地の領主とは言え、もうこの国とは絶縁した身です。頼れるモノが無い今、皆様を頼りにさせて頂きます」



「しかし、もうお嬢ちゃんとは呼べへんな。シュア……いやお姫様と呼ばせてもらうな」



「お姫様⁉︎……それは恥ずかしいです」



私はカイトさんにお嬢ちゃんのままが良いと言葉にしようとして気づきました。カイトさんは私の事を認めたから名前かその敬称にしたのでしょう。

私が反応に困っているとカイトさんはしてやったりと言う表情を作ります。


私が困っているとアイシャが助け船を出してくれます。そして、耳元でドアの外にちびっ子達が居ますと教えてくれます。


カイトさんに伝えると外に音が漏れる事はなく、防音だから気にするなと言われました。


……この部屋は防音でしたか。


さらっと言いましたが防音出来る部屋を作る技術はまだ人族にはありませんよ。


私はコホンとワザとらしく咳をしてカイトさんに話します。



「交渉も終わりましたし、ゆっくり出来る時間も出来ましたので、宜しければリンちゃんとツルギちゃんと触れ合いたいのですが駄目ですか?」



ソワソワする気持ちを抑えて、尋ねてみますとカイトさんは構わないとお言葉が帰って来たので早速ドアの外に居るお二人をアイシャが招いて私の隣に座らせました。


流石アイシャです。分かってますね!


ドアに居たのがばれた事にビックリした子供達はまた怒られると思ったのかカイトさん達を見ますがカイトさんは何も言わなかったのて子供達は私に擦り寄ってきてくれました。


ツルギがアイシャに何か言いたい事があったようで私と少し話し終わるとサッとアイシャに話しかけに立ち上がります。

1人逃げたので私はリンをそのまま抱き寄せて、膝に乗せドワーフっ子のミニマムを体感します。

頭を撫でると猫みたいに気持ちよさそうに私へ体を預けるリンに満足します。

これです!これが最近足りませんでした!


僻地に来てからと言うのも擬似サバイバルに宮殿生活とよく分からない境遇の私はいつの間か子供と戯れる事から離れてしまってます。

ルーリーとも戯れてますがまだ足りないのです。


あぁ、私はただ子供たちと戯れたいだけなのに!


ツルギちゃんとリンちゃんが入ってきた事でお開き状態のこの部屋にアキラさんまで入ってきて、まったりした空間になりました。

ドワーフ族はアットホームな雰囲気で良いですね。


カイトさんは締まりが無くてすまないと言いますが王都に居た時は周りに対して気を緩ます事が出来なかったのでドワーフ族のこの空間が好きです。

そして、子供たちがもっと居たら最高です。



「ねぇ、姫様は何時まで居るん?」



カイトさんがリンとツルギに私は人族のお姫様だったとバラしてから2人から言われる様になって姫様と呼ばれる事に抵抗はなくなり諦めました。



「そうね、もう帰る時間ね」



膝の上に居るリンちゃんへ答えるとアイシャの近くに居たツルギが反応します。



「え⁉︎もう帰るん?まだ一緒に居たい!」



私がまた会いに来ると頭を撫でてあげると約束なっと2人揃って言うものですから思わず笑みがこぼれてしまいます。

これ程懐かれてしまっては、また来なくてはなりませんね。



「では、カイトさん。議会が終わりましたらリヒト様にお伝え下さい」



ガーネにすぐに伝わりますのでそれが一番早いです。

議会と言う言葉に反応したのがリンでした。



「あのおっちゃん達がまた難癖付けて来るんやろ?会えるん遅くなるかもしれへん」



やはり、反対派がいるのでしょう。

ゲンさんが武器の整備や調整をしないと言っていたので想像はつきます。



「大丈夫よ。戦士の方々も今回の件では難癖は少ないでしょう」



「そうなん?ならまたすぐ会えるん?」



「次会う時はルーリーって可愛い女の子連れてくるわ。お友達になってくれると嬉しいな」



リンがうんと大きく頷き話が終わらせようとしましたがカイトさんにジロッと見られます。

あら、話の流れで流せませんでしたね。



「ワシは議会とは言ったが戦士の言葉は一言も言っておらんぞ?」



「ゲンさんの言葉で想像がつきました。議会とは鍛治や戦士と言った役職の長が集まるものかと勝手に連想しました。どれだけの規模かは想像出来ませんがそれを纏めるのがカイトさんの役目ですよね?」



「……うむ、そうやで」



「ドワーフ族の長を選ぶのに家を基準にすると言ってましたが外交の交渉や仲間内のやり取りを基準にしているのでしょう?他のドワーフ族に会ってないのですがゲンさんやツルギちゃん、リンちゃんやアキラさんは裏表のない会話でまっすぐです。カイトさんは人族の貴族と変わらないやり取りをしていました。他の者はカイトさんに言いくるめられると思いますが戦士の方々は理屈では無いので大変でしょう」



「……お姫さんには敵わないな。その辺りは話す気なかったんやけどな」



「でしょうね。戦士の方々の気質は荒っぽく、自分を曲げない者が多いです。どこの種族でも似た様な境遇です。その纏めの長となる方は威厳と威圧的に溢れているのでしょうね」



リンもツルギも嫌っているように見えるので怖い方なんでしょう。

リンちゃんが不思議そうに聞いてきます。



「姫様は怖くないん?あの人たちは乱暴だし意地悪ばかり言うんやもん」



「そうね、戦士にも様々な地位があるの。人族には騎士と呼ばれる人々から尊敬されている戦士がいるのよ。それに戦士の方々が怖いから悪い事は皆はしないでしょう?多分だけど、危険な時には側に居てくれる事はない?」



「ん〜、言われてみたら狩りで危険な森とか行く時や危ない時に必ず居るな。そっか、ウチらを守ってくれてたんな」



リンが納得するとツルギはでもなーと言います。



「彼奴らは戦え〜だのドワーフの誇りとか言って皆を危険な事させようとするしな、平和なのを乱してるんは彼奴らやで?」



「確かに戦士ならそういうわね。それは他の誰よりも危機を感じているからこそ、言葉にしているのよ。でもね、ツルギちゃんの言葉も正しいのよ?平和な里に争いは必要ないわ。ただ、だからこそ、武力は必要なのよ。抑止力……強くて怖い人が居るから平和を維持出来るのよ。ツルギちゃん達が大きくなったら分かるわよ」



私がそう微笑むと分からんけど分かったーと返事を2人はします。

その光景をカイトさんは頷きながら見てきます。

カイトさんに視線を戻します。



「カイトさん、もし宜しければ、戦士の方々に伝言いいでしょうか?」



「ふむ、構わんよ」



「貴方達の言葉は戦士として正しいです。ですが平和である事が貴方達の言葉を不利にするでしょう。ですが分かる方には分かります。この平和な里を守り抜いて下さい。この平和な環境は歴代の戦士が築いた証ですから」



私が言い終わるとカイトさんから分かったと優しく頷いてくれました。



その後、皆と交流と言う名の雑談が終わるともうそろそろ日も暮れるとの事でドワーフの里を離れました。


ガーネに連れられて帰る最中に私は王国の事を考えてました。


僻地に来てから考える暇が無かったですが本日話して、周りの方々がどうなったのか気になります。

もう関わらないでしょうがいつか落ち着いた頃にお話が聞けたらと思います。


勝ったモノが正しい。


王都での私の噂は悪女でしょうね。

殿下も新たな婚約者も多少のペナルティはあるでしょうが居なくなった者より居る者を優先されるでしょう。


私を貶めた方々が今度は正しい道を歩いてくれましたら私がここにいる事が報われます。


まだ殿下の事を考えてしまうとは私もまだ好きだった気持ちが残っているようね。


出会いがないのだから仕方ないわね。


私はこの気持ちをそっと胸にしまった。

遅くなりまして申し訳ないです。


コレでドワーフ族の話は終わりです。もう少し早く終わらせる予定だったのが長くなっちゃいました。



次は王子様です。

ざまぁ回になると思います。

ではすぐに投稿出来るように頑張ります!

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