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096 都大路で会うために

阪神地区記録会は大詰め。


昇のラストスパートは

名門と何が違うのか…


「ラストや!(; ・`д・´)」

「粘れ!あと半分!!」


 …男子5000m最終組は最終盤。


 さっき三位の泉がゴールして、

 四位もゴール直前。


 そして続く五位はワシ。(`^´)

 残りはおよそ50m。

 このままゴールと行きたいけど…


 ワシの横には競り合うランナーが

 二人もおる。(´゜д゜`)


 いずれも強敵…

 これに勝って一秒でも一歩でも

 早くゴールしたいけど…



 ゴール前…京都蚕大が遅れた。

 あと一人振り切れば5位やけど…


 後から聞いた話では彼は故障明け。

 あくまで今日は調整試合。。

 …本気ではない。


 対してもう一人は…



「負けんな!!( `O´)ノ」

「あと一歩ぉ!!」

「…く…ぐぅぅぅ!!(`n´;)>」



 …鬼気迫る執念。。(´・ω・`)


 一度は集団から離されて余力なんか

 残ってないはずやのに…


 半歩たりとも息を抜かない。

 ワシら凡人が軽々しく口にしてる

 一生懸命や頑張るとは違う。


 常人には出しきれない体力の底を

 当然のように気力で絞り出す。。


 

 これが都大路を目指す名門の

 当たり前のスパート。。


 ワシとの差はわずか一秒。

 5mに満たないけど…


 …ワシは6位。

 …記録は14分46秒。

 …1秒ではあるが目標に及ばず。。


 なんや…強い敗北感が残る。。



 けど現実を突きつけられるのは

 ワシだけやないみたい。


 テントに引き上げてみると

 火種がついて来てて…



「…おいおいマル。(´-ω-`)

 なぜお前がウチのテントに来る??」

「…そう言うなやハナ。(´・v・`)

 なにせ今日の俺は一人ボッチやから。。

 友達を救うと思ってやな…」


「それで佐野が連れてきた??(-_-)」

「…知らん。(´-ω-`;)

 ちゅうかワシはコイツのツレやない。

 ボッチが勝手についてきたの。。」


「…そう言うなや。(´^ω^`)

 昔の仲間やないか泉ちゃん。。」

「い…泉ちゃん言うな!!(; ・`д・´)

 ワシは垂水とそんな親しないど…」


「…つれないなぁ。。(;'∀')

 同僚は泉って呼んでなかった??」

「…それは…(・.・;)

 あのそのこのどののの…」



 それ…言わん方がえぇかな。


 扇町天馬にはバラしたとはいえ、

 大阪最強の西風には内緒にする約束。


 バラす必要のないその…

 全国最強の潘工相手にあえて

 いう必要はないよな。。



 けど…その後も垂水とやらは

 テントから離れようとはせぇへん。


 千林さんを交えた反省会にも参加して

 首を突っ込んどる始末。。(-_-;)


 なんやコイツ…

 本物の寂しがり屋さんか??


 帰る段になってもまだついてくる。。

 けど…



「…なんやハナ。。(´゜д゜`)

 J尼の駅まで付きあわへんの??」

「…ああ。俺はバイクだから。。

 この駐輪場でお別れだ。(´・ω・`)


「……お別れか。。(;´・ω・)」

「…そんな言い方する。。(*'▽')

 マルには一生会えんわけじゃないし…」


「…けどハナは…(;´;ω;)

 もうトラックには出ぇへんねやろ。。

 今日かったムリすれば出場を

 ねじ込めたはずやのに…」

「…たしかに…(;´・ω・)

 だが俺には寄り道する余裕はないから

 ロードに絞るつもりではあるが。。」



「…ならば夏は会えんな…(´・v・`)」

「…ああ…次は…(`・v・´)」


「…都大路で会おうか。。」

「……しかねぇか。。

 だが俺もコイツらもそのつもりだ。

 マルこそ…負けんなよ。」


「…負けんよ。(; ・`v・´)

 俺たちは必ず日本一になる。

 いや…返り咲くんや。。」


「…スマン。(;´・n・)

 俺のせいで…苦労かけるな。。」


「…謝んな。。

 あれは俺のせいでもあるんや。。

 けど兵庫のレベルは日本一高いから…

 報緑に宇磨学に…

 ウチは一縷の油断もでけんから。。」


「…俺らもな。。(; ・´v・`)

 もっと気合をいれんと間に合わんよ。

 もう…一時も無駄にはできんな…」



 こうしてかつての潘工の名コンビ…

 ハナマルは再び袂を別った。。


 だが放出の選手寿命が尽きる直前で

 ある今、再び競技者として会える

 機会はそうはないはず。。


 ならば次は…都大路…


 やけど現実にはそうはいかん。

 それは…思い知らされたわけで…


 そしてそれは

 大名門でさえ同じなわけで…


 駅までの道すがらでは…



「…ほう。。(*'v'*)

 播工はこの冬をケガ人なしで

 乗り越えられたんか。」

「…まぁあんなことがあったから…

 とにかく身体を大事にすることだけ

 心掛けてきたから。。」


「…やったら何が問題??(・.・;)」

「…若手の底上げがないんや。。

 どうしても練習量が少ななるから

 選手層は薄いまま。(;´・c・)」


「…おやおやマルくん。(-v-)

 日本一の名門様が弱気なこって…」

「…けどな佐野…ウチは公立や。。

 俺を含むエース級の数人はともかく、

 他の連中では報緑には勝てんよ。」


「せやから今日はエースみずから…

 あれだけ叩いたってわけか…」

「…あれぐらいはせんと…

 私立名門は今日のメンバーで半分。

 あれぐらいの選手が

 今回の倍ぐらい控えとるから。」



 …ホンマかいな。(´・ω・`)


 だってあれだけ潰されても報緑…

 5人全員が15分を切ってゴールしてる。


 その倍と言うことは単純計算でも、

 この時期に14分台の選手が…

 その倍の10人以上いるということ。


 つまり駅伝メンバーは…

 補欠を含めて全員を14分台で

 揃えることができる。


 そしてだからこそ

 故障者を出すことを恐れずに

 鍛え上げることができる。。



 そしてその強みはそのまま…


 強豪私学を多く抱える

 大阪の予選にも当てはまる。


 特に昨年の都大路で

 報緑と双璧を為したあの


 扇町天馬率いる西風に…


 これからさらに強くなる

 ライバル高を相手に

 我が天下茶屋がするべきは…


 女子を含めて7名しかいない

 ウチは鍛え上げられない。



 今日の記録会…


 たしかに成果はあった。

 天下茶屋の実力は決して

 捨てたモンやなかった。


 けどワシらが都大路に

 行くため…

 再び表舞台に立つために

 足りないモノ。


 走力だけやない。

 経験と実績…そして執念。


 そして何より選手層。。


 その解決法は分かってる。

 けど…


 どうすればいいのかは分からない。

 (´・ω・`)




足りないモノが多すぎる。

けど大阪府予選まではあと7カ月。


ホンマに間に合うんかな。(;´・ω・)

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