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085 今日の目標は決まったな

3月末。。

天下茶屋高校駅伝部はデビュー戦として

阪神地区記録会にゲスト出場します。

「おう。みんな揃ってるな。」

「…っていうか千林さんこそ…

 ここに顔を出してえぇんでっか??」


「…まぁそう言うな。

 パンフレット持ってきてやったから。

 今日は取材記者として接してくれよな。。」


 

 来てくれたのは千林旭さん。

 新聞記者の傍ら、隠れて指導をしてくれる人。

 今の肩書は…非常勤密命コーチ。


 年度末の忙しさ故に最近はあまり顔を出して

 くれてなかったけど…


 陸上の記録会となれば堂々と来れる。(^^;


 もっとも表立った指導はムリらしいけど、

 今日のエントリーもしてくれたんや。



「よし。ワシは予定通り最終組や!!」

「良かったな天保山。

 区間賞をとったのが大きかったようだ。」



 今日の記録会の組み合わせが確認できた。


 ワシは予定通り男子5000mの最終五組目。

 そしてこの組の20人の中には…


 大学生3人。社会人2人。報緑が5人。

 さらに地元の高校実力者が8人。

 その凄い組み合わせにワシと…


 あれ??一人足りなくない??



『…ウチも最終組でっか??』

「そりゃ佐野の実績なら当然だろう。」


『…けどウチは5000の公式記録はないし…

 3000の記録も中学の時のですよ。。

 とても最終組で走れる実績やないのに…』


「…あのなぁ。佐野泉の名は重いんだ。。

 前座にはできない存在だって自覚はある??」

『ウチって…そうなの??』



 …何や知らんけど…

 ワシと泉は最終組で走ることになる。


 こんな乙女な格好してるとはいえ佐野泉は

 物凄い実績と知名度がある。


 そしてワシも同じ域まで来たらしい。

 佐野泉と互角と認められるだけの力が…


 けど一方で実績のない連中は。。



「俺は…二組目か。。」

「…残念だな浜寺。この組は…

 17分以下の選手ばかりで50人以上はいるぞ。」


「まぁでも俺は陸上界では新参者ですから。

 まずはここで一位になって、

 次はもっと良い組で走れるよう頑張ります。」

「…そうだな。その意気だ。」


「…けどボクは三組目に入れたんですね。」

「赤阪は一応公式記録があるからな。

 だがここも17分前後が中心の40人以上の組だ。

 お前ならば周回遅れを出せるだろう。」


「…でも浜寺と違って…

 このメンバーで一位は厳しいでしょうね。」

「たしかにそうだな。。

 この組にはそこそこ実績のある選手もいる。

 駅伝でエース区間を走る選手も。。」


「…でしたら駅伝に使ってもらうには…

 ここで上位に入るのが基準ってことかな??」

「…そうだな。とはいえ…

 強豪陸上部の駅伝メンバーはいないぞ。」



『…私は女子3000mの最終組ですか??』

「ああ。この大会は女子は参加者が少ない。

 加えて阿倍野の中学の実績でいえば妥当だが…

 回復途上のお前には厳しい組だぞ。」


『…とは言え男子駅伝に出るのなら…

 この程度に負けては話になりませんよね。」

「そう言いたいところだが…

 まずは記録だ。10分を切って来い。」


『…ですよね。勝負より記録ですよね。。』

「ああ。あくまで男子駅伝の戦力だからな。

 お前には女子の勝負など二の次だ。」



 どうやらみんな今日の目標ができたな。。


 浜寺は二組目で一位。

 赤阪は三組目で上位。。


 急成長で実績が乏しいゆえに、実力以下の組に

 入れられた二人にとっては妥当な目標。。


 遥は女子3000mで10分以内。。

 男子駅伝に出る以上は最低限の目標。。


 そしてワシと泉は…最終組で中位以上。

 期待込みで実力以上の組に入った二人には

 なんとか強豪に食らいつくのが目標。


 でもあれ??

 放出はともかく…あと一人は??


 

「ああ。能勢は5000mには出さない。」

「じゃぁ俺はどうするんスか??

 まさか尼崎まで遊びに来させた訳じゃ…」


「…遊びなわけないだろ。。

 能勢には1500mに出てもらうから。」

「な…なんで俺だけ??」


「…お前は三キロ限定だ。

 しかも適応距離を伸ばしている最中。

 5000よりは1500の方が適当だし…」

「…だし…??」


「…能勢は400のインターハイ選手。

 1500なら良い組に入れると踏んだんだ。」

「…じゃぁまさか…(・.・;)」


「…ああ。6組中の5組目。

 ラスト前の組に入ることができたんだ。

 ハイレベルの選手が揃っているぞ。」

「そりゃ…遊びでは済まんな。。(・v・;)」



 能勢は…1500mか。。

 たしかに今の能勢には5000mよりも

 1500の方が向いてるやろう。


 ホンマは3000mに出したいけど、

 なぜか高校女子や中学男子では一般的だが、

 高校男子で3000mはあまり行われない。


 ましてロード専門の駅伝部員には、

 3000mSCの経験は不要やから。。



 でもだいたい記録会というのは…

 特に長距離に力を入れた大会では…


 中距離種目は前座扱い。(+_+)

 またはダブルエントリーというのが多い。


 というわけで1500mは午前中。。

 あと一時間ほどでスタートというわけで…



「…1500のエントリーはもうすぐだ。

 すぐにアップを始めないと間に合わんぞ。」

「ウソ。。誰か付き合って!!(:o;)」


「…けどボクと浜寺はテントの設営があるし…」

「…ワシは部長として手続きがあるし…」


「…放出は!??」

「俺は今日は目立ちたくないけどなぁ。」



「…じゃぁ千林さん!!」

「俺は…付き合えんぞ。。

 今日は仕事で来てるんだから…」


「遥は!??」

『でも上下革ジャンにブーツですから…

 せめて着替えてからでないと…』


『…ウチは昼まで乙女ですから。。(^n^;』

「…やっぱり泉はムリか。(^-^;」



 とりあえずアップは赤阪が付き合ったけど…


 おかげでテントの設営は遅れて、

 張り終わる前に1500mの招集は始まった。


 能勢は急ピッチでアップして…

 なんとか招集時間に間に合って…

 気合の入った表情でワシらの前を通り抜ける。


 ついに天下茶屋駅伝部の初戦。

 応援するワシらにも気合が入る。。

 


「景気を付けてくれよ、能勢!!」

「天下茶屋の先陣を切ってくれよ!!」


「おぅ!!任せとけ!!」



 やはり能勢にはこれやな。。

 学校名を背負わせれば気合が入るから。


 けどそれ以上に気合が入るのが…

 やっぱり能勢も男やから。。



『(みなみ)がんばれぇ。能勢!!』

「(能勢)おう。頑張るよ。(^^」


『(遥)能勢先輩。ファイトォ!!』

「(能勢)はは。嬉しいねぇ。。(^v^」


『(泉)行っけぇ!!能勢ぇ!!』

「(能勢)お前…目だちすぎだ!!(/・o・;)/」



 …まったく応援はええけど…

 泉は会場全体の注目の的になっとる。

 誰も気づいてなければええけど…

 

 お前は北摂の白兎やぞ!!(=゜ω゜)ノ

 軽くない名前を持った有名人やぞ!!


 …というかたかが記録会で…


 なんでこんなコソコソせなあかんねん。。

 (;´+ω+`;)




阪神地区は高校レベルでは全国有数の激戦区です。

記録会のレベルもそこそこ高いですよ。

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