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074 なぜか腕相撲大会??

ボロボロの駅伝部。。

普段の練習もままならないらしいです。

『そうか。浜寺の風邪はまだ治らんのか…』

「あと赤阪も休みや。さすがに昨日の今日やから…」


『…しゃぁないな。あと…難波はどうした??』

「ああ。みなみは何か用があるって言うてたで。。」



 …泉も随分と気にしとるな。。

 まぁムリもないわ。


 もともと故障もちの放出と遥はともかく…

 浜寺に続いて赤阪まで倒れたんやから。

 能勢も故障して…ついでにワシも。。


 そんなこんなで元気なんは泉一人になった。 


 せっかくスタミナ満点のチョコを作ってくれたのに…

 なんや無駄にしたみたいで申し訳ない。



『とにかく今日のメニューもペース走やったな。

 天保山も一緒に行けそうか??』

「いや…ワシも今日一日はドクターストップなんや。

 能勢も足首の痛みが残っとるし…」


『あと放出も今日は別ニューの予定やから…』

「…遥は行けるんか??」


『はい。でもこれじゃちゃんと練習できるのは…

 私と佐野先輩の二人だけですね。。』



 …なんということや??

 メインの練習に参加できるのは遥と泉だけって。


 ここは女子駅伝部やないど!!


 というかそういう問題ですらないんやけど…

 さすがにこれでは士気が下がる。。



「仕方ないな。じゃぁ今日は俺も参加させてもらうよ。」

「ええんか放出??お前まで無理したらアカンど。」

「大丈夫だよ天保山。それに人通りのほとんどない河川敷で

 阿倍野を佐野と二人きりにする方が心配だから。。」


『えっ??放出それどういう意味や??』

「そういう意味だよ。阿倍野に万が一があったら困るから。」


『ど…どアホ!!ウチがそんなことはその…(=`・ω・´)ノ』

『そうですよ放出先輩。だって佐野先輩は私より小さいから。。

 仮にそうなっても私一人で何とでもなりますって。(^v^)』


『こら阿倍野!!そういう問題か!??(;O;)』

『まぁ…腕力なら私の方があるでしょうからね。(^v^)ゞ』


『なんやと!!(; ・`д・´)

 こう見えてもウチは…体は男やぞ!!』


『…だから放出先輩も心配してるんでしょ??

 というか試してみます??(*^ω'*)』

『…面白いやないかぁ…( `^n^;)』



 …というわけで…(・。・;)


 なぜか遥と泉の腕相撲対決が始まってしまった。

 しかもまたこれがええ勝負で…


 数分経ってもまだ決着がつかへんのや。。



「はは…面白そうだな。天保山も能勢もやってみないか??」

「…やるって腕相撲をか??またなんで??」


「何でも良いよ。…て言うかたまにはいいだろう??

 行き詰まった時にこそ…息抜も必要なんだ。」

「…でも放出。それでいいんか??」


「良いも何もここは乗っかるべきだろう。。

 せっかく阿倍野が気遣ってくれたんだからさ。」

「あ…なるほど…」


 …そういうことか。。

 なんで遥が急に力自慢なんかしてるかと思ったら…

 …そういう気遣いがあったんやな。。


 けど放出はようわかったな。


 この二人…ほんまに以心伝心なんや。

 もしかして遥がケガするまで止められんかったんは…

 放出がその心根を分かりすぎてたからかも。。


 …こんなにも優しい二人が…駅伝の神様は皮肉すぎるで。。



 …まぁともかくそういうわけで。


 腕相撲大会は男衆にまで広がってしもた。

 まず能勢が健闘むなしくワシと放出に二連敗して…


 決勝はこの二人というわけで…


「…やるなぁ天保山。さすがは大型選手。。」

「放出こそ…さすがにええ筋力しとる…」

「ようし!負けないぞ!!」

「こっちこそ!!」


 

 結局…ワシと放出は勝負がつかへんままや。

 というわけで駅伝部で最強の力自慢は…


 …まぁ普通に考えたら浜寺か。^^;


 じゃぁその次は…

 ワシか放出やと思ってたんやけど…


 

『わぁい。また勝っちゃった。。(^O^)/』

「遥おまえ…メチャクチャ腕力あるな…(:n;)」


 …遥のヤツ。。

 泉に続いて能勢も倒したらしい。。


 確かに長身でええ体格はしてるけど…

 可愛い顔した女の子がどんな怪力やねん!?



『さぁて。…次はどっちですかね??』

「…どっちって??」


『放出先輩と天保山先輩。

 負けた方が私の相手ですからね。(^o^)/』

「……(´゜д゜`)」



 …な…なんでそうなるんや??


 長いこと勝負して二人とも腕パンパンやのに…

 深く考えてなかったけどもし遥に負けたら…


 ワシら…立場がなくなるかも…(*_*;


 となると…


 

「ええから…はよ走って来い…」

『でもまだ決着が…(-n-;)』


「ええから!!今日は腕相撲大会やないど!!」

『はぁい…じゃぁ行ってきまぁす。。(-_-メ)』


「なぁ阿倍野…俺も行った方がいいのかな??」

『はい。佐野先輩は見た目より力強いですからね。

 万が一の時は頼みますよ。放出先輩。('v^)』


『…阿倍野…お前にだけは言われたない…』

「…俺にできることってあるのかな??」



 …というわけで遥と泉と放出は走りに行って…

 残されたワシと能勢は別メニューで調整したけど…


 なんとも微妙な空気になってしもうたんや…


 だってなんやかんやで男は腕力やから。

 くだらんこととは言え…負けたくないもんやから…

 


 …ちなみに能勢は泉とも勝負したらしい。。


 なんか…お気の毒にな。。(-_-メ)



何気ない気遣い。

意外にみんな気付かない。。


けどこれで元気づく人もいれば…

結果的に元気をなくす人もいるのかも。。

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