051 気まずいな。。
みんなで初詣中。。
このお話もようやく新年を迎えます。(^^
「おぉい。そろそろお参りに行かへんか??
とっくに12時まわってるぞぉ!!」
『ああせやな。急ごうか。』
「そもそも誰かさんが遅れてくるから…」
『…しゃぁないやろ…
女の子は準備に時間がかかるんや!!』
「機嫌悪いな。まさか女の子の日か??」
『ど…どアホ!!ウチはその…女の子やけど…
それはないんや!!…ちゅうかわかっとるやろ!?』
「…けど相手に怒っても仕方ないよ。
あの扇町って…間違いなく強いと思うよ。。」
『…それはそうやけど…』
…まったく…神様の御前やぞ!!
正月早々なんちゅう会話しとるんや…
…とはいえ泉が動揺するのも無理はないわな。
最大の敵である西風の決意を見せられたんやから。
しかも…唯一の勝ち目を潰されたんやから。。
…あとスマンな。赤阪・能勢・浜寺。。
みんなで豊國神社に来たのに…
…前回は一文字も出番がなくて。
…というわけで全員で新年のお参りや。
勝運祈願。天下茶屋高校の健勝を祈念して…
…そう。事前にみんなで話はしてるんや。
神様に祈るのは自分にはどうにもならないことだけ。
実力アップも本番の勝利でさえも…
自分できることがあるうちは神様には頼らない。
人事を尽くしてから天命を待つから…今は頼らない。
祈るのは勝運と健勝。それだけや。
ただし…例外として部員増加だけは神様に祈る。
どうもこれだけは…
神ならぬ身ではどないもならんみたいやから。。
…あとよくよく考えたら…
どんなに長くても今年末には解散する駅伝部。
天下茶屋駅伝部が初詣するのはこれが最初で最後。
…しっかり神様に覚えてもらわんとあかん。
下らない会話をしてる場合やないんや。
「よし、みんなで神様にご挨拶やで。」
『それより天保山。帽子は取りって言うたやろ。』
「せやった…忘れてた。」
『ほれ。早う取り…』
「触るな!!!」
帽子を取ろうとした泉を思わず払い除けてしまった。
…自分が思う以上にすごい剣幕やったんやろう。
みんな硬い表情になってしまってる。
…けどこの帽子は…みさき義叔母ちゃんの形見や。
年季の入ったボロボロやけど…誰にも触られたない。
…とはいえそれは他人には言えないこと。
だって…言うたら同情されるから。。
命を救われた立場のワシが同情されたら…
命に代えて救ってくれた人への…申し訳が立たん。。
…けど、さすがに気まずいな。
ただでさえ泉は不機嫌。みんな不安を抱えてるのに…
ワシが取り乱した上にその理由を言わんなんて。
なんとか雰囲気を良くしようとおみくじを引いたけど…
あらら…≪ 凶 ≫やがな。。
…せやけど引き直すわけにもいかんしな…
必勝祈願に神社に行って≪凶≫が引いたからと言って、
大吉が出るまで引き直した惟光さんの話は知ってるし…
…特にここは太閤さんを祀った神社やから。
どうせなら…羽筑の勢いで行きたいんやけどな。
…とはいえどうしよう??
巫女さんに聞いたら、年初に凶を引いたら年末には
運気が上向くこともあると言ってれた。
駅伝は年末やから良かったかもしれんねんけど…
…そのためには≪厄落とし≫をした方がええって。
…で、厄落としって何をすればええのか聞いたら…
よぅわからへんねんて。。
まったくこれやからアルバイトの巫女さんは。。
…とりあえずわかったことは…
なんや突発的な不運が落着すればええらしいけど…
それって…何すればええのか見当もつかんやん。
それこそ神様に頼むしかないんやろうか??
…もう一回祈ってこよ。。
歴史好きの人はご存知でしょうが…
惟光さんとは惟任日向守光秀さんのこと。
明智光秀さんと言った方が通りがいいでしょう。
本能寺の変の直前には愛宕神社を訪れて、
おみくじを引いたとのことですがその結果は…
凶でした。( ^ω^ )
引き直しても同じ結果でした。って.
まぁ後世に作られた話でしょうけどね。。
あと関西の人はご存知でしょうが…
太閤さんとは豊臣秀吉さんのことです。
本能寺の変当時の名前は羽柴筑前守秀吉。。
羽筑の勢いとは本当に言われていたそうです。




