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045 できる理屈を並べた方がええ

都大路のレベルを知ったうえでのミーティング。。

なんや…無茶な空気が漂ってます。。


『さて昇が無茶を言うた以上…

 次からはハードルが上がってしもうたな。』

「次って…二区ですよね??」


『そりゃ一区の次は二区でしょう??』

「…俺やっぱり…えらい区間を選んだのかも…」



 …二区を予定しているのは能勢豊。


 400mではインターハイに出場したスプリンター。

 そのスピードは抜群やけど…

 距離が伸びるとペースが極端に遅くなる。


 この問題をどうするかやねんけど…



『じゃぁ1000mまではいけるんか??』

「ああ。2分50秒ならいつでも。。」

『2分50秒??泉より20秒も…』

『おいおい難波。まだウチと比べたら可哀想やで。』


 1000mを2分50秒。…悪いとはいわんけど…


 能勢は400mでは全国レベルの実力者…

 なのに1000mではこんな凡庸な記録で…

 さらに3000mではなんと…10分を切れてないんや。


 短い距離では高校トップレベルなのに、

 ちょっと距離が伸びただけで中学生以下。。


 …この極端なペースダウンをどう克服する??



『そんなん簡単や。昇と同じ理屈や。。』

「難波お前…まさかアホなこと考えてへんよな??」


『…ああ。ズバリそのまさかや。

 能勢は1キロ2分50秒で…3キロ走りぬけや!!』

「アホかぁ!!」



 …アホや。どう考えてもアホや。。


 1000mと同じペースでその三倍を走れって…

 非常識にもほどがある!!


 …でも2分50秒の三倍ということは8分30秒。

 例年の二区なら上位を狙えるタイム…

 …さすがにそこまでは求めんけど…


 それでも今年の区間賞よりは30秒以上も遅い。

 都大路ではこれでも…その程度なんや。。



『なぁ。能勢はたしか文系クラスやったよな。』

「…それがどうした??」


『やったら理系の昇みたいに理屈で考えなや。

 感覚で考えて。今の三倍長く走ればええって。』

「…余計にムチャに思えるけどな。。

 でも…やることは無茶苦茶わかりやすいぞ。」



 …おいおい能勢…


 たしかにあまり理屈は通じんタイプやったけど…

 …ここまで支離滅裂とは思わんかった。


 …あとワシがこれまでの二倍の距離をと言うたから

 自分は三倍の距離を走るつもりやろうけど…


 5000mと10000mは近しい種目なのに対して、

 1000mと3000mではまるで違う走り方が要求される。

 つまり…お前の課題はワシとは毛色が違うんや。


 とはいえ理屈の通じるヤツに…こんな課題はムリ。

 論理的に考えられたら絶対に却下される。


 それやったら…行けるとこまで行ってみるのも…



「なぁ…泉はどう思う??

 やってみる価値はあるけどさすがに…」

『無茶苦茶やとは思うよ。

 けど…できる理屈やからな…』


「…できる理屈??」

『ああ。でけへん理屈はなんぼ並べてもでけへん。

 けどできる理屈なら…できるかもしれん。』


「かもしれんって…無責任やなぁ。」

『おいおい。天保山あんたが言うかぁ!?

 こんなチームで都大路を目指すいうてるクセに。。』


「…けど不可能やろう??」

『そうかな??どんな無茶でも納得できる理屈なら…

 ないはずの可能性が生まれるかもしれんで。。』



 …そうかなぁ??


 確かにできない理屈を並べるよりは…

 できる理屈を並べた方が前向きではあるけど…


 …事実ワシらはそんなムチャな理屈を積み重ねて、

 やっとここまで来たんやから。

 ならばそのまま細い理をたどり続ければ…


 …ホンマに都大路にたどり着けるんやろうか??



 …普通に考えれば不可能やと思う。。


 けどできない理屈を並べれば不可能なことも…

 できる理屈を続けられる限りは…

 確率はともかく…不可能ではないのかも…



「よし能勢、目標は決まったな。」

「天保山…お前までムチャいうなよ!??

 8分30秒って。今より1分半も早いんやぞ。。」


「やってみろや!!どうせワシらに失うものはない。

 それなら細い理でも…辿った方がマシやろ!!」

「…そういう理屈っぽいのはわかりにくいな…」


「やったらやれ!やれるとこまでやれ!以上や!!」

「…そこまで感覚的なのも気ぃ悪いな…

 けどまぁ…とりあえず行けるとこまではな。。」



 こうして一区と二区の目標は決まった。

 滅茶苦茶で支離滅裂でおよそ達成不可能やけど…


 …でももし達成できたら…

 …鳥肌モンの前半戦が展開できる。。



 それが…できる理屈なんかな??



できる理屈。。

無謀とも夢想とも同じとはいえ…


元から諦めるよりはマシかもしれません。。


あと掲載スケジュールを間違えた。。


次回がまだ仕上がってないのに…

どうしよう。。

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