表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/240

040 都大路とはそういうもんらしい

全国高校駅伝

通称『都大路』


スタートしました。。


<パン!!>

 

 …号砲一発。スタートした。

 ≪花の一区≫と呼ばれる最初の10キロの長丁場。

 高校最高の実力者たちが鎬を削る。


 今まさに彼らは…都大路を吹き抜けようとしてる。



 …ペースは例年よりもやや遅い。

 47名のランナーは一団となって競技場を後にする。。


 だが阪急電車の線路をくぐり…2キロも過ぎると

 徐々に集団がばらけるのは例年どおり。

 やはり47校もあれば実力差もあるんやろう。。


 …ペースは…あまり上がらない。。


 中間の5キロを過ぎてなお先頭集団はおよそ30名…

 強豪はどこも脱落しない団子状態が続く。


 …それでも…


『15分02秒。ちょっと遅めやな…』

「…そのタイムで例年より遅いんやな。。」

『天保山のベストは…たしか15分07秒やったな??』

「ああ…遅めの通過タイム以下やな。。」



 …ワシがいまだに破れない5キロ15分の壁。


 その速さで倍の距離を走れて当然…

 都大路の一区とはそういうもんらしい。

 一年後…ホンマにワシに務まるんやろうか??


 だが改めて驚愕するワシを横目にレースは動く。


 大人数の先頭集団は目まぐるしくその形を変える。

 この速さのまま揺さぶり…仕掛け…乱してくる。


 けど…脱落する選手はほとんどいない。。


 この程度の仕掛け…当たり前のように対応する。。

 むしろ後方のランナーは…

 半端な仕掛けでペースが上がらんのを喜んでる??


 こいつらホンマにワシと同じ高校生??

 いや…もはや人間業やない。。



 …けど他の連中はワシ以上に驚いとる。


 赤阪はともかく浜寺は駅伝中継を見るのは初めて。

 能勢は長距離走のタイムをよくわかっていない。

 …というかトイレ行ってて前半を見てないんやけど…


 …こいつら実感しとるらしい。

 別世界の住人にさえ見える選手がゴロゴロと…


 都大路とは…そういうもんらしいと…


 

 …そして一区はそのままばらけることなく…

 大集団のままで終盤までもつれた。。


 最後までスローペースのまま進んでしまったせいか

 タイムはあまり伸びない。

 先頭は…30分ちょうどで二区に襷を渡った。。


 …例年より遅いため後方との差がほとんどない。

 その後およそ一分で20校以上が通過。。


 これは…二区の重要性が問われる展開か??



 おいおい…

 中継地点ばかり映してるからよくわからんけど、


 二区は…先頭はもう一キロ近くも進んどる。


 …集団やった上位争いは縦長に変わる。。

 実力校が差を広げようとペースを上げたんや。。



「能勢…よう見とけよ!!」

「えっ俺??」


「…お前は3キロ限定やからな。。

 しかも自分でペースを作るのが苦手やから、

 周りに選手の多い前半の方がええ!!」


「じゃぁこの二区が…俺の仕事場か。。」



 …けど誰が見てもわかる。

 …最短区間の二区は…最速区間でもある。。


 …つまりこれが能勢に望まれてる…

 …スピードで押し切る駅伝や!!



「すげぇ…俺のスプリントと大差ないんじゃねぇの??

 こんなんじゃ…1キロももたねえよ。。。」


 能勢が驚くのも無理はない。だって…


 先頭の1キロの通過タイムは…2分37秒!?

 あの日の泉のタイムと9秒しか違わないハイペース。

 当然…能勢の1000mのベストよりも速い。。


 …このまま3キロを押し切れるのか??

 …都大路とはそういうものなのか??


 …能勢は改めて思う。。



 とんでもない相手に挑みかかったのだと。。




二区のペースは本当に速いです。

沿道で見る価値ありですよ。。


ちなみにこの小説の掲載は次回から

週二回にペースダウンします。(^^;


当面は月・金の午前11時からとしますので

よろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ