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038 ええ友達ができたやないか…

今日は駅伝中継を見るために、

みなみの家に全員集合です。


「こんにちはぁ。」

「おぉみんな早いな。まだ11時やのに。」


「ええやないか。どうせ暇やからな。」



 …集合時間まで一時間もあるってのに

 もう全員集まってしもうた。

 お茶請けの準備もできてへんのに…

 赤絨毯も敷いてへんのに…

 

 まぁコイツらは麦茶で充分やけど。。



「それでどうなってる??女子駅伝は…」

「…立明館宇台の独走やよ。もうすぐ第三中継所や。」

「相変わらず強いな。ところでこの美人さんは??」


『よっ。みんな、はよ座りぃや。』

「…泉かいな…お前なんちゅう格好してんねん。。」

『…あんたらには言われたない…』



 それにしても…改めてムサ苦しい連中やな。


 私服のセンスがなさすぎるというか…

 まぁドテラを着てるワシが言うのもなんやけど…

 少しは泉を…見習ったらあかんな。。


 けれどみんなの表情は思ったよりも堅い。。


 ここが…目指すべき場所やと自覚しとるんやろう。

 その目は真剣そのものや。。


 …ちなみに浜寺は駅伝中継を見るのは初めて。。

 ルールもよくわかっていないらしい。


 男子駅伝は七人と知ってたけど、

 女子は五人と今初めて知ったとか。


 それでよぅ都大路を目指す気になったもんやな。



「…やっぱり…女子でも速いんやな。。」

「分かってはいるけど、ボクらより全然速いよ。」


「けど俺らの相手は女子よりずっと速いぞ。」

「…そらそうやろうな。。」


 …さすがにちょっとビビってるな…


 だって目指すべき場所の空気が伝わってるから…

 ここに行くことを本気で目指しているから…

 …目を逸らしたらあかんとわかってるから…


 そして真剣に過ごす時間は短く感じる。

 ただでさえ女子駅伝は一時間ちょっとやから…

 ほんの一瞬で終わったような感じさえする。


 でも…その一瞬のために

 どれ程の努力を積み重ねてきたのか…



「よし…終わったな。」

「あと一時間で男子駅伝。本番や。。」

『そうやな。じゃぁちょっと待ってて。

 今、お茶菓子を準備するから。』


「ええよみなみ。それよりみんなこっち来ぃな。」

『えっ…お義父ちゃん??』


「みんなお昼まだなんやろう。

 今のうちに食っていきや。ウチの特製やで。」


 …そういえばええ匂いがしてたな。

 この香りは【鉄板焼き難波】名物のスタミナ焼き。


 オッちゃん…準備しててくれたんや。。



「あざーっす。ゴチになりまぁす!!」

『こらぁ浜寺ぁ!!いきなりガッツいてからに…

 というかあんた減量中とちゃうんか!??』

「…ええやないか。その分は走るから…」


『…泉も食いすぎや!!

 あんた、そのちんまい体のどこに入んねん??』

『…せやかて美味いんやもん。。

 それにウチは誰かと違って太らん体質やから…』

『だ…誰が太りやすい体質やねん!?』


「そういえば難波…最近ちょっと太ったか??」

『な…なんで能勢が知ってんねん!?』

「はは…カマかけたらホンマやったか??」

『アホぉ!!のったっただけや!!』


「はははみなみ…ええ友達ができたやないか。

 みんなどんどん食べや。おかわりならあるから。」

「あざーっす。遠慮なくいただきまぁす!!」

『…ったく…ちょっとは遠慮しぃや…』



 オッちゃん…ちょっと涙目になってる。。


 …そりゃそうや。。

 ずっと心を塞いでた愛娘に友達ができたんやから。。

 甥っ子のワシも同じやから…尚更やろうな。


 …この幸せが続けばいいと思ってるんやろうな。


 例えそれが…儚い望みやと知ってても。。



さて次回から都大路本番やけど…

なんか引っかかります。。

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