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勝つのはどっちだ!?

練に案内されるがままに、3人は密談に使う客間へと案内された。

「密談って言うから、ものすごい厳重な客間だと思っていたけど、練ちゃんの部屋の中にある隠し部屋だよね?」

「そうよ」

練は満面の笑みで、自身たっぷり気な様子だ。

「この部屋は防音、防壁。その上、まさか娘の部屋で密談が行われているなんて想像もつかない

でしょう?」

「まぁ、確かに。密談をする場所といえば、邸宅で一番、奥側の部屋や地下室とかを想像する…けどね」

蹴斗が微妙な顔をしている。

「なぁに?藤森くん」

「さっき通った、大門の部屋の、あれ…は、ちょっと止めて欲しいんだけどさ」

「あら、藤森くん。私の趣味なのよ」

練は、ニコニコと微笑んでいる。

「趣味…」

部屋の一角には、ひなたと蹴斗を隠し撮りした写真や、2人を推しているような自前のグッズが置いて

あった。

「恥ずかしいし、その…」

練が蹴斗にそっと耳打ちをした。

「大丈夫。藤森くんが想っていること、ひなちゃんにはバレないわ。私はね、ゆくゆくは2人が結ばれてくれることが、一番の願いなの」

「えっ!?ちょっ、待って」

蹴斗が顔を真っ赤にして、慌てふためいている。

そのやり取りに、ひなたが気づいた。

「あー、さっきのあれでしょ。私もさすがにどうかなと思うけど、練ちゃんが私のファンで、藤森くんは推し仲間だって言うから、この程度の推し活くらいはいいかなと思ってね」

「推し活…」

ひなたの鈍感さに呆れてしまう。

「もうちょっとだけ、ひなちゃんが敏感になってくれたらねー」

頬に手を当て、練が残念そうな表情をする。

「本当だよ。桂木、鈍感過ぎだよ」

蹴斗は、ひなたに暖かい眼差しを向けた。


早く、練に話をしたいひなたは、愛蘭と共に客間の椅子にさっさと座ると、練と蹴斗に向かって手招きをした。

「2人共、早く座って。練ちゃんにお願いがあるんだから」

ひなたに促され、蹴斗と練は椅子に座った。

「ひなちゃんが私にお願いなんて、何かしら?」

ひなたと藤森兄弟は、顔を見合わせて頷くと、まずは、これまでの話をした。

練は、話の途中で驚いて取り乱したり、泣きそうになったりしたが、最後まで聞いてくれた。

「ごめんね、練ちゃんに、ずっと言えなくて」

「ううん、いいのよ。ひなちゃんがこんなに、大変なことをしているなんて。怖かったし、辛かったでしょう」

「本当はね、大切なお友達の練ちゃんに、最初に言いたかったんだよ」

「その気持ちが嬉しいわ、ひなちゃん」

「練ちゃぁん」

ひなたが練に抱きついた。

「ひなちゃんったら。あのね、ひなちゃんにお願いがあるんだけど、愛蘭くんと一緒に私の部屋から、いつもの取って来てくれる?」

「うん、わかったー」

ひなたと愛蘭は、練の部屋へと行った。それを見計らって、練は蹴斗をちらりと見てニコニコしながら

話しかけた。

「藤森くんが時々、不意に見せる様子は、そういう理由もあったのね」

「えっ!?」

蹴斗のことを悟って、見ているようだ。

「俺、そんな素振りを出しているつもりはなかったはずだけど」

「私にはわかるのよ。そうね、まだまだ、ありそうだけど…。きっと、ひなちゃんが守ってくれるわ。心配しないで、藤森くん」

「そうかな?」

「うちのひなちゃんは、なかなかやってくれるんだから」

「そっか」

「私だって、ひなちゃんがいなかったら…」

「大門が?」

「うふふっ、またその話は今度よ、藤森くん、今は私にしかできない、お願いがあるのでしょう」

「そうなんだ」

居室のドアが開き、ひなた達が戻ってきた。

「練ちゃん、私の好きなのばっかりだよー」

ひなたと愛蘭が、練の部屋に準備されていた、アフタヌーンティーのワゴンを押してきた。

2種の紅茶にケーキや焼き菓子、サンドイッチ、スコーンなど、どれも美味しそうだ。

「みんなで頂きましょう。それから話を聞くわね」

以前に比べて、4人の絆が深まり、アフタヌーンティーをより楽しく過ごした。

アフタヌーンティーを済ませると、ひなたは練に話を切り出した。

「あのね、練ちゃん。私が探しているフェアリーリングのアイテムが、大門グループの協賛している、花南町美術館のイベントに来るかもしれないんだよ。それで、先に展示品を見たいの」

「なるほどね。それで私の協力が必要なのね」

「うん。都合良く、練ちゃんを利用するようで、ごめんね」

「いいのよ、ひなちゃんのお願いなら、なーんでもいいわよ」

すぐに、練は父に電話をかけた。

練の父は、練を溺愛している。答えは1つだ。

「お父様が、花南町美術館に連絡をしてくれたわ」

3人が顔を綻ばせる。

「じゃあ、許可が出たの?」

「ええ、お父様がお願いしたら、すぐに許可をいただいたわ」

至極当然よといった顔で、ウインクをする。

「今日、展示品が搬入されたらしいの。早速、見に行きましょう」

ひなた達は動きを読まれないように、大門家の自家用車に乗り込み。4人は花南町美術館へと出発した。


こんばんは、小桜です。今夜も読んでくださりありがとうございます。

次回は明後日の夜までに、更新をする予定です。

どうぞ、よろしくお願いします。

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