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54.vs魔女の四重奏④

「ぐあっ!」

私を踏んでいたはずのソシーラが突然いなくなった。

何かに吹き飛ばされていたように見えたけど、何かはわからなかった。


しかし私はすぐにその正体がわかった。


「ガアアアアアアア!」

『獣化』したミランだった。


「ミラン!?」

「ガアアアア!!!」

ミランは『獣化』を制御できていない。


「なんなのこいつぅー!サンドナイト!ストーンアロー!」

ソシーラは魔法を使って攻撃をするが、獣化したミランの石の爪にすべて破壊されていった。


「あーもう!!可愛くないから嫌いなのにぃ!ロックアーマー!」

ソシーラの身体を岩の鎧が覆う。


ミランの速さはいつもの倍以上の速さで動いていて、戦い方もまるで違った。

加速をし続けるミランはソシーラの周りを走り続ける。


「ちょろちょろ動かないでぇ!ストーンウォール!!」

石の壁がミランの前に現れるが、まったく意味がない。

壁は一瞬に破壊され、ミランはソシーラに向かって行く。


ミランは振りかぶり、石の爪でソシーラを突き刺した。

「ガァ!なんでぇ貫通するのよ」

ソシーラは口から血を吐き出した。


「だめ!ミラン!!殺しちゃダメ!!」

私は叫ぶが、ミランはもう一方の腕を振りかぶる。


「あーもう!」

私は石を拾ってグローブの『旋風』を使ってミランに当てる。

石が当たり、ミランは私を見た。


「ガアアアアアアア!!!」

ミランはソシーラから爪を引き抜き、地面に叩きつける。

そして私に向かってくる。


私はひたすら鈍化薬を飛ばす。

ミランが一直線で来てくれたおかげで、かなりの数の鈍化薬が当たった。


「ガアアアアアアア!」

私は叫ぶミランに近づく。

動きが遅くなっているミランは私に攻撃しようとするが、当たることはなかった。


「ごめんね。ミラン」

私はモーニングスターを振りかぶり、ミランの顔を殴った。

ミラン吹き飛び、気絶した。



▽ ▽ ▽



身体にヌルヌルした水が掛かっている。

俺だけではなくツムギもファミもヌルヌルだ。

原因はなぜか服が乱れているサクの魔法だ。


ヌルヌルの水のおかげで、ファミは身体から火が出せなくなる。

俺も火車を出せなくなったので全力でファミの腹を殴って気絶をさせた。


「サク。服を直してくれ」

「あ!」

サクは一度目を閉じると、先ほどまでの雰囲気に戻った。


「ごめんなさい!スキルの影響なんで!すぐに直すから」

サクは顔を赤らめながら服装を直した。


「ツムギ、平気か?さっきは様子が違ったけど」

「すみません。私は昔の血が……」

イツキの話は分かるけど、他の異世界人の話は訳が分からなかった。


『獣化』に慣れていないからか、ビーストジンジャーのせいか、身体が物凄く重い。


「すまん。俺が動けなくなる前にナガタ達と合流しよう」

「わかりました」

「はい!」

2人は俺に回復魔法を使ってくれているが、この身体の重さには効いていなかった。



ナガタ達と合流した。


「そいつは……。やっぱりさっきの炎は」

「ああ。こいつも凍ってたみたいだぞ。それでジル師匠がいなくなったのを確認してから襲ってきたみたいだ」

「こいつはどうするんだ?」

「あー。とりあえずジルさんの判断になるけど、獣王国で拘束だろうな」

「そうか」

ナガタは静かに何かを考えているみたいだ。


「本当はこの3人が起きたら、ダンジョンを出るつもりだったが話が変わった。イツキ達と合流しよう」

「わかった」

俺はナガタにそう告げると、目の前が暗くなった。


▽ ▽ ▽


「大丈夫?」

「ああ。ギリギリ」

オータルさんが目の前でいきなり倒れた。

俺はギリギリ抱えることができた。


「さすがに運ぶのは無理だから手伝ってもらえる?」

「うん」

「任せてください」

2人と一緒にオータルさんを横たわらせた。


「なんかすごいスキル使ってたよね」

「そうですね。さっき回復しましたけど、怪我も凄かったですし」

「そうだったのか」


俺は自分に戦闘スキルがないことを悔やんだ。

武器を使うことはできる。

だけどそれ以上の発展が俺のエクストラスキルにはあるのだろうか。


「ん?あれ?」

そんなことを考えていると、凪が目を覚ました。


「凪、大丈夫か?」

「凪ちゃん。痛いところはない?」

「大丈夫」

凪はいつもと変わらない。

たぶん問題ないのだろう。


「さっきオータルさんも言っていたが、北村と合流した方がいい」

「でも……」

委員長はオータルを見た。


「ああ。だから起きたばかりの凪には悪いが、俺と凪でまずはイツキ達を追う」

「え?それは危険じゃない?」

「…大丈夫。私が安全なルートを探す」

「で、でも……」

岩佐先生は心配なようだ。


「大丈夫、紬ちゃん!」

「え?」

「私も付いて行くから」

委員長は笑顔で言った。


「それだとここを護衛する人数が……」

俺がそう口にした瞬間。


「あ、あれ?」

「芽衣!!」

鈴原が目を覚ました。


「鈴原、身体に痛みはないか?」

「え?うん。大丈夫そう」

鈴原は腕を回しながら言った。


「起きてすぐに申し訳ないが、岩佐先生とここの護衛を任せていいか?」

「え?うん。いいけど……」

鈴原は理解せずに返事をしていた。


岩佐先生が俺の代わりに丁寧に説明をしてくれた。


「なるほど!任せて!!迷惑かけちゃったみたいだから、私と紬ちゃんでここは守るよ」

「助かる」

「じゃあ早めに出発した方がいいよね?」

「ああ。凪、平気か?」

「うん」

「じゃあ行こう」

俺達は凪に索敵を頼み、上層に向かった。



▽ ▽ ▽



「ははは。ここはスネークダンジョンですか?」

「知らん!俺もここまで来たことないと言ったろ!」

俺はジル師匠とスカイスネークとロックコブラを倒しながら進んでいた。


少し気になることがあった。

召喚絵巻にゴウキが帰ってきていた。


メアとミランが戦闘をしたのだろう。

モンスターなんかにやられるはずがないから、さっきの奴が言っていた【魔女の四重奏】の誰かだろう。


戻ってあげたいとは思うが、今はこっちをどうにかしないと大変なことになる。

俺は仲間を信じて進むしかなかった。


「集中しろ。メアとミランなら大丈夫だ。死にはしない」

「はい。すみません!」

俺は筆剣を振って、モンスターを倒していった。



36階層。

まだ【魔女の四重奏】と藤井先生は見つけられない。

だがドロップアイテムが落ちているから、ここを通ったのは確実だ。


「おい!イツキ、どっちをやる?」

「飛んでる方で」

「わかった」

俺達の目の前には、さっきのモンスターの上位種スカイサーペントとキングロックコブラがいた。


体が10倍以上の大きさになっている。

もはや大木並の太さだ。


「シラユキ!」

ガウウウウウ!

俺はシラユキに跨り、スカイサーペントに向かった。



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