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51.vs魔女の四重奏①

26階層は砂漠と聞いていたんだけど…。

何故だか水浸しになっていて地面がぐちょぐちょだ。


「これは…」

「【魔女の四重奏】ですか」

「たぶんな。だけどあいつらがこんな事をできるとは思えないんだけどな…」

「やっぱり藤井先生が」


俺達は出発前に永田から藤井先生のエクストラスキルを聞いていた。

永田の憶測が混じっているらしいが、この惨状を見たら納得ができた。


『パパ活』は女性に接触して、自分のステータスの一部授けるスキル。

接触が過激なほど、授けるステータスが多くなるらしい。


まあそう言うことだ。

スキル名通りなんだろう。


藤井先生は【魔女の四重奏】のバフ役みたいなものだろう。

必要な時にそういう行為をして、ステータスを渡す。


永田が言うには魔法は使えないがステータスの数値は異常に高かったらしい。

完全に人にステータスを授けるだけのスキルみたいだ。



砂漠が水浸しのせいでモンスターも出てこない。


「これは上の階層も同じ状況かもな」

「30階層までは砂漠なんでしたっけ?」

「ああ。こんな風に進んでいるのなら、急がないとコアが破壊される」

「ですね。シラユキ、スピードを上げて」

ガウガウ!!


シラユキは地面を蹴り、スピードを上げた。



▽ ▽ ▽



イツキ達が出発した。

俺はここにいる勇者達の護衛だ。

どう見ても年下に見えるけど、イツキと同じで年上なんだろうな。


俺がそんなことを考えていると、勇者の女達が声をかけてきた。

「えーっと、オータルさんですよね」

「ああ。そうだけど」

「護衛ありがとうございます」

勇者の女達は頭を下げた。


「私は咲です」

「紬です」

「サクとツムギだな。仲間が起きるまでは休んでていいぞ。俺が見張ってるから」

「ありがとうございます!オータルさんは休まなくても平気なんですか?」

「大丈夫だ。だから安心して休んでくれ」

「「わかりました」」

サクとツムギは再び頭を下げて、仲間の元へ向かった。



30分程が経つ。


俺は少し離れたところで周辺を警戒している。

森が凍ったおかげでモンスターは全くいないが、勇者の仲間は全く起きる様子がない。

イツキに言われた通り、目覚めたら即撤退してもいいかもしれない。


ピチャ

足元が濡れていた。

森を見てみると、少しずつ氷が溶けていた。


「ん?氷が溶け始めたか?」

「溶け始めたんじゃなくて溶かしてんの」

「え?」

俺は声がする方向を向くと、そこには赤髪の女が立っていた。


「めんどくさかったー。ファミまで凍らせないでほしいなー」

「お前、【魔女の四重奏】だな」

「そーだけど。汚い獣人がなんで残ってんの?わざわざ暴獣が上層に行くのを待ってたのにさー」

ファミと言う女はジルさんを警戒しているみたいだ。


「悪かったな。まあ俺が相手してやるよ」

「はあー。なんで汚い獣人と戦わなきゃいけないの?ファミは早く合流しないといけないんだけど」

「これでも護衛を任されてるんだ。悪いが勇者達には手を出させないからな」

「はぁー。ファイアウィップ」

炎の鞭が何本も地面から生えてきた。

「死んで」

ファミがそう言うと炎の鞭が一斉に俺に向かってくる。


「火車!」

俺は火車を角と腕に出して、炎の鞭を弾く。


「なんで獣人が魔法使ってんのよ。ファイアーアロー」

火の矢はまっすぐ飛んでくるが、腕で弾く。


「悪かったな。火との相性はいいんだよ。速突!」

俺は『速突』でファミへ突進する。

「そんなバカみたいな攻撃は当たらないよ」

俺の突進は綺麗に避けられた。


「いいんだよ。近づければ」

俺は再びファミに突進して殴りかかる。

拳は当たるが、ファミの身体は炎に変わる。

ファミの身体だった炎は俺を襲ってくる。

「ガアアッ!」

『火車』のおかげで鎧に熱耐性が付いたはずなのに、それを超えてくる温度。


「なんで近接対策してないと思ってんの?」

ファミは少し離れた場所から現れた。


「うるせー。俺はこの戦い方しか知らないんだよ!速突!」

再び俺はファミに向かって行くが、また避けられてしまう。


「魔法使いってこんなに戦いにくいのかよ」

「おい!角筋肉!手伝うから、バカみたいに突進してろ」

「は?」

いきなり罵声を浴びせられて俺は驚いた。

声がする方を見ると、サクとツムギがいた。


「え?」

「オータルさん!すみません。咲ちゃんはエクストラスキルのせいで口が悪くなってるんです」

「なんだそれ」

「おい、元ヤン。さっきみたいに後衛で戦うんじゃなくて攻めるぞ」

「わかってます」

ツムギが返事をすると手に金属製の棍棒が現れた。


「オータルさん。一緒に戦います」

「わ、わかった」

「角筋肉!行け」

「お、おう」

俺はサクの変わりように動揺しながら、ファミに向かって行った。



▽ ▽ ▽



27階層も28階層も同じような惨状だった。


「ん?」

ジル師匠が何かに反応した。


「どうしました?」

「いや、勘違い…か?人がいた気がするが…」

「え?」

ジル師匠が見ている場所を見るけど岩しかない。


「すまん。進んでくれ」

「はい」

俺達は上階層に向かう。



▽ ▽ ▽



「危なかったぁ。なんで勇者くんじゃなくて暴獣くんがいるのぉー」

私はモンスターに乗っている暴獣の姿を見つけ、すぐにロックアーマーを使って岩に紛れた。


「えーもしかしてファミがやられちゃったのぉ?」

ファミの性格的に、暴獣との戦いを避けたんだと思うけど。

私も戦いたくないからお姉様に任せちゃお。


「あーあ。勇者くんは来ないんだろうなぁー」

私はお姉様の指示で第1皇子陣営や他の冒険者が邪魔をしてこないようにここで足止めすることになってる。

ほとんどはファミが倒しちゃうはずだから暇になっちゃうとは思うけど…。


やることもないので私はお姉様が水浸しにした場所に砂を撒いて時間を潰した。



▽ ▽ ▽



「オータルさん!」

「すまん!」

炎を浴びた俺はツムギに回復をしてもらう。


「角筋肉!偽物を攻撃すんな」

「うるせー。わかんねーからしょうがねーだろ。サクが隠れてるあいつを先に見つけろよ」

「それが出来たらやってるわ!」

なんだかんだ、スキルで口が悪くなったサクの方が話しやすかった。


「ねーめんどいからさー終わらせていい?」

「は?やってみろよ」

「じゃあやるよ」

ファミはめんどくさそうに俺に何かを投げつけた。


「オータルさん!それはさっき澪ちゃんがおかしくなっちゃったやつ」

澪はあの氷を使う女のことだ。

ということはビーストジンジャーか。


おもろい。

俺を暴れさせようってことだな。

やってみろよ。


俺はファミが投げた物に当たる。

すると目の前で粉が弾け舞った。



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