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   ~~コマーシャル~~


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「みんなぁ~! ばすたぁ~ズなんでも解決はいかがでしたか? おもしろかったかな? 感動しておもらししちゃたりしてないかな? まだまだばすたぁ~ズの魅力を知るには足りない時間だったけど、泣いちゃダメよ。みんながハガキを送ってくれれば100年でも1000年でも続くんだから。どんどんハガキちょうだいね~!」


「……この女、全然反省してねーな……」


「ああ。怒鳴った自分が恥ずかしいよ。美雲のことを誰よりも理解してるのに……」


「ウフフのフ。あたしを知るなど100年早いのよ」


「おれは1000年かけてもお前を理解できる自信がないよ」


「……頭痛い……」


「ばすたぁ~ズのなんでも解決はみなさまの心あるハガキでなりたちます。あ、メールとかはまだ無理です。お金ないから。なのでどんどんハガキ出して番組を潤わせてね~」


「その口がいうな!」


「神父さまが甘やかすから悪いんだ。個性を伸ばすなんていうか宇宙まで突き抜けちゃったじゃないか……」


「まっ、失礼ね。あんたたちだって十分突き抜けちゃってるしまゃない。この変人どもめっ!」


「それこそ失礼だろーがッ! おれはお前みたいに世間に迷惑かけてねーし、努さんの髪の毛も薄くさせてねーし、先生を泣かしたこともねーんだよっ!」


「さて。ばすたぁ~ズ命さをん。あたしたちをこれからも愛してくださいね。写真集が出たら買ってね~!」


「……誰でもいいからこいつの脳ミソを修理してくれ……」


「ファン1号さん。またきてくださいね~。写真ならいくらでも撮らしてあげるから。でも、ヌードはダメよん。あたし、まだ純情なんだからぁ~ん」


「都合のいいことしか入らない耳も修理してもらえ」


「どうせなら丸ごと修理してもらったほうがよくね?」


「お金かかりそうだな」


「美雲ローリング・アタァァックッ!」


「───うごぉっ!」


 ドシャアァァン!


「……おーおー。壁まで吹き飛んだよ。大丈夫か、将之助?」


「ムム。あたしの奥義を避けるとは、やるなお主……」


「くるとわかってる攻撃に対処できないで魔法使いなんて名乗れないよ」


「ウムム。やりおるわい」


「だったらおれも守りやがれッ!」


「断る! そんなつまらないことに偉大な力を使ってられるか。自分の命は自分で守れ。頑丈な肉体持ってるんだから」


「薄情者っ!」


「だいたい反射神経と運動神経の塊みたいなお前がなんで美雲の攻撃を交わせないんだよ。百発百中じゃないか、美雲の攻撃受けるの」


「おれだって知るかッ! 気がつくと受けてんだよ」


「かっかっかっ。単純バカの未来ほど見やすいものはなし。美少女占い師の偉大さを思いしったかっ!」


「ぢぐじょぉおぉっ! いつか絶対返り討ちにしてやるからな!」


「そこまで期待されちゃうと頑張り甲斐があるよ。んじゃ、どんどん必殺技を出してあげるネ」


「殺人鬼か、お前はッ!」


「ケッケッケッ。血だ! 血をよこせ! 我に血を捧げるのだぁ~~っ!」


「まあ、こんな女なので占いなんて信じないことをお勧めしますよ」


「ちょっと、あたしの占いをバカにするの?」


「お前の占いで0点とったヤツとドブに落ちてドブ男くんてアダ名をつけられたヤツをこの目で見てるんだ、信用できるかっ!」


「まっ。猿も木から落ちるってね、あたしだって失敗することもあるわよ」


「ぼくの脳ミソには失敗ばかりが記憶されているんだがな……」


「ラジオを抱えてびっくりしてる由美ちゃん。ちゃんと聞いてるかな?」


「お前が聞けよ」


「あたしたちの出現を心待ちにしてなさい。ばすたぁ~ズは神出鬼没。いつ現れるかわかんないんだから油断するなよ。びっくりして心臓が止まっても知らないからなっ!」


「心臓悪い子を驚かせてどーすんだよ」


「本気でするから怖いんだよな、こいつは……」


「さて。時間とは無情なもの。そろそろお別れの時間が近づいてきました。第1回目の放送はいかがでしたか? 楽しんでいたたければ幸いです」


「おれたち、いったいなにやってたんだ? 騒いでた記憶しかないが」


「事実、騒いでいただけよっ!」


「威張るな、1番騒いでたヤツがッ!」


「いいじゃない。あたしたちは元気で売ってるんだから」


「……美しさを売ってたんじゃなかったか?」


「いや、悲劇だろう?」


「時代は刻一刻と進んでいるのよ! 昨日とは違う今日なのよ! いつまでも同じものを売ってらんないでしょうが!」


「できれば早く売り切れて欲しいよ」


「だな。早く普通の小学生に戻りたいよ」


「こらこら。なに情けないこといってんのよ。うちの家計はあたしたちの活躍で成り立ってんのよ。血を吐くまで働かせるからねッ!」


「本当にやらせるから鬼だよな」


「吐いてもやらせるから怖いよな」


「死んだら死んだで臓器とか売りそうだな」


「悪魔だな、この女は」


「───美雲ミサイル!」


 ゴシッ!


「……やっぱりまだ隠してたか……」


「ブー! なんで晶は避けるのよ! 当たってやろうという優しさはないの!」


「あるかっ! あんなの食らって平気なのは将之助ぐらいなものだっ! ぼくが食らったら確実に死ぬよッ!」


「今に見てなさいよ。必ずや当ててやるんだから!」


「みぃ~ぐぅ~もぉ~!」


「あら、生きてたの。しぶとい男ね」


「……殺す気で投げてんのか、お前は……」


「おう! あたしはいでも全力投球よっ!」


「この腐れ畜生がッ! 今日という今日は許せねー! 決着つけてやんよッ!」


「女の子に手をあげるなんて最低よ!」


「どっちが最低だ! 油断したらその手にあるもの投げてくるだろうがっ!」


「当然でしょうが! こっちは非力な女の子なんだからっ!」


「……お前の中でどう解釈されればその言葉が正当化され───」


「───美雲ミサイル!」


「甘いわッ!」


「フン! そう何度も食らってられるかよ。美雲ミサイルは見切った!」


「美雲ちゃんピーンチ!」


「……将之助。なにか隠し持ってるから注意しろ」


「なっ!? なに将之助の味方してるのよ! 女の子の秘密バラすなんて最低よッ!」


「1番最低はお前だ! それに鏡丘孤児院から犯罪者出したら神父さま、その日に天へと召されるぞ」


「晶の力で証拠隠滅してよ。それなら神父さまも大丈夫よ」


「死ぬな、将之助。神父さまのためにも自分のためにも……」


「……それだけか……」


「さて。騒ぐだけ騒ぎ、暴れるだけ暴れただけの無意味な30分。ばすたぁ~ズのなんでも解決はこれにて終了です。もし、つまらない番組ならつまらないとお便りください。ぼくが責任を持って止めさせますから」


「ちょっとなにいってるのよ! この番組企画するのにどれだけ時間を費やしたと思ってんのよ。ハガキだって沢山きてるんだからねっ!」


「そのハガキを隠すバカは誰だ?」


「みんな~! 明日も元気に米を食えっ! 厳しい世を乗り越えるには丈夫な体と無神経な精神だ! 米を食え! 野菜を食え! 果物も食え! 喉が渇いたら牛乳を飲め! 暇ならばすたぁ~ズにハガキを書け! この番組を守るのはこれを聞いてる君だっ! 美雲ちゃんファンは1人100枚は出すんだ。出してくれたら美雲ちゃんの恥ずかしい写真をプレゼントしちゃうよ。女の子には晶か将之助の恥ずかしい写真も用意してあるからドンドン送ってね~~!」


「おいこら。風呂場にあった隠しカメラ、やっぱりお前か……!」


「はい、なんのことかしら?」


「やっぱりお前かッ! どこに隠してある?」


「ではみなさん。これで時間となりました。あ、番組の最後にプレゼントがあるから最後まで聞いてね。聞き逃すとソンしちゃうから。また来週ぅ~!」


「晶、ドアを固めろっ! 逃げに入ったぞ!」


「無謀に突っ込むな! なにか持ってるぞ!」


「や~ん。ちょっとした女の子のイタズラじゃない。怒っちゃイヤっ」


「許しか、バカたれ!」


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「じゃあみんな、明日も元気に米を食うんだよ。それとばすたぁ~ズにハガキを出すこと。抽選でばすたぁ~ズコレクションをプレゼントしちゃうね。また来週ぅ~~っ!」


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



   ないです。   おわり。



恥じは終わりです。

彼女とサバイバルに集中します。たぶん……。

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