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突如始まった恐怖感

わたしが強迫性障害になった時のお話です。

もし同じような思いをしている方の参考になればと思い書きました。

今から6年前。世界中があるウイルスに恐怖していた頃。わたしは対策をしながら働いていた。

マスクをしてアルコール消毒を欠かさず、一緒に住む在宅ワーク中の姉にウイルスを移さないよう2人で徹底していた。

わたしはその前の年に手術を受けていた。そのため病院に通院していた。

その日も仕事を13時過ぎに終え、病院に向かうことになっていた。

姉と話し、決めていたことがある。ウイルスに感染しないよう公共機関はなるべく使わないようにしようと。

病院までは地下鉄で二駅。歩けば50分くらいで着くためわたしの中では徒歩圏内だった。

仕事を終えたわたしは一度家に帰り、着替えをした。この着替えがなければわたしは今までと変わらず外を歩けたかも知れない。その時着たTシャツは一年ほど着ていなかったものだった。なぜかいきなり

しばらく着てないけど大丈夫かな…?

そんなふうに思った。サイズの問題ではない。なぜかTシャツ仕事で使ったメモ用紙などが付いているんではないかと思ったのだった。そう思うと心配になり、Tシャツを脱いでバサバサと振り回し、Tシャツの表裏、内側に何も付いていないのを確認した。

うん、大丈夫。なにもない。そう思いもう一度Tシャツを着て玄関に向かった。

その時姉が夜ご飯の準備するから病院終わったら連絡してねと言った。

わたしはいつも通りわかったよーと返事をした。

この時までがわたしが生きてきて外に出るのが怖くないと思っていた最後の瞬間だった。


玄関を出ようとした瞬間強い恐怖心が襲ってきた。

服にメモがついてるんではないか。

そう思うと怖くなり、Tシャツだけではなく履いていたジーンズや持っているバックをバサバサとした。

大丈夫、なにも付いてないし、落ちてもいない。だからメモを落とすことなんてない。

そう思って家を出ようとした。玄関のドアを開けて自分がバサバサしたところになにも落ちてないのを

何度も確認してからどうにか出発した。

外に出て家から数メートル歩くと何か落としたんではないかと思い、後ろを振り向いた。

当たり前だがなにも落としていない。

それでも気になりその場で服をバサバサした。ジャンプもしてなにも落ちないのを改めて確認した。

大丈夫、大丈夫。そう自分に言い聞かせたがどうしても気になる。

数歩進んでは後ろを確認し、石や葉っぱ、鳥のフンなどの汚れが自分が落としたものかもしてないと思い

戻って確認をした。足でつつき、これは自分が落としたものではない。そう確認しないと歩くことができなかった。病院までは歩いて50分で着くはずなのになかなか進めない。

早く行かなければ予約の時間に間に合わない。そうわかっているのに恐怖心が勝り、確認に戻ってしまう。

どうにか病院の最寄駅付近まで辿り着いた。その時スマホが鳴った。病院からだった。

「もう予約時間が過ぎてますがどうしましたか?」

「すみません、最寄駅の近くにはいるのであと15分くらいで着くと思います」

そう言ったはいいが果たして時間までに着けるのか心配だった。


どうにか時間に間に合い受診を終えたわたしは姉に連絡をした。

『今終わったからあと1時間後には帰れるよ』と。

だがここからが地獄だった。なんと家に帰れたのは2時間後。泣きそうになりながら何度も道を行ったり来たり

していたのだった。公共機関を使おうか悩んだが、姉との約束がありこんなことで使ってはいけないと思い

必死に歩いた。いつも歩いていた道が違って見える。自分が落としたものではないか。

落としたのに気づかなくて誰かが拾ってなにか問題が起きたらどうしよう。

そう思うと怖くて確認しないわけにはいかなかった。

家になんとか辿り着くと姉は怒っていた。

「1時間後に帰ってくるて言うからお好み焼きの生地用意したのにあんたが遅いから生地ゆるゆるになったじゃん」

泣きそうなのを隠しながら謝り、まずはシャワーを浴びて姉と平べったいお好み焼きを食べた。

明日にはなにも気にならず歩けるようになってると信じて。

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