情報の授業と雨の帰り道
今回はついに二人の関係に進展が!?
羽崎さんが来てから1日空けて水曜日、今日は羽崎さんも来ていた。
本人曰く最初は一日おきで来るらしい。
「ありがとうございました」
「「「ありがとうございました」」」
そうこうしていると挨拶をして1時間目が終わる。
終わってすぐ俺達システム科は急いで教科書を取り出すと教室を出る。
もちろん俺も羽崎さんと共に教室を出てパソコン室へと向かう。
そう2時間目はシステム科だけの情報処理の授業なのだ。
教室を出て1階下に降りて少し歩くと教室が見えてくる。
靴を脱いで手に持つと教室に入る。
真っ白な壁と薄青っぽい床に沢山のロングデスクとデスクトップPCが並んでいる。
ちなみに壁に取り付けられたホワイトボードの前は先生の机でデスクトップPCがデュアルモニターで置かれている。
カチャッ
自分の座席に座った俺と羽崎さんはキーボードのエンターキーを押してモニターに貼られたパスワードを入力する。
すると標準の壁紙が表示されてパソコンが起動する。
キーンコーンカーンコーン
丁度チャイムが鳴って先生が入ってくる。
「「「よろしくお願いします」」」
先生に挨拶しみんなが座る。
「それじゃ、ネットワークの各自のフォルダを開いて入ってるExcelとAccessを開いて」
この時点で分からなくて先生に聞く子もいる中で羽崎さんはササッと言われた通りに開いて、更に指示されていない所まで進めている。
(す、凄い。俺ですら最初は戸惑ったのに…)
羽崎さんはこの教室に来たことは余り来た事は無いはず無のにここまで手慣れているのは凄い。
「じゃあ次にSQLビューを開いて、SELECT、FROM、Wheteを入力して」
カチッカチャ
みんなが一斉に打ち込み始める。
ちなみにSELECTやFROMなどはAccessでデータを取り出すのに使うコマンドで、これに生徒表から◯を取り出して。と指定する事で欲しいデータが取り出せる。
俺は思い出しながら打ち込んでいく。
(えーと生徒表の横は,を入れて……)
カチャカチャカチャ
(!?)
横では羽崎さんが俺より早いタイミングで打ち込んでいた。
(羽崎さん、凄すぎる……)
そんな感じに情報の授業の間、俺は驚かされっぱなしだった。
キーンコーンカーンコーン
「「「「ありがとうございました」」」」
全員立ち上がって授業が終わる。
みんな思い思いに教室へと戻っていくが、俺は横で片付けていた羽崎さんに話しかける。
「羽崎さん凄いね。全部スイスイこなしちゃって。」
「そ、そうかな?補講の時にしておいてって言われて家出したりしてから……覚えてただけだよ」
羽崎さんは照れたように顔を赤らめながら言う。
(やっぱり可愛いな……じゃなくて!)
「そうなんだ。俺以上に凄いよ」
俺は言いながら羽崎さんと歩き出す。
「そ、そんな事ないよ……」
俺達は話しながら今日へと戻った。
~放課後~
キーンコーンカーンコーン
「「「ありがとうございました」」」
委員長の挨拶に合わせてみんなで礼をすると各々帰るやつも居れば友達と話すやつもいる。
そんな中俺は窓を見つめていた。
窓の外はシトシトと雨が降りそそいでいる。
言うまでもなく夕立である。
「マジか……」
(傘持ってきてて良かった〜。気象予報士さんにマジ感謝)
そう。朝の天気予報で夕立の可能性があると言っていたので傘を持ってきてたのだ。
「どうしよう……」
そんな小さな呟きが後ろから聞こえて俺は振り返る。
「ど…どうしたの!?」
羽崎さんは驚き顔の紙を掲げながら言う。
「いや、どうしようって言っただろ、何かあったのか?」
俺は率直に聞いてみる。
「そ、その…傘持って来てなくて……」
紙の下に見える顔がカァーと赤くなっていく。
(こ、これは!?相合傘のチャンスでは!?)
全男が一度はしてみたいと言っても過言では無い相合傘(過言です)もしや出来るかも。
ドキドキ
心臓の鼓動がハッキリ分かるくらいに感じる。
(い、言わなければ)
「よ、良かったら……俺の傘で…一緒に帰るか?」
最後の方は恥ずかしさでゴニョゴニョしてしまったが言えた。
羽崎さんはと言うと告白でもされたかのように真っ赤になって固まっていてアホ毛だけが困ったように動いている。
「さ、咲君が良いなら……お、お願い…します//」
可愛すぎる言動にドギマギしながらも俺は鞄を背負うと羽崎さんと教室を出た。
「ほ、本当に雨凄いね……」
羽崎さんはザーザー降りの雨を見ながら呟く。
「あぁ強い雨雲が一気に抜けていくらしいからな」
俺は傘を広げながら言う。
傘を広げると羽崎さんが気恥ずかしそうに静かに横に立つ。
ここまで至近距離で並んだ事が無かったのもあって余計に緊張している自分が居る。
トコトコ
ドキドキ
2つの足音が胸の鼓動を刻むように鳴る。
「ご、午前中は晴れてたのに驚きだよな」
俺は緊張しながらも羽崎さんに話しかける。
「そ、そうだね。」
羽崎さんは緊張しながらも笑顔を浮かべる。
それがまた可愛くて見惚れそうになる。
そこからはまたしばらく静かな時間が続く。
俺はチラッと羽崎さんを見る。
羽崎さんは静かに緊張しながらもどこか嬉しそうにしていて可愛い。それこそ"静かな花"のように。
ポツポツ
雨音が急に止む。
「雨…止んだみたいだな」
俺はポツリと呟く。
「みたいだね…咲花ちゃんマスクうれしい//」
羽崎さんは笑顔の描かれた紙を掲げる。
紙の表情に合わせるようにアホ毛もポヨンポヨンしている。
「なあ、ちょっと寄り道良いか?」
「え、うん」
俺は羽崎さんの手を取るとある場所へ走る。
「ど、何処行くの?」
羽崎さんは困惑したように言う。
「ここを抜けたら"にじがさき"に見えるはずなんだ」
「そうなの?」
いつもの道を少し外れて走る事数分で河川敷の土手に着いた。
「き、綺麗……」
「やっぱりな」
空には7色の虹が見えていた。
すると羽崎さんは人さし指を合わせながらモジモジと何か言おうとしている。
「あのね……」
静かな河川敷の土手には川の流れる音と羽崎さんの吐息だけが聞こえている。
「良かったら…虹をバックに2人で写真撮らない?//」
羽崎さんは耳まで顔を真っ赤にしながら言う。
(何気に羽崎さんに初めて紙無しで聞いてくれたような)
今まで何か俺に聞いてくるときは必ず咲花ちゃんマスクを掲げていたのだ。
「良いよ。と言うか俺も撮りたいし。羽崎さんと…」
俺は照れと恥ずかしさでゴニョゴニョになりながらも言う。
「ありがとう」
羽崎さんはそう言うとスマホを取り出してカメラアプリを付けてインカメにする。
「い、いくよ」
「うん」
パシャ
「うまく撮れたかな?」
「おぉ」
綺麗に後ろに虹が来る形で撮影出来ていた。
「良かった〜」
羽崎さんは安心したようにほっと息をつく。
俺は振り向くと虹はもう消えかけていた。
と、俺は前に向こうとしたその時…
ズドッ
足が滑り土手から落ちそうになる。
(ヤバっ)
俺は前に力を入れてる。
体は落ちずに済んだが力を入れた事で前につんのめる。
「大丈夫?……ってえっちょっ…」
俺はそのままバランスを崩して羽崎さんに抱きつくような格好になる。
そして……
俺の唇と羽崎さんの唇が重なる
俺と羽崎さんは事故とはいえキスをしてしまった。
(う、ウソだろ……)
俺は速攻羽崎さんから離れる。
「ちょ…ちょっと咲君//」
「わ、悪い、今のは事故と言うか…なんと言うか」
俺も羽崎さんも顔を耳まで真っ赤にしている。
そんな2人を夕日がオレンジ色に照らした。
お読み頂きありがうございます!
今回は授業風景も描きつつ二人の恋模様も描きました!ちなみに作中に登場したSELECTやFROMなどは実際に筆者が授業で習ったのをそのまま出しました(笑)Accessは難しい……
また次回もお楽しみに!




