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奴隷だった少女の話2

とりあえずはレイラちゃんの服を買おう。とびきりかわいい似合うやつ。

まずやってきたのはちょっとお高めのアパレルショップ。

正直自分1人ではあんまり入る勇気はないけど、みんなで渡ればなんとやら、3人ならさして勇気も必要ない。

「きらきら…すごい」

目をキラキラと輝かせて、レイラちゃんが呟いた。

「レイラちゃん、こういうお店初めて?」

「うん…たぶん?あんまり、おぼえてない」

「そっか。ここはねぇ、お洋服を売ってるお店なの」

「お姉ちゃん、このお店にレイラちゃんみたいな子に合う服はないと思うんだけど…」

「うーん、そうかなぁ」

レイラちゃんの手を弾きながらしばらくお店を見て回ったけど、正直サイズが合いそうなものは売っていなかった。

「ほらー、だから言ったじゃん」

どことなく不機嫌な由莉の声。お腹でも空いたのかな。

「ねぇ由莉、レイラちゃんって由莉と同じくらいの身長でしょ?なんとなくサイズ合う感じのお店とかないの?」

「なに?その曖昧な質問…私がお姉ちゃんより詳しい訳ないでしょ?」

うーん、由莉なら知ってるかもって思ったんだけど。

「それに私の趣味の服じゃレイラちゃんには…似合うかもなぁ…」

ちらり、とレイラちゃんを一瞥した由莉の言葉が頭を抱えんばかりに失速していく。

「かわいいからなんでも似合いそうだよね」

「…そうね」

「おねえちゃん、しっと。みにくい」

「くっ…」

澄まし顔…って訳でもなく、少し呆れたような表情のレイラちゃんが、由莉に悪気なく言葉の刃を突き立てる。

「大丈夫、由莉も可愛いよ?」

「!…ぇへへ」

ニヤける由莉。チョロかわいいな。

「おねえ、ちゃん…ちょろい」

また呆れたような声で、レイラちゃんが呟いた。

「ちょろくていいもん。お姉ちゃんが可愛いって言ってくれればそれでいいんだもん」

由莉が、少し拗ねたように言って、私に擦り寄ってくる。

なんだおまえ、かわいいなおい。

今日の由莉はなんだか甘えたさんだ。

とりあえず頭を撫でておく。あ、嬉しそう。

それはともかくとして…

「一旦お店出よっか?」




店中の視線を一身に受け、耐えられなくなったのでお店を離脱、別のお店を見て回ることにした。

まあ、美少女が美幼女2人を連れて歩いてるんだから、いやでも人目を引いてしまう。え?私も美少女でしょ?美少女なの。

「レイラ、疲れてない?」

「ん、だいじょう、ぶ」

興味津々、と言った具合であちこちを見回しているレイラちゃん。

まだ疲れてる様子はない。けど。

「由莉が1番疲れてそうに見えるけど」

「そ、そんなことないって。全然そんな…うん、ちょっと人酔いしちゃっただけで」

確かに冬休み真っ只中、やっと初売りが終わりかけとは言え、まだまだ人が多い。

「大丈夫だから」

そう言う由莉の目にはかなりの疲弊が見て取れる。

「おねえちゃん、こっち」

レイラちゃんが由莉の手を引いて、椅子へと誘導する。

「すわっ、て」

「う、うん。でも本当に大丈夫だよ、レイ…んむっ」

言葉が終わるのを待たずに、レイラちゃんが由莉にキスをした。

最初は驚いて抵抗しようとしていた由莉だったが、すぐに抵抗しなくなり、そのまま力が抜けたかのように椅子に身体を預けた。

「レイラちゃん!?」

「れいら、むま。おねえちゃん、ゆめ、みてる、の」

むま、と言う言葉が一瞬認識できなかったが、すぐに「夢魔」だって言うことに気づく。

「もう一つの能力…なのかな?」

こくり、とレイラちゃんが頷く。

よくみると、彼女の目が桃色に淡く光っている。

「れいら、ゆめ、みせれ、る。つかれてる、なら、ねるの」

片方は能力のコピー。もう片方は「夢魔」。

…能力発動のトリガーがキスなのはどうなんだろう。

気持ちよさそうに眠る由莉を横目に尋ねてみる。

「ねぇレイラちゃん」

「?…なに?」

「能力を使うときってキスしなきゃダメなの?」

ん、と首を横に振って、

「べつに、めをみる、だけでも…ほら」

そう言って目が合ったレイラちゃんの目が、ふわりと桃色に光った。

意識が遠のくのを感じる。声を出そうとしても間に合わない。

そうして私は意識を手放した。




夢を見ていた。

暖かい夢。

みんなで集まって、バカ騒ぎをする。

いつも通り、楽しく。

視界の端で、1人の幼女がこちらを見ている。

慈しむような、羨むような。

嬉しそうで、寂しそうな。

思わず、手を伸ばした。

「こっちにおいで。一緒に遊ぼう?」

思わず、口をついて出た言葉。

それを聞いた彼女は、嬉しそうに、はっきりと頷いた。




「…?あれ、わたし」

目が覚めると、ショッピングモールのベンチだった。

目の前にはわたしの太ももに突っ伏して眠りこけている蒼空と、どことなく嬉しそうなレイラ。

「…寝ちゃってた?」

レイラにそう問いかけると、

「れいら、が、ねかせた」

と自慢げな表情をした。

「だいじょうぶ、なった?」

「うん、おかげさまでスッキリしたかな。ありがとう、レイラ」

褒めて褒めてと言わんばかりに自慢げな顔をするレイラの頭をそっと撫でる。

猫みたいに目を細めてる。かわいい。

「レイラは、優しいね」

「…?」

「なんでもない」

わたしがちょっと人酔いしてたのに気づいて、休ませてくれたんだろう。

「…でもキスは勘弁してね」

「…ん」

私にはレイラが少しだけ悪い顔をしているように見えた。

5000年ぶりの投稿じゃオラァン!

なんだかんだ2017 年からずっと頭の片隅にあったこのお話、正直続きを書く気はなかったのですが。

ふと思いついてしまったので続きをちまちま書いていこうと思います。

設定とか全部忘れてるのでもう一回練り直したりなんだりしないといけませんが…まあなんとかなるでしょう。

てことでまた5000年後にお会いしましょう。

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