クリスマス・イブ
私こと瀬戸川由莉は目をさます。
カレンダーを見る。12月24日。
クリスマス・イブだ。
いつものように蒼空、お姉ちゃんを起こしに行く。
ついこの間まで妹だったのに不思議だな、なんて苦笑したりしてみる。
お姉ちゃんの部屋は私の部屋の隣。
ガラリと引き戸を開けて、お姉ちゃんの部屋に入る。
「お姉ちゃん、朝だよ?起きて」
声を掛けるけど反応はない。
いつものことだ。布団の側まで行って、
「お姉ちゃん起きて。部屋の飾り付けするよ」
「ん...?由莉...もぉ...朝...?えへへ...こっち...来て...」
だらしないかおで言いながら、お姉ちゃんは私の手を引っ張る。
「きゃあっ!」
女の子になってお姉ちゃんよりも軽く、細くなった私に抵抗なんて出来るはずもなく、そのまま布団に引きずり込まれてしまう。
「...由莉ぃ...うぇへへ、あったかいぃ...」
ふにゃふにゃと幸せそうな笑みで抱きしめられる。
普段ならちょっと甘やかしてこのままでもいいかな、なんて思うんだけど、今日はそう言う訳にも行かない
「もう、お姉ちゃん?起きて、今日はクリスマスイブだよ」
「ん、わかった...。起きる...」
お姉ちゃんは名残惜しそうに1度布団に頬ずりすると、ゆるゆると起き上がり、大きな伸びをしてから立ち上がる。
で、そのまま横に立つ私に抱きついてくる。
冷え性のお姉ちゃんにとって体温の高い私は良いカイロになるのだろう。
「じゃあ、私先に下でご飯用意しとくから」
「ん...わかった...」
目を擦りながら、お姉ちゃんが答える。...ホントにわかってるのかな...?
「姉さん、今日の朝ごはん、パンかご飯どっちがいい?」
「...ふぇ?...あ...パンかな...」
「うん、わかった」
ならついでにベーコンエッグでも作っちゃおうか。
エプロン装着完了、腕まくりよし、と指差し確認。
まずベーコンと卵を三個取り出す。
そして、フライパンにオリーブオイルとバターを少しずつひく。
オリーブオイルとバターは相性がいい。
混ぜると上質な薫りが出る、らしい。
ベーコンを厚めに切ってフライパンに投下、しばらく炒めて溶き卵も投下。
スクランブルエッグのようにかき混ぜ、半熟で火を止める。
岩塩で薄めに味を付ける。元々ベーコンに塩っけがあるからちょっとだけ。
まだ寝ぼけなまこのお姉ちゃんが部屋から降りてきて、パンを焼き始めた。
ちょうど出来上がったベーコンエッグを二皿に分けてテーブルに持っていく。姉さんがあくびを噛み殺しながら牛乳とグラスを持ってきたところで、トーストが焼きあがった。
これで朝ごはん完成。
「「いただきます」」
2人で合掌して、お姉ちゃんとパンにバターを塗りながら今日の予定を確認する。
「今日は午前中飾り付けと買い出しとパーティ用の料理かー。忙しいね〜」
「そうだね、急がないと」
「ん~、今は八時か...もうスーパー開いてるな...。よしっ、由莉、まず買い出し、それから料理と飾り付け同時並行でやるよ!」
お姉ちゃんが午前中の予定を組み立てる。
「うん、わかった!」
そう答えて、私は牛乳を飲み干した。
朝ごはんを済ませて食器を洗い終わり、歯磨きや洗顔、着替えなんかも済ませ。
「由莉~準備出来た~?」
「出来たよ、行こっか」
お姉ちゃんの質問にそう答えて、手袋と耳当てを付ける。
コンバースのハイカットスニーカーを履き、家を出た。
外は、目が眩むほどの晴天。しかし、空気は鋭い冷気を含み、冷たい風となって頬を撫でる。
「寒いね~、さすが冬」
ベージュのコートに青いジーンズ、それから青いマフラーを巻いたお姉ちゃんが感心したように呟く。
「うん、この身体になってから寒さが身に染みるよ...」
「寒さの感じ方なんて変わるものなの?」
お姉ちゃんが不思議そうに聞いてくる。
「体力とか基礎代謝とか変わっちゃうからかもね」
「そっか...ごめんね、私がボーッとしてたから...」
申し訳なさそうに告げる姉さんの顔を見て、そんな顔しないで、って言いたくなった。
そしてスーパーに到着。
必要な食材を買って、ついでにお菓子なんかも買い込んで、帰途に着く。
しばらく歩いてると、途中で急に声をかけられた
「おぉ、蒼空じゃん。おはー...と、その子は?親戚の子か誰か?」
「あ、達くん、おはよー。...この子はねぇ...」
「律だよ、達彦」
「り、律ぅ!?このちっさいのが!?」
「小さくて悪かったね、達彦。達彦巨乳の方が好きだもんねぇ」
「そういう意味じゃねーよ!身長の話だよ!自ら自分を傷つけに行くな!」
「あ、達くん。聞いてるかもだけど、名前が由莉になったから」
ナニコレグダグダ。
「そうだ、荷物重いだろ、僕が持つよ。」
「じゃあお姉ちゃんの分は私が貰うね...っとと」
お姉ちゃんから袋を受け取る。思ったより重くてふらついてしまった。
「いいよ、僕が持つ。ほら」
達彦がひょいっとスーパーの袋を取り上げるようにして持ち上げる。
「...ありがとう」
ふてくされつつお礼を言って、達彦の横に並ぶ。
ちょっとカッコイイとか思ったのは気の所為だと信じたい。
「それで、なんであんなところにいたの?」
姉さんの素朴な疑問に対して達彦は、
「あー、気づいてなかったか...。女の子2人じゃ買い出しも大変だろうから、手伝いに行こうと思ってさ。さっきりつ...もとい、由莉のスマホに連絡入れてたはずだけど?」
えっ?ホントだ...。通知来てた...。
「ごめん...。全然気づかなかったや」
「気にすんなって、結局会えたし荷物も持てたし」
ふんっと力こぶを作ってみせる達彦。意外と筋肉あるんだなぁ、とどうでもいい感想を抱いた。
そんなこんなで家につき、達彦が荷物を降ろして言う。
「これから飾りつけと料理するんでしょ?僕も手伝うよ」
「さすがにそれは悪いよ〜、荷物もってもらったんだし...達くんはゆっくりしてて?」
「いやいや、飾りつけとか俺くらい身長高いのいた方が楽でしょ?それにほら」
能力で飾りを宙に浮かす。便利な能力だなぁ、もう。
「こうしたら綺麗だろ?」
「それ身長関係ないんじゃ...」
ぼそっと呟いた私の頭にぽふっと手が置かれる。
「細かいことは気にするな!」
何故か全力のサムアップとドヤ顔で達彦が言った。いいドヤ顔顔してるなぁ。そのまま私の髪をワシャワシャとかき混ぜる。
「僕だって手伝いたいんだよ」
「...そっか。ありがとね、達彦」
「お...おう」
達彦の何故かぎこちない返事を聞きながら作業に戻る。
飾り付けの作業は達彦のおかげでかなり早く終わった。ありがたやー。
ピーンポーン、と少し間延びした音が鳴る。
「よう、邪魔するな、蒼空、由莉。」
「よ、蒼空。と...律?」
「いらっしゃい、珠璃、迅」
「迅くんも珠璃ちゃんも、いらっしゃい。迅くんは会うの初めてか。この子は由莉、元兄さん」
「やっぱりか。...ちっさ痛ぇ!?」
蹴った。どこ見て言った?誰のどこがちっさいって?
「...ごめんて」
「別にいいけどさ。いや良くはないけど...というか何?二人一緒に来たの?」
「電車に乗ってたらそいつが乗ってきて、成り行きでな」
答えたのは珠璃。
「あれ、迅の家そっちだっけか?」
達彦の質問に
「ん?ああ、そうだ、お土産買ってきたんだ、ほらこれ、由莉、シュトーレン」
迅は駅前のお菓子屋さんの紙袋からシュトーレンを取りだし、私に渡す。
美味しいんだよね、これ!
「ありがとう迅!」
「お、おう、喜んでもらえて何より」
ちょっと食い気味にお礼を言うと、戸惑ったように迅が声を出す。
ちょっとからかってやろう。
「お兄ちゃんって付けた方が良かった?迅お兄ちゃん♪」
「なんだそれ...」
とか言いながら軽く照れている。耳が赤いぞ。
私のなかで迅の呼称決定、迅お兄ちゃん。
ピンポーン。
またインターフォンが鳴る。
「はーいってうわぁっ!?」
「やっほー由莉ちゃーん元気してたー?蒼空も元気してたーっ?」
「蒼空ちゃんこんにちは、お邪魔します。...律さん?お久しぶりです。あとはじめまして」
ハイテンションで私に飛び付いてくる桜井と、苦笑する舞。
「ちょ....桜井っ...!ぐるじ...っぎぶぎぶ...!」
「あっ、ごめーん」
パッと拘束が解かれる。...苦しかった。息止まった。
「ふふ...可愛い...」
微笑ましそうに呟く舞。
「と、とりあえず、中に入ろっか」
「へえー...じゃあ今は蒼空ちゃんの方が上なんですね...」
「なるほどねぇ、だからお姉ちゃん」
「はあ、まあ由莉が姉じゃ違和感あるな...」
「どういう意味だっ!」
「ははは、胸だrいっでぇ!?それはダメだろ!!俺じゃなきゃ死んでたぞ!」
「ちょっと由莉!能力は危ないって!」
「お姉ちゃんどいて!!迅殺せない!!!」
「おいやめろ!」
「迅はデリカシーを持て...」
なんてガヤガヤやってると、外野にいた珠璃がふと、と言ったように呟いた。
「てか、過時は?」
「「「...あ...忘れてた......」」」
ハモった。私、迅、お姉ちゃん。見事に三人揃った。
「いや忘れないであげて、可哀想だから!」
達彦の全力ツッコミ。さすが、ツッコミスキル極めてるだけはある。まあボケが多すぎるだけだが。今度ツッコミ王の称号でも与えてあげよう。
ピンポーン。
「あ、きた」
「噂をすればなんとやらか」
「みんなごめん、遅くなったー!」
謝りながら入ってきて、
「ってなにこれ!?すごっ、飾りが浮いてる!?...なるほど~達彦くんの能力かぁ~」
「そうだよ、達彦がしてくれたの」
「どやさぁぁぁあ」
あの顔超ムカつく。
「全員揃ったし、そろそろ始めよっか」
「「「乾杯!!」」」
各々の飲み物のはいったグラスがぶつかりあい、カランと
小気味良い音をたてる。
「由莉ちゃーん!捕まえたー!これからしばらく離さんぞー!」
「ふぎゅっ!?」
桜井に後ろから抱き着かれる。そしてそのままバックして、椅子に座る。
桜井が椅子に座ったので必然、膝の上に座る形になる。
「離せぇ...!」
じたばたするも、相手は身長160cmある体育科の人間。抵抗して逃げられる訳がない。
「はーなーしーてー!」
「ふふふーん離さなーい♡」
ダメだ、もう無理...。
「体力ないなぁ、由莉。もっと運動しねえと」
すぐ息を切らして抵抗を止めた私の顔を見下ろすようにして言ったのは達彦。
「仕方ないじゃんこんな身体だし」
「体力ねぇのは元々だろ」
「やめたげて!由莉ちゃんのライフはもうゼロだよ!」
バッサリと切り捨てる迅。お兄さん容赦ないですね。
そして悪ノリする桜井。
...運動しよう。固く決意した。
「ね、何か食べないの?」
桜井がそう言いながら、唐揚げを私の前まで持ってくる。
「はい、あーん」
「じ、自分で食べれるからぁ!」
私が身をよじって抵抗しても、まったく拘束を緩めない。身体の使い方上手いなぁ。
「ほいっ」
「むぐっ!?」
唐揚げを口に詰め込まれる。
「...美味しい...」
「美味しい?良かった~」
ほっとした顔で言ったのはお姉ちゃん。
「うん、ホントに美味しいよ」
「俺らも食いに行こうぜ」
「男子組は元気だなぁ」
「あんなに美味しそうに食べてもらえると作った甲斐があったなぁ」
「由莉ももっと食いねぇ」
「美味しいけどさすがにそこまでは...ってか桜井どんだけ食べるの?」
「食べないと育たないぞぉ...こことか...わかった、ごめん、謝る、謝るから睨まないで」
ジャズ研組はなぜこうデリカシーがないのか。
今度他のジャズ研の子達に聞いてみよっと。
「そんじゃいまから、プレゼント交換タイム入るよー」
姉さんのひとことで、プレゼントの山が出てくる。
「あ、今回由莉はちょっと特別だから、最後まで待ってね」
「...?う、うん」
何だろう、仲間はずれみたいでちょっと寂しい。
そして、私以外全員のプレゼント交換は終わり。
「これは私達全員から、『由莉』へのクリスマスプレゼントだ」
全員を代表して、って感じで珠璃が言う。
その手には大きな箱、というかハードケースが。
「開けていい?」
「もちろん」
「むしろ今開けてもらわないと困る」
その言葉に頷いて、ハードケースを開ける。
ガチャガチャと留め具を外して、中を覗く。
そこには1本のベースが。
ショートスケールで五弦の赤いレスポールベース。五弦のレスポールベースなんて初めて見た。
「こ...これ...いいの?ホントに」
「みんなで買ったんだぜ」
「まあこの人数だから大した額じゃなかったけど」
「ネックは昨日、蒼空ちゃんと珠璃ちゃんが作ってくれたそうですよ」
「わっ、握りやすい...というか手に馴染むね、これ!ありがとう、珠璃、お姉ちゃん」
「どういたしまして」
「まあ、私は見てただけだけどな。ああそうだ」
珠璃が取り出したのは、何枚かのピック。
「これは?」
「お前が使ってるピック、予備がないって言ってたろ?だから昨日、作ってきた。この厚さであってたよな?」
「え!?覚えてたの!?...ありがとね」
珠璃は満足そうに頷いた。
「ボディは僕が加工したんだぜ、軽いだろ。YAMAHAのRBX-4a2なんて目じゃないよ」
「ホントだ軽い...木材?それともホロウボディ?」
「僕の能力。こういう時にも役に立つんだぜ」
「この身体じゃベース弾くのも一苦労だったし、滅茶苦茶ありがたいよ。気が使えるね、達彦」
「僕優秀だからね」
達彦はドヤっとサムズアップをする。くそう、イケメン優等生め。頼もしいじゃないか。
「ハイハイ!ノブのデザインはボク、過時によるものです!!...どうかな?」
めっちゃ手を挙げてアピールしてくる過時。
「すごい、綺麗。言葉が出てこないくらい」
「でしょ!自信作なんだ!」
自慢げに胸を張る過時。
「さ、ここからはリハだ。気を引き締めて、しっかり、しかし楽しんで、合わせていこう。...そうじゃないと、律への手向けにはならないからな」
珠璃が、表情を引き締めて言う。
「おう!」「了解」「わかりました」「ん、りょーかい」「わかったよ」「承知承知!」
迅お兄ちゃん、桜井を含めた6人が各々返事をする。
「ボクは客席から見てるね!がんばって!」
「おう、楽しみにしてな!」
過時からのエールに達彦が答える。
「空間転移!」
珠璃の声で、景色が変わり、家の地下練習室に転移する。
そして、各々用意されていた楽器のセッティングを始める。
「用意しながらで良い、聞いてくれ。今日演奏するのは、ジングルベル、STAR、冬のある日の唄の三曲だ。ちなみにジングルベルは楽譜にスウィングを追加な。ベースはコードにさえ添っていればなにしても良い。あと、ドラムも好きに叩いて良いぞ。ああ、でも走らないようにな...それから...」
こんな風に、リハの時間はあっという間に過ぎていった。
「どうもー、≪サウンド・ブレイズ≫でーす!」
そして今、私たち、≪サウンド・ブレイズ≫は、ステージ上にいる。
ちなみにMCはお姉ちゃん。
「今日は、新しい仲間を紹介するよー!諸事情あって居なくなった兄さんの代わり、といってはなんだけど、同じベースで私の愛しい妹!瀬戸川由莉だー!」
姉さんのMCで私は前に出て、
「瀬戸川由莉です!ちっちゃいけど頑張って弾きますので見ててくださいね!」
「「「うぉぉぉおぉぉぉぉお!!!!!!」」」
大歓声が沸き起こる。
「ロリだ!」「あれ高校生か!?」「小学生じゃね?」「可愛いっ!!!」
等という叫びがホールのあちこちから聞こえてくる。
うん...大丈夫か、この学校...?
そう、今日は学校のイベントであるところの、クリスマスライブに参加しているのだ。
私は小さく手を振り、それからお姉ちゃんとアイコンタクトをとる。
満面の笑みをうかべたお姉ちゃんは、すごく輝いて見えた。
「ジングルベ~ル、ジングルベ~ル、鈴が~なる〜♪」
歌い始めたお姉ちゃんの透き通った声に、しん、と一瞬で静まりかえるホール。
「ワン、ツー!」
達彦の声とスティックの音がホールに響く。
トランペット、ギター、ベース、ピアノ、サックスが同時に爆音を鳴らす。
「「「うおぉぉぉぉぉぉぉおぉぉぉぉぉおおおぉ!!!」」」
瞬間、それ以上の音量で会場が湧く。
相変わらず達彦のドラムにはノりやすい、ビートを作るり出すようベースを鳴らす。身体の中から溢れ出す感情を全部表に出すように飛び跳ねる。迅のサックスと桜井のトランペットがユニゾンを奏でる。珠璃と舞がメロディアスなフレーズで引き継ぐ。
「Dashing throw the snow♪」
お姉ちゃんの変わらない透き通った声で紡がれる歌は私の心にやけに響いた。
「やー、楽しかった~」
以上、わたしと姉さんの会話でした。
「お先でした~」
そういってお風呂から出てきたのは舞。
「ああ、うん、お帰りなさい」
目を逸らしながら言った。
パジャマの胸元のボタンが三つ目まで開いている。でっかぁ...。入り切らないんだろうな...。自分の胸元を見て、少し虚しくなった。
「おいお前ら何凝視してんだ」
「ヴァッ!?目が、目がァァァァァ!!!」
「ぐっ...俺見てねぇのに!」
男2人の目に珠璃の指が突き刺さった。
片方めっちゃデジャヴ。大佐かよ。
「はーい、万歳してー」
「ねぇ待って、なんでこうなった」
はい。現状の説明。
お風呂場。椅子の上の私(全裸)。後ろに桜井(全裸)。
どうしてこうなった。
いやまあ、桜井に誘拐されただけなんだけど...。
「私、元男なんだけどいいの?」
「むしろ男のままでも気にしないよ?」
「それは気にして欲しかった、女の子として」
「今更何を照れることがあるか!今はキミも女の子でしょ?」
「まあ、そうだけど...」
「ふひゅー...。お風呂が一番疲れた...」
主に精神面で。
「えー?楽しかったよー?」
あっけらかんとする桜井。
「あれ、お姉ちゃん、胸大きくなった?」
具体的にはBからCくらいに。
「それ、兄さんが言ったら殺してたな...。兄さんの血のお陰だね」
くそぉ...!
私の血を返して...遺伝子...この世は残酷だ...。
「くっそー!!!」
なんやかんやで楽しい夜は過ぎ去っていくのだった。
長すぎて編集し直すのクソ大変でした。過去の自分を恨みます。




