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第六話 テンプレートと信じたい

ちょっと遅れました?

 昼食を食べた俺達は、元々の目的であった冒険者ギルドに向かうことになった。


 ちなみに今の俺達の装備は


フェイト

あたま:なし

からだ:じょうとうなふく

みぎうで:おうけんシェムハザ

ひだりうで:――――

あし:じょうとうなくつ


アリス

あたま:なし

からだ:クリスタルローブ

みぎうで:ひょうていじょうオーケアノス

ひだりうで:――――

あし:じょうとうなくつ


レイ

あたま:みがわりのかみかざり

からだ:マジックアイテムのふく

みぎうで:ディザスターナックル

ひだりうで:アニヒレーションナックル

あし:しゅんどうのくつ


って感じだ。


 俺の装備は……まあ、冒険者に憧れた貴族の坊ちゃんだろうか。やたらすげえ剣を持っているのに、鎧とかは着ていない。人にはヒモに見せかける予定だし、問題は無いな。


 アリスの装備は普通に魔法使い。ちなみに、クリスタルローブはスライムの魔石を利用して作った、虹色に輝く見た目超綺麗なローブだ。アリスの容姿をより引き立てる。こんな物なくてもアリスの容姿は極まってるけどな。

 魔法に対する抵抗力も高く、結構良い物。王級に相当するだろう。元がスライムなのに。


 レイの装備は……うん、まあね?一応アリスと相談して決めたんだけど、やっぱ過保護だよね。でもさ、万が一、いや億が一、いやいや無量大数が一だけどさ、レイが傷つくことになったら世界の損失だろ?ほら、神々の宝って称号にも書いてあるじゃん?だから俺は後悔も反省もしていません。


 身代わりの髪飾りは、HPが0になる一撃を受けた時、一度だけ守ってくれる。精級相当。一流の冒険者にはこれの系統の装備を付けている人が多い。


 マジックアイテムの服には俺の能力スキルを込めている。この能力スキルを込めた防具はこれまで存在していなかったらしく、俺が名前を付けることになったのだが、ぶっちゃけ面倒臭かった。

結界神による絶対防御だ。MPを込めれば防御の上に、触れたものを破壊する破壊結界も発動できる。当然神級相当。


 二つのナックルは、一切の自重なしでやった。レイのステータスの全力でこれをつけて殴れば、俺が大陸切断した時の神罰エクスキューションレベルの威力が出るだろう。両方神級相当……より上な気もするが、神級相当。


 瞬動の靴は光速移動をより強化する。ニュートリノ並み(適当)。帝級相当。


 今更だけどさ、俺達ってどんな風に見えるんだろ?貴族の子息、令嬢か?でもな~、俺はともかくアリスとレイには無双してもらうつもりだし。貴族が無双ってなんかおかしいよな。全くないわけでは無いけどさ。設定考えとかないと。


 レイを真ん中にして、三人で手を繋ぎながら歩いて行った。


◇◇◇


 ギルドに到着しました。ええ、はい。何も書くことも無く到着しました。アリスとレイの容姿を見たチンピラが襲ってくることもなく到着しました。思わず神罰エクスキューションを撃ちそうになることも無く到着しました。


 冒険者ギルドの内部は別に酒屋という訳ではない。多少の飲食はできるが、一階は椅子とテーブルと受付のみだ。椅子とテーブルは冒険者同士の交流のために配置されている。飲食をするならそこでだ。

 二階や三階はギルド職員の部屋になっているので、基本立ち入ることは無い。


 冒険者ギルドに入って最初に考えること。それはあのテンプレだろう。冒険者になろうとする主人公に絡んでくる酒を飲んだ柄の悪い三流冒険者。主人公が一瞬で撃退。おお、アイツすげえー!みたいな?目立ちたくないことを考えると、絶対にやるべきではないのだが、やはり憧れてしまう。


 だが、俺は知っている。ギルドに入って「テンプレキタァァァァ!!!」とか喜んでいる奴の前に現れる柄の悪そうな冒険者は、実は親切に忠告してくれている二流のお人好し冒険者だということを。


 だから、俺は騙されない。俺の身にテンプレなど起らないのだ!たとえ似たことがあってもそれはダミーなんだ!!


 《何をアホなことを先程から語り続けているのですか?大体それをどうしてもやりたいのなら『誘導神』を使ってさせればいいじゃないですか。その、柄の悪い冒険者とやらに》


 ……それは違くない?

 ていうか、何普通に人を操ることを提案してんの!?怖えよ!お前マジで怖えよ!!

 俺は単純に、そんなテンプレを経験する主人公たちに憧れてるだけだから。別に人の思考操作してまで叶えたい願いじゃないから!!!


 《ギルドに入らなくていいのですか?二人が待っていますよ》


 アリスはこちらをただ見ていて、レイは頬を膨らませて俺を見つめている。


 「パパー?はいらないの?」


 アリスはもう、俺が時々黙って行動を停止することがあるのに慣れてきている感じだな。何に慣れてるんだよ!?と思わなくもないが、まあ俺のせいだしなあ。

 レイは普通に可愛いな。まあ、明らかに不満気だし早く入ることにするか。


◇◇◇


 入ってみると、まあ、イメージ通りだった。モンスターをハントするゲームの集会所みたいな感じかな?


 ほとんどの冒険者から睨まれた。貴族は場違いってか?それにしても過剰な気がするが。


 「ご依頼でしょうか?」


 受付嬢がそう声をかけてくる。いや、お前そう見えるか?どう見ても冒険しに来た格好だろ。あ、そっか。メンバーが駄目なんだわ。幼女入ってるもんな。


 「いや、冒険者に登録を――――」

 「あ?何だガキ。てめえが冒険者になるだあ?」

 「何ふざけたことぬかしてんだよ、ああん?」

 「そうだそうだ!」


 髪を剃っていて、額に『M』と書いてある三人組が絡んできた。


 「うっわ、またアイツらだよ」

 「スキンヘッダーズMじゃねえか」

 「災難だなあ」

 「ふん、フレデリックと同じ貴族なんでしょ?だったら別に良いじゃない」

 「いや、アイツらはさすがに……」

 「うん、アレに絡まれるのは流石に同情するわ」


 何やら冒険者たちが騒いでる。何?そんなアイツらヤバいの?まさか、マジでテンプレきちゃうの?

ていうか、フレデリックって誰?やめてくれ。遭遇フラグは建てないでくれ。


 「何か用か?別に誰が冒険者になろうがお前には関係ないだろ?」

 「貴族が冒険者になるなんて許すわけがないだろうが!」

 「そうだぜ!ああん?」

 「そうだそうだ!貴族如きが生意気だ!」


 ……は?何言ってんのこいつ等。


 「おい、会話がすれ違ってるんだけど。お前ら言葉の意味分かってんの?

 貴族如きって、国家反逆罪になってもおかしくないぞ。何考えてんだよ。ていうか、そもそも俺が貴族なんて一言も言ってないんだけど」


 まあ、貴族だけど。


 「だが、どうしてもって言うんなら……」

 「言うんなら、ああん?」

 「そうだそうだ!」


 駄目だ、こいつ等俺と違う言語を使ってるわ。この世界に言語は一つしかないはずなのに。まさか、新種の言語!?よし、この言語は不可思議ファニー語と名付けよう。

 後、最後の奴。あの文脈で「そうだそうだ」はおかしいだろ。あれか?ファニー語の一般的な文法なのか?


 「どうしてもと言うのなら、何でしょうか?」


 冷めた口調で絶対零度の視線を浴びせながらアリスが問う。杖に魔力も集めてるようだ。準備してるのは……絶対零度(アブソリュート・ゼロ)か!?こんなところで帝級氷魔法なんか放ったら町がダース単位で滅びるぞ!場所的に首都は大丈夫だろうが……。あれ、絶対キレてるだろ。怖え。怒らせないようにしよう。


 それにしても、何を要求されるんだろうな?金か?それとも「俺達の手下になれ」的な?


 「「「どうしてもと言うんなら……」」」


 三人は、一度下を向いてから俺の周りを取り囲み、ねっとりとした視線で見つめてきてからこう言った。


 「「「ヤ・ラ・ナ・イ・カ?」」」

































 「――――ファッ!?」

 「――――なっ!?」

 「ん~~~~?」


 ど、ど、ど、どういうことだってばよっ!?

 まさか、周りの冒険者が同情してたのってこれのせいか!!

 貴族に向かって何言ってんだよ!普通に不敬罪で殺されてもおかしくねえぞ!!!


 「やるって、なにするの?あそぶの?レイもいっしょにしたいっ!」

 「ヤメロ!レイ!!絶対に聞くな!いいな?森羅万象も使うなよ!!ダメ。ゼッタイ。だからな!!」


 この野郎共、レイになんてこと聞かせやがるんだ!絶対殺す!!俺の必殺!


 「喰らえ!神ば(エクスキュ)――――」

 「そうですっ!だめですっ!!けしからんですっ!フェイト様と貴方達が……その……裸で……」

 「おい、アリス!何ちょっと想像しちゃってんだよ!!何真っ赤になりながら具体的に想像を始めちゃってるんだよ!!」


 流石に怒るぞ。最後に『っ』をつけて喋っているところに萌えたけど、萌えたけども。「けしからんですっ!」に特に萌えたけども!


 というか、遮られた!?今度こそ!


 「しn(エクs)――――」

 「す、す、す、すみませんでした!申し訳ござません!この罪は私の命をもって――――」

 「償わなくていいから!!好きなだけ想像していいから!!」


 顔色を真っ青にして謝罪し始めたアリスを許すと


 「す、好きなだけ!?それはもしかして、満更でもないという――――」

 「ごめん、失言だった!!!俺の精神衛生上の問題で、想像はしないでくれっ!」


 再び顔色を真っ赤にし、「絡み合って……」等言い始めたので止める。まさか、アリスに腐属性があったとは。それも可愛いが。


 ていうか、何だこのカオス。やはり、こうなったらやるしかない!!


 「神ばt(エクスキューショ)――――」


 《ハァ……。やめなさい。町がグロス単位で塵になります》


 ……はい、すみませんでした。

 スティに大きな溜息をつかれた。


 「どうしたの?あそばないの?」

 「レイは耳を塞いでなさい!」


 オーケー、一回落ち着こう。ひっひっふー、ひっひっふー。


 受付嬢は、そんな俺達を冷酷な目で一瞥してから深呼吸し、再び満面の笑みを浮かべて、大声でこう言った。


 「ご依頼でしょうか?」

 「お前はこの話の流れで依頼だと思うのか!?」


◇◇◇


 結局その騒動は、レイの「ねー、パパ。ぼーけんしゃにならなくていいの?レイ、もうつかれたよ」という言葉で一旦の収束を見せた。


 「よし、じゃあ気を取り直して。冒険者登録をた――――」

 「俺達のモノにならねえっつうことなら仕方ねえ。ここで身の程を教えてやる!」

 「ちょっと良い装備してるからって、強くなったと勘違いしたら駄目だぜ、ああん?」

 「そうだそうだ!死ね!」


 一旦の収束を見せたって言ってるだろうが。何また絡んできてるんだよ。何今度は普通にテンプレしてるんだよ。お前ら言語だけじゃなくて行動もファニーになってるじゃねえか。まさか、存在そのものが不可思議ファニーなのか?


 貴族に死ねって、お前らほんとに首飛ぶぞ。いいのか?馬鹿親父モンスターペアレントに言いつけるぞ?


 まあ、でも、仕方ない。


 「アリスさん、やっておしまい」

 「はい。完全凍結アブソリュート・フリーズ!」


 三馬鹿の足元に水色の魔法陣が現れ、周囲の温度が下がっていく。そして、三人を中心として、空気中の水蒸気までもが凍り付いた。


 何で王級魔法なんだよ!?単体攻撃魔法だから絶対零度(アブソリュート・ゼロ)よりはマシかもしれないけど、王級の魔法って宮廷魔法士でも使えるか分からないレベルだぞ?いくら目立ってもらうとは言っても遣りすぎだろ!!


 ほら、三人とも氷の中に完全に閉じ込められてるじゃねえか。あれ、死んでないよね?大丈夫だよね?


 《あの魔法の性質として、死なないようになってはいますが、あまりにもレベル差があるので……死んでいるかもしれませんね》


 おい、マジかよ。アリスさん結構キレてるじゃねえか。ああ、でも、そっか。俺普通に命の恩人だもんな。恩人を罵られたらそりゃキレるよな。


 「な、何だあれ!」

 「氷魔法?」

 「魔法使いなの?じゃあ、もしかしてあの娘は護衛なの?」

 「あれって、王級じゃなかったか?」 

 「おいおい、護衛に宮廷魔法士レベルって、大貴族なんじゃねえの、あの兄妹」

 「え?それマズイんじゃないの?ま、手を出したのはアイツらだし、別に構わないけど」


 へえ、兄妹か。フェイトレイか?さっきレイは思いっきりパパって言ってたけどそれはスルーなんだな。まあ、レイも護衛設定でいこうと思ってるからそうならないんだけど、レイが妹っていうのも良いかもな。……べ、別にロリコンじゃねえし。妹も萌えじゃねえし。女兄弟に対する萌えは存在しないって暴力魔あねで知ってるし。


 大貴族と思われるのは、間違ってないから別に良いな。


 《『三馬鹿(スキンヘッダーズM)』が死にそうですが良いんですか?》


 あ、良くなかった。


 「アリス、氷の拘束を解いてやってくれ」

 「良いのですか?」

 「いや、殺しても問題ないとは思うけど、アリスの職業に響く可能性があるし、一応な」

 「……!ありがとうございます!」


 何でお礼言われたの?まあ、兎に角、アリスは魔法を解いてくれた。


 「さてと、お前ら。もう絡むなよ?流石に次は許してやれないからな!」

 「「「は、はい!すみませんでした!!」」」


 土下座して謝るファニー達。


 「パパ。そんなのどうでもいいから、はやくとーろくしよ~よ~」

 「ああ、ごめん。それじゃあ、登録を頼む」


 さり気に三馬鹿そんなの扱い。レイちゃん天然Sっ気半端ねえ。頼むから悪魔スティみたいにはならないでくれ。


 《前から私のことを悪魔悪魔言っていますが、『悪魔デーモン』という種族は実在していますので、仇名として適切ではないのではないですか?》


 じゃあ、何が良いと思う?


 《何故自分の悪口を自分で考えないといけないのですか?》


 俺の能力スキルだから?


 《何故疑問形なのですか。……まあ、いいでしょう。考えてあげます》


 お、実はスティがツンドラじゃなくツンデレだった説浮上。


 《……………………………………………》


 すみませんでした。悪気はなかったんです。悪ふざけだったんです。


 《……まあ、いいでしょう。……そうですね、『邪神の微笑み(ジ・イーヴィル)』というのはどうですか?》


 意外とノリノリじゃねえか。ていうか、自分が邪神っていうのは自覚してるんだな。


 《フェイト様のイメージから考えたましたから》


 成程、確かに俺のイメージ的には、お前って薄く冷笑を浮かべながら毒吐いてるって感じだもんな。冷笑って微笑みじゃないけど。


 ん?ちょっと待って。何でこんな話題になったんだっけ?


 《レイの三馬鹿そんなの発言のせいでしょう。本当に記憶力無いのですね。鶏ですか?いえ、貴方は一歩も歩いてないので鶏以下ですね》


 一言……いや、二言……三言多いよ!!流石にそれはひどくねえか?


 《そうですね。フェイト様如きと比べられては鶏が可哀想ですね》


 そっちじゃねえよ!定番なボケやめろ。様付けなのに如きって、どっちかにしろよ!


 《では、これからは『フェイト如き』で統一しますが、よろしいのですか?》


 よろしくねえよ。何もよろしくねえよ。フェイト様にしろよ。


 お前絶対微笑みなんて可愛いモンじゃねえよ。『邪神ヲ嘲笑ウ者イーヴィル・ザン・ジ・イーヴィル』とかそんな感じだろ。


 「冒険者に登録ですか?」


 受付嬢が怪訝そうな不満そうな顔つきで言ってくる。


 現実に引き戻されたわ。そうだ、そういえば、登録しようって話になってたな。滅茶苦茶脱線したけど。


 「ああ、別に規則で禁止されてるわけじゃないだろ。何でそんな嫌そうなんだ?」

 「登録されるのは魔法使いの方ですか?」


 無視られた。ひっでえ。


 「何でそう思うんだよ!?俺が頼んだってことは俺もだろ!!あ、後この子もな」

 「……どう見ても成人していませんが?貴族といえども規則を破らせるわけにはいきませんよ」


 まあ、そう思うよな。


 「いや、その子も俺の護衛でな。色々あって懐かれてるけど、竜族の実力者なんだ」

 「竜族ですか?まあ、それでしたら規則的には大丈夫ですけど」


 疑いの眼差しを向けてくる。ま、しょうがないよな。


 「とにかく、そういうことだから三人、登録してくれ」

 「……チッ。はい。身分証明書はありますか?」


 小声で舌打ちされたんだけど。


 「俺のはこれだな。二人は持ってない」

 「……はい。それではフェイト様が二人の保証人ということでよろしいですね?」

 「ああ」

 「それでは、ギルドカードを作りますので、このカードを持ってください」


 そう言って、受付嬢は灰色で無地のカードを三つ、俺達に渡した。


 持つと、カードが一瞬光り、文字が書かれ始めた。


 「一度お借りしますね……はい、問題ありませんね」


 カードにはこう書いてある。



フェイト・ウェアーリークス  人族 貴族 Gランク


アリス 魔族 傭兵 Gランク


レイ 竜族 傭兵 Gランク



 アリスとレイのステータスは少しいじってある。受付嬢は職業欄を確認したようだ。


 「では、冒険者についての説明を――――」


 思考加速発動!!

 俺の思考速度が上がり、周囲の動きが、まるで時間が止まったかのように遅くなる。


 《どうしたんですか、急に》


 いや、やりたいことがあってな。って、あ!お前と話したいときって思考加速これ使えば問題ないじゃん。レイにジト目で見られないじゃん。


 《ついに……気が付いてしまいましたか。CIAもまだ嗅ぎ付けていなかったというのに》


 何で地球の、それも一切関係ない組織が出てくるんだよ!!!

 ていうか、知ってたのかよ!?


 《それで?やりたいこととは?》


 いつも通りの完全スルー。さすがスティ!おれにできない事を平然とやってのけるッ!そこにシビれぬ!あこがれぬゥ!


 《ぶん殴りますよ》


 どうやって!?


 まあ、いいや。やりたいことっていうのは受付嬢の説明を先に言っちゃうってことなんだよ。


 《つまり「受付嬢の態度がムカつくから、仕事を奪って嫌がらせしてやろう」ということですか?》


 ですです。


 《ハァ、いいでしょう。私が説明するので、復唱してください》


 おお、さすが邪神ヲ嘲笑ウ者イーヴィル・ザン・ジ・イーヴィル!人に嫌がらせをする時は協力してくれる!!


 《……………………………………》


 さーせん。じゃあ、思考加速解除。


 《「冒険者は基本的にギルドで依頼を受けて、その報酬で生活する。


 依頼には四種類あって、採取依頼と、討伐依頼と、護衛依頼と、特殊依頼。Bランク以上からは二つ名がつく冒険者がおり、二つ名持ちの冒険者のみに指名依頼を出すこともできる。緊急依頼という、資格保持者は全員参加しなければならない依頼もあるが、緊急時以外に使われることは無い。


 依頼にはランクがあり、冒険者は依頼と同じランク、もしくはその前後のランクもっていなければ依頼を受けることは出来ない。


 冒険者のランクはG~SSSまであり、SSSは現在一人も存在しない。


 ランクを上げるには依頼を受けて、ポイントを稼ぐことが必要。


 二人以上の場合、パーティーを組むことができ、パーティーはメンバーの冒険者の平均ランクの冒険者として扱う。リーダーと三つ以上ランクが離れている場合、パーティーを組むことはできない。


 依頼を途中で止めたり、失敗するとペナルティがある。


 冒険者同士の争いにはギルドは関与しない。


 補足や訂正はあるか?》」


 よし、噛まずに言えた。


それにしても、最後の注釈って過去に何かあって以後ルールとした、みたいな感じするよな。


 「い、いえ、ありません」


 嫌がらせ成功!


 「それでは、登録料として一人三千ルル、合計九千ルルをお支払いください」


 大銅貨を九枚渡す。


 「はい。これで登録完了です。……チッ」


 おい、何で最後舌打ちした?いちいちイラつくな。


 「それで、パーティーの登録もしたいんだが」

 「はい。その三人でよろしいですね?」

 「ああ」

 「分かりました。パーティー名はどうしますか?」


 ふっふっふ。それは考えてあるのだ。


 「エクスキューショナーズで」 


 そう、俺の必殺技である。処刑執行者達エクスキューショナーズ。中二心を刺激する良い名前だと思わないか?


 《思いません》


 お前には聞いてねえよ。


 「それでは、カードをお貸しください。

 ……はい、登録できました」


 まあ、そんなこんなで、俺達は冒険者になった。


書いた瞬間「あ、これやっちゃったな」と思いましたが、そのまま投稿しました。

因みに、フレデリックが何をしたかはまだ考えていません。

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この作品の改訂版です
生まれた時から『世界』最強 〜理不尽を理不尽で捩じ伏せる〜
今度はエタりません
よろしくお願いします!
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