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第26話 鉄の匂い

 炎の匂いと鉄の匂いは同種類です。染み付きゃむせます。


 あ、評価100ポインッ突破しました。感想の類は一切来ませんがこの数字を応援ととらえて頑張ります! 作者の得意科目は数学と家庭科とプログラミングです。苦手科目はそれ以外。そんなのが書いてる小説ですのでご指摘等があったら感想に下さい。出来うる限り応えたいとは思いますので。

 ~ギルド【ガン・ホー・ガンズ】本部~


 襲撃に備えて慌ただしく動くガン・ホー・ガンズのメンバー達。しかしある音が聞こえた途端に全員がその音の元を一斉に見る。

 その音とは建物の扉が開き、軋む音。そして扉から入ってきたのは、銀髪のガタイのいいカウボーイと、鮮やかなバンダナを巻いたガンマン。どちらとも俯いて顔色は伺えない。

 カウボーイが両手を広げると部屋内の全員がカウボーイに向かって銃を構える。

 コツン、コツンと足音を立て、カウボーイは待受のカウンターまで両手を広げたままゆっくりと歩く。

 そして顔を勢いよく上げてカウボーイは叫ぶ。


「Let's party time(さぁ、祭りを始めようぜ)!」


 ギルドの面々が警戒を強める中カウボーイは両手を振り、何かをばら撒く。

 光をまばゆく反射するそれは、金色のメダル。

 一体何故そんなものを? とギルドの面々が首を傾げていると、メダルは床へと落ち、大きな爆音と爆炎を上げて爆発した。衝撃を遅延魔法(マジックスイッチ)とした【メタリック・エクスプロージョン】だ。


「「ぐわぁぁぁっ!?」」

「「うわぁぁぁっ!?」」

「「ぬわーっ!」」


「ベッキンガム!」

「応ッ!」


 部屋が悲鳴で包まれる中、カウボーイ、ローゼとガンマン、ベックは騒ぎの中を突っ切って階段を駆け上がる。完全にテロの手口だ。

 踊り場で手すりを掴んでターンして向きを変えると、上のほうから声がかけられる。応援なんかではない、単なる怒りの声が。


「止まれぇっ!」

「待ち伏せ! しかし無駄!」


 ローゼはそう言うと強く踏み込んで飛び、待ち伏せをしていたギルドのメンバーを軽く飛び越す。これにより生み出されるのは挟み撃ち。


「シェーッド、ファランクス! バラ撒きなっ!」

「セミオートマシンライフル……喰い破れっ!」


 鼠色のマシンピストルとドラムマガジンのついた黒光りしているアサルトライフルから吐き出される弾丸は無造作に肉壁を食い破り光の粒子へと変える。


「……やればできるもんだな」

「だねぇ。んじゃ、追撃喰らわないように……っと」


 ローゼはマッチ(ひと箱50ハヴェン)を一本取り出し壁に擦り付けることにより着火。ガラス瓶の中にオイルの染み込んだ布を詰めたもの、所謂火炎瓶(ガラス瓶一個20ハヴェン、布20平方cm約10ハヴェン、粘性オイル大体100ml約40ハヴェンの合計70ハヴェン)に火をつけて階段の下に投げ、踊り場に火をつける。


「よし、これで火炎耐性ない奴は登ってこれないはず。じゃあ、一気に登るぞ!」

「了解!」


 ちゃんと火が付いたことを確認すると、ローゼとベックの二人は一気に階段を駆け上っていく。

 途中で出てきた奴らはなぜか踊り場とかじゃない中途半端なところまで降りてきたので追い抜かすときに後ろ蹴りで蹴落とし、自分たちの勢いをつけることに利用する。

 そうすることにより3階、4階、5階、6階、7階、8階、9階と通過し、とうとう10階まで登りきった。11階への階段がなかったので二人はフロアへと出る。


「よくある四天王とかの階層の反対側に階段があるタイプじゃなくってよかったよぉ」

「一応現実で言えばオフィスビルみたいなもんだからな……ギルドマスター室がある11階へは直接行けないように別の所に螺旋階段がある」

「場所はぁ?」

「小部屋ばかりのところに一箇所だけその螺旋階段がある。大体の場所しか俺たち下っ端には知らされてないよ」

「ふぅん」


 そう情報をベックの口から聞いているとき、ローゼはある匂いを嗅いだ。


「(鉄の匂い……? 血か? いや、出血とかのステータスじゃないと血は流れないとか聞いた覚えが……)」

「おい、何してるんだ、行くぞ」

「え? あぁうん。わかった」


 急かすベックに応え、ローゼは小走りでベックを追う。知らされた場所は階段のエリアの反対側の廊下。そうとしか教えられてないらしい。

 反対側までつき、端から端まで走って探すが、全て同じドアで見分けがつかない。少なくとも螺旋階段のある場所はわからない。

 走っていたせいかじんわりとした熱気が肌にまとわりつく。シャツを引っ張り空気を入れることにより二人は少し体を冷ます。


「情報がアバウトすぎたな……どこが螺旋階段かわからん」

「確かにねぇ。でもまあ一つ一つ調べるしかないよぉ。こっちに蝶番はないし、押して開くタイプのドアだねぇ」


 ローゼはそう言いながら何か違和感を覚えた。混ぜわざわざ螺旋階段のある場所をギルドメンバーでも判りづらくしている? 目印のようなものはない。それは確かに手間取るかもしれないが虱潰しに探していけば簡単にわかる。それじゃああんまり侵入者を妨げる壁にはならない。そう考えながらローゼは手を扇代わりにして顔を仰ぐ。その時あることに気がついた。


「(なんで今、熱さを感じている!? VRアバターでいくら動いても体は熱を帯びない! このゲームの中、あの羊の群れに追われていた時、今よりも激しく動いていたことはあるが、別に体が熱く感じてなどいなかった! それなのに感じているということは何かが熱せられて……!? そうか、大量の小部屋! 虱潰しに探さなければいけないかそのためには扉を自分の手で開く必要がある! それは押し扉! しかも確認するために顔は覗き込まなければいけない! つまり今の状況は……ッ!)」

「じゃあ、開けるぞ」

「ッ、バカっ! 開けるなっ!」


 ローゼが気付いた時には既に遅く、ベックは扉を開けかけていて、部屋の中に空気が吸い込まれる感覚を覚えると同時にローゼの周りの時間がゆっくりとなる。脳のリミッターが外れ、思考速度が暴走気味に速くなったからだ。


「(もう今から起こることを防げない! なら優先すべきは、直撃を回避することっ!)」


 ローゼはこっちを振り向こうとしているベックの体を自分の体を押し込むことによって動かし、ベックの体はほぼ回避したと判断すると同時に反対側に動こうとするが、少し遅かった。

 空気に押されドアは完全に開き、部屋の中からかなりの勢いの爆煙が吹き荒れローゼを襲う。一応押し飛ばされたベックの方は無事だ。


「ぐあぁっ!」

「なっ!? 一体、何が起こったって……!?」

「バ、バックドラフト……!」


 一応掻い摘んで説明しておくと、バックドラフト現象とは、締め切られた部屋の中で火災が起こっている時にドアや窓を開けた時、部屋の中の空気は燃焼に使われ少なくなっているので、その穴を埋めるように外の空気を吸い込み、部屋の中で熱せられた一酸化炭素が取り入れられた空気の中の酸素とでさらに燃え上がることにより爆発が起こる現象のことである。まあ簡単に言えば燻製中に不用意に燻製鍋を開けると火柱が上がること……余計意味がわからなくなった。詳しく知りたかったらもうネットで検索で。


「なんでギルドハウス内でバックドラフトなんて……!?」

「そりゃあ俺の趣味だなぁ。なんでかって聞かれたらさあ」


 ベックがギルドにとって大切なものであるギルドハウスをギルド自身が蔑ろにしたことに驚愕していると、廊下の曲がり角からコツコツと足音が響き、前衛的な前髪をした男が現れる。


「侵入者共、トラップは気に入ったかぁ? じゃあ始末させてもらうぜ! 魔法使い(マジックユーザー)、ターレットのこの俺がなぁ!」

「魔法使い(マジックユーザー)……!」


 ベックがライフルを構えようとすると何者かがベックの足首を掴む。ローゼだ。


「あんた、邪魔を!?」

「違う……君は、先に行け。奴は、俺が足止めする。螺旋階段ってことは上にまで炎が上に伝わらないようにその部屋だけ燃えてない可能性が高い……ドアに手を当てて、周りより熱くない奴が螺旋階段の部屋だ……!」

「だが、あんたボロボロじゃないか!? どうやって……!」


 ベックがそこまで言うと同時にローゼはベックの足首を離し、床に手を付き、ゆっくりと起き上がる。


「目には、目を。歯には、歯を。魔法使いには、魔法使いだ。君は上に行け」

「だけど……!」

「クドい! 先に行けっつってんのがわかんねーのかっ!」

「ッ、わかったっ、勝てよ!」

「当然」


 ローゼはベックが螺旋階段の部屋を探し当てるところまで見届けるとターレットの方へと向き直る。


「さて、待ってもらって悪かったな。見た目と違って随分紳士的だ」

「ハッハ、自己犠牲精神に対するリスペクト精神って奴さ。これはな。んで、だ」


 ターレットは拳銃をホルスターから引き抜きながら告げる。


「同じことさ、どちらにしろな。思えんよ、あれに3対1を勝てる技量があるとはな」

「フフン、残念だけど俺たちは“ジャイアントキリング”のために来てるのさ。だから勝つよ? あいつは」


 ローゼはそう返しながらG・リボルバーを構える。


「ハン、名乗りなよ。気に入った。殺る前に聞いとく」

「薔薇の銃士、ローゼ。やられるのは、どちらかな?」

「ハッ、ぬかせ。俺だ。勝つのはなぁ!」

「いいや、俺だよ。綺麗にね!」


 二人とも同時にトリガーを絞り、突きつけ合われた銃口から銃弾が発射される。魔法使いどうしの決闘の引き金は今、引かれた。

 バックドラフトについてはアニメ取ろうとして間違えて取ってたアンビリーバボー知識ですので間違ってるかもです。周りに広がってない理由はマジックアイテムを使ったから。多分本文内で説明しませんのでここに記載させていただきま

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