表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『魔王城の地下で税金を計算してた俺、いつの間にか世界経済の黒幕になる』  作者: ニートは34歳まで
第一部 地下の税務官編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/40

第二十八話 魔導銀


 西部鉱山都市・ガルム。

 中央工房の地下。


「……これは」


 俺は言葉を失った。

 巨大だった。

 地下空洞。

 岩盤一面に刻まれた、青白い光の線。

 まるで都市そのものが、巨大な魔法陣になっている。


「古代魔導回路です」


 案内していた老ドワーフが言った。


「この鉱山の本当の価値は、銀そのものじゃねぇ」


「回路……?」


「魔導銀だ」


 老ドワーフは壁へ触れる。

 すると。

 青白い線が、ぶわっと発光した。


「うおっ!?」


 空気が震える。

 微弱な魔力が流れた。


「……生きている?」


「半分な」


 ドワーフは鼻を鳴らす。


「昔は、この山全体が動いていたらしい」


 怖いこと言うな。


     ◆


「つまり」


 俺は壁を見る。


「普通の銀じゃない?」


「ええ」


 ベルクが珍しく真剣だった。


「高純度魔導銀です」


「魔力伝導率が異常に高い」


 グランも続ける。


「だから昔から、“王国級”で管理されていた」


 なるほど。

 だから銀鉱山都市が重要だったのか。


「待ってください」


 俺は少し引っかかった。


「じゃあ今まで、“通貨用銀”として大量消費していたんですか?」


 沈黙。

 ドワーフたちが気まずそうに目を逸らす。


「……はい」


「もったいな!!」


 いやいやいや!

 魔導素材を貨幣にして削っていたの!?


「昔は魔導文明が滅びた後だったからな」


 老ドワーフが言う。


「使い道が分からなくなっていた」


 なるほど。

 技術喪失か。


「ですが」


 ベルクが壁を見る。


「最近、変化が起き始めています」


「変化?」


「預かり証の普及で、銀貨需要が減った」


「はい」


「その結果、“高純度銀”が市場へ残り始めた」


 ……あ。

 繋がった。


「魔導技術側へ流れ始めている?」


「ええ」


 つまり。

 金融革命が、魔導技術を復活させ始めている。


「面白いですね」


 俺は思わず笑った。


「市場改革したら、古代文明が蘇り始めた」


「笑い事ではない」


 グランが低く言う。


「魔導文明は、一度世界を滅ぼしている」


 空気が変わった。


「……は?」


「正確には、“暴走した”」


 ベルクが続ける。


「古代文明は、魔力流通を極限まで効率化した」


「魔力流通?」


「今のお前と同じだ」


 沈黙。


「物流」


「信用」


「情報」


「魔力供給」


 グランが静かに言う。


「全部繋ぎすぎた結果、一つ崩壊した瞬間、世界全体が連鎖崩壊した」


 ぞくり、とした。

 それ。

 完全に現代金融危機じゃないか。


「だから十三商会は、“市場を加速させすぎるな”って言っていたんですか」


「ええ」


 ベルクは頷いた。


「過去に世界が一度壊れているからです」


 重い。

 かなり。


     ◆


 そのときだった。

 地下回路の奥で、光が強くなる。


「……ん?」


 低い振動。

 青白い線が脈打つ。

 まるで心臓みたいに。


「おい」


 ドワーフが顔色を変えた。


「待て」


「何です?」


「誰か、“核”を起動している」


 空気が凍った。


「核?」


「古代魔導炉だ!!」


 次の瞬間。

 地下全体が揺れた。

 轟音。

 光。

 そして。

 地下回路の奥で、巨大な紋章が浮かび上がる。


「……魔法陣?」


「違う」


 グランの声が低い。


「あれは、“古代契約炉”だ」


 ぞわり、と背筋が冷える。

 その瞬間。

 俺は気づいてしまった。

 今まで俺たちがやっていた、

•信用

•契約

•通貨

•認証

全部。

 この世界には、“もっと古い形”で存在していたんだ。


ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました!


もし「続きが気になる!」「面白い!」と思っていただけましたら、

下にある**【ブックマークに追加】や、【☆☆☆☆☆】を★★★★★**にして応援していただけると、執筆の励みになります……!


ほんの少しの応援でも、作者にとっては嬉しいものです。

どうぞよろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ