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魅了の力は封印するのでお姉様!ざまあ展開はご遠慮します!  作者: 瑠璃
第一部 第二章 クランフィールドアカデミー

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真実

 ジョディ・バルスーン公爵令嬢は、ジルベールの婚約者候補の中でも有力候補として一番最初に名前が上がっていた

 彼女は、幼い頃から自分は、王妃になるものなのだ そう思いながら育ってきたのだった

 それがだ、最南端にある辺境の侯爵令嬢にその座を奪われそうなのである


 ジョディにとって執着があるのは、ジルベール自身ではなくジルベールの皇太子という地位 いや国王の妻という座に執着があった


 そして、ダリウス・サラスーラの執着しているものは、ユーリだった

 ユーリというより「精霊の愛し子」

 彼は「精霊の愛し子」が「聖女」であると固く信じて疑わず

 また、聖女を娶ったものこそ世界を制する事ができるものの信じて疑わなかった

 そして、ジルベールへの妬み、憎しみが異常な程であった

 自分は、王家の血筋でもあるにも関わらずなぜ不当な扱いを受けなければいけない

 ジルベールよりも自分の方が優秀なのに!

  どうして!あいつは、黒髪で赤い瞳なだけではないか

 そして、デヴィッドのようなたかが公爵家の次男のようなものがユーリの愛を受けているんだ

 ユーリお前が愛すべき者は自分である

 全てが間違っていると考えはじめた

 それは彼の中で「思い込み」から「事実」へと変わった

 ジョディはといえばジルベールへの執着が憎悪へと変わっていった


「私は、王妃になりたいだけなのだからそれならジルベールを引きずり下ろせばいい」


 彼女は、権力と「精霊の愛し子」に執着するダリウスに目をつけた

 私と一緒に権力を手にすればいい

 そしてあなたは「精霊の愛し子」を側室にすればよいのだ

 とダリウスに囁いた

 ダリウスは、ジョディの提案を受け入れふたりは結婚した


 執着に囚われたダリウスとジョディが闇に堕ちていくのは簡単なものであった

 特に魔力をもつジョディは最終的に禁忌である闇の魔法にも手を出してしまう

 王宮の奥深く厳重に保管されている禁じ書を

 ダリウスを唆してあらゆる手を使い手に入れてしまう

 彼女は、底なし沼のような闇へとズブズブと自ら堕ちていった


 ダリウスの執着に恐怖を感じたデヴィッドとユーリは、ある日姿を消した

 ダリウスは、ユーリを執拗に探すが見つからなかった


 そして、荒れたダリウスはユーリと同じ髪色の娘を侍女にして彼女との間に双子をもうけるのだが、彼女は「邪魔」という理由でジョディに殺されてしまうのだった

 残された双子は利用価値があるかもしれない

 という理由でジョディは、自分が双子を出産したことにして育てる事にした


 そして、ふたりが待っていたその時が来た


 先王が急逝し国王になったジルベール国王一家がユーリ達の事もありアズールレーン王国へ訪問する事になったのだ

 彼等はチャンスを逃さなかった

 船を火事を装って襲い国王夫妻の命を奪ったのである


 国王一家が亡くなり王位継承権をもつダリウスが国王となり、ジョディも王妃となるが彼女の欲望は果てしなく広がっていく

 そして、暗躍はどんどんと加速するように国中を覆い尽くすのである


 小さな村に隠れ住んでいたデヴィッドはある日、兄が危篤であるという噂を耳にした

 念の為アリスを隣に住むパン屋の夫婦に預けユーリと共に王都へと向かうが乗合馬車が襲われ崖から海へと落ちふたりは命を落としてしまう

 ジョディは、ふたりの隠れ住む村を見つけ罠をしかけていたのだった

 ただ、ふたりの娘の存在はまだそのときはジョディには知られていなかった

 そして、彼女は、「精霊の愛し子」という存在を逆に利用しようと考えたのである


「後は君が知ってる事だよ…… アリス

  ずっと弟夫婦を探していたキャラウェイ公爵がやっとみつけた弟夫婦は既に亡くなっていた」


「両親は、王妃に殺されていたんですね」

 話を聞いて涙が止まらない


「どうして両親はアズールレーン王国に逃げなかったのかしら」


「きっと、国交に不利益をもたらすと考えたのだろう

 きっとアズールレーン王国に逃げることを考えたこともあるだろうし悩まれたと思うよ」

 とセラお兄様が私の震える手を握った


「僕も最近知ったことだが、王妃は魔力の増幅でこの国だけでなく近隣国の支配も目論んでいる 既に国王も彼女の操り人形だ

  マリアもそのための捨て駒だろう」


「私、両親の復讐をしたい……彼女の思う通りにさせたくない」


「ああ、そうだな

 その為には時期とみんなの力が必要なんだ

 今ひとつになりつつあるんだ時期がきたら必ずアリスに伝えるから今は我慢だ 我慢できるな? 」


「はい、お兄様」


「はー! 青年大人になったね君 私の出番がないじゃないか

 ではアリス 君の指輪に少しだけ私の力を注いでおこう」


 精霊王様はそういいながら私の手に光る指輪にそっと手を添えた


「これからは、もうこのピアスは必要無かろう」


 そう言うと私の耳からピアスを外した

 私の髪は、プラチナブロンドに瞳はエメラルドグリーンに変わった


 精霊王様はセラお兄様へと向き合って

「ああ、君はもう少しだけ力をつけたらあのドラゴンを眷属にすればいい 君ならいい主になれるだろう」


「既にご存知だったのですね

 よろしく伝えてほしいと言われました」


「アリス、君がこの後どちらの道を選ぶのか

 それとも全く違う道に進むのかは、私にも分からない

 けれど正しい道かどうかの答えは君にしか分からない

 悔いなく自分の気持ちに正直に生きていいからね」


「じゃあ、ふたりともまた会おう」

 そう言って精霊王様もまわりの景色も消えて元の草原に私達は立っていた


 ドラゴンに乗り別荘の近くの雪原で降ろしてもらった


「では、主…… いつでも我を呼んでくれ

 早く素晴らしい我の名前も考えておいてくれ」


「期待に応えられなくてすまないが、私は名付けの才能はないぞ」

 そう言ってドラゴンを見送った


 お兄様はしばらく別荘にいる私の為に別荘まわりに結界をかけてくれた

「じゃあ、アリス気をつけて 俺はアズールレーン王国に戻るよ」

 お兄様はそう言うと馬に乗り黒いマントを翻して駆けて行ってしまった


 少し名残り惜しい気持ちを抑えながら私は別荘へと入って行った





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