新しい生活
セラお兄様がお休みの間にアカデミーの様子を聞いた
教科のことなどはもちろんだが寮での生活 学生間での約束事などなど、暗黙の了解というものはどこにでもあるものだしね
前世ではそういったものも知らず空気も読めず好きにやりたい放題やったから本当に反省しています
セラお兄様は現在、魔道具の研究をしている最終学年になる今期は学園の研究室にいることが多いらしい
王都へと向かう馬車の中で
「何かあったらいつでも研究室においで」
と笑顔でそういってくれる
セラお兄様は、とっても というかすごい美形である!
薄いピンク色の腰まで届きそうな長い髪を
一つに髪紐でまとめている
学園でも女生徒に人気があるんだろうなと思わずぽそっと呟く
「いや、僕なんて研究ばかりしているからね 変人と思われているさ
かっこいい子は他に沢山いるからね」
「へえ、そうなんだ」
「なんだい?気になるのかい?」
「いや、そういうのは逆に避けたいとういうかなんというか
それに私は、お兄様がやっぱり一番素敵だと思うわ」
そうよ、道は違えないんだから!!
「ふーん、じゃあやっぱりなにかあったらすぐに研究室に逃げておいで
アリスは、僕が守ってあげるよ」
と 笑いながらセラお兄様はポンと優しく私の頭に手を置いた
ヴィユンディ侯爵家を出発して3日目の朝 キャラウェイ公爵邸に到着した
懐かしい公爵家に到着するとおじ様おばさまそしてアイリーン エレンも出迎えてくれた
おばさまとおじさまに抱きしめられた後、アイリーンが少し目を潤ませながら抱きしめてくれた
その様子を私の後ろでセラお兄様が微笑ましいように見つめていた
「セラお兄様 お久しぶりでございます」あわててアイリーンが挨拶する
「アイリーン、アカデミーでも時々顔を合わせるじゃないか 堅苦しい挨拶はしなくてもいいよ」
「あ・・・・・」
恥ずかしそうに顔を赤らめるアイリーン
え?アイリーンってこんな感じだったけ やっぱり婚約者がいると変わるのかな
そういえばこの5年ですごく綺麗になってすごく大人っぽくなっている
「休暇の間変わりなかった?」
とセラお兄様が問いかけると
「あ、それが・・・・・詳しくは、また後程お二人ともお疲れでしょうし少し休まれてから」
そういう話をしながらアイリーンとアイリーンだけでなく公爵夫妻の表情までが雲った
少し休んだ後 昼食時に公爵様からその内容は伝えられた
「実はね、光の魔力を持つ聖女が現れたんだ」
「聖女ですか・・・・・」セラお兄様が半信半疑の様子で尋ねる
「ハニーライド男爵家の次男の娘が両親が亡くなったとのことで引き取られたのだが彼女が光の魔力は発現し奇跡を起こしたという話が噂になっている」
「奇跡というのはどういうものでしょうか」
「実は第一王子フェリックス様が先日猟場で落馬された際に右足を大怪我をされていたのだが、たまたまそこにいた彼女の名前は、マリアというのだがその場で怪我を治されたらしい」
「たまたまですか・・・・・」
「そのマリアという方はどんな方なのですか」
「アリス、君と同じ歳でプラチナブロンドの髪にエメラルドグリーンの瞳の女の子だ 今回君と同じ学年でアカデミーに入学する」
私と全く同じような女の子
「とにかく彼女には気をつけて・・・・・」
普段そのようなことを言わないアイリーンが珍しく私にそう忠告してくれた
2日後にはいよいよアカデミーの寮に入寮4日後には入学式
新しい生活が始まるがどうも少し雲行きが怪しいから本当に注意しないと・・・・・
そう思いながら、公爵家に帰ってきてから一番行きたかった場所である 離れの家へと向かった
鍵をあけ、家に入るやはり綺麗に掃除されている2階にあがりウィルと過ごした図書館の部屋の鍵を開けると床に一通の封筒が落ちていた
真っ白な封筒の封蝋をはがすと少しくせのある懐かしい文字が目に飛び込んできた
「おかえり、アリス この手紙を見つけたという事は、アカデミー入学の為に帰ってきたのかな 。
アリスアカデミー入学おめでとう。
君は、何にも囚われず自由に自分のやりたい事を見つけてまっすぐに進んで行ってほしい
君の明るい笑顔 物怖じしないところ
それでいて実は繊細で 怖がりなところ
そして、優しい君、全部大好きだ
離れていてもずっと君の幸せを思っている
俺は、元気だ 今はやらないといけない目標に向かっている
手紙 だせなくてごめん 受け取ることもできなくてごめん
またいつか会える日を…… それだけを楽しみにしている
ウィル」
ウィル…… ずるいよ 自分だけ……
私もウィルに伝えたい事いっぱいあるのに
ウィル この家にきたんだね
もう、不法侵入だよウィル
くせは、残ってるけど字が綺麗になってる
と涙を沢山流しながら手紙を抱きしめて笑った
ウィル 私も大好きだよ
いつも貴方を思っている
わたし新しい生活へまた進んでいくよ




