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魅了の力は封印するのでお姉様!ざまあ展開はご遠慮します!  作者: 瑠璃
第一部 第一章 Start over

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ヴィユンディ侯爵家

 あの嵐のような夜から5年近くの時間が過ぎた

 私は、もうすぐで16歳

 ウィルと別れたあの夜の翌日早朝に私もヴィユンディ侯爵家の領地へと向かった

 領地は、この王国の最南端にある為、王都から3日程かかって到着した


 広大なぶどう畑が広がり大きな港もある

他の領地は、もちろん他国とも交流があるため市場には、私が今までみたことのない珍しい食べ物や見た事もないような物で溢れている


 ヴィユンディ侯爵家には、先代の領主様と夫人そして2人の息子がいる

 長男で28歳のシュリティ·ヴィユンディ侯爵が現在の侯爵様であり、今は、奥様と王都のヴィユンディ侯爵邸に住んでいる


 歳の離れた次男、もう少しで18歳になるセラ·ヴィユンディは、アカデミーの3年になる

彼は私がヴィユンディ侯爵家に来た時はまだ領地にいてとても優しく勉強を教えてくれたり、領地のあちらこちらを遊びに連れて行ってくれ本当の妹のようにかわいがってくれた

私も彼を兄の様に慕うようになっていた


 前ヴィユンディ侯爵様 アクセル様は、この国の将軍であった方でブラウンの髪にブラウンの瞳

今でも騎士団の鍛錬にでておりアクセル様の大きな笑い声が演習場だけでなく邸内に響き渡っている


 アクセル様の髪色と瞳の色そして大きな笑い声 なぜかウィルを思い出してしまう


 前侯爵夫人のシェリー様は、とても穏やかだがユーモアがある女性だ。


 私の作法の先生でもある (はっきり言って、人が変わった様に凄くきびしくなる)

そればかりか領地経営の事などありとあらゆる事を惜しみなく厳しく教えてくださる

 いつも笑顔を絶やさない夫人だが、時折 ある部屋にはいり、大きな家族肖像画を見て泣いている姿をみてしまった。


 黒髪に赤い瞳の男性と男の子 夫人と同じ薄いピンク色の髪にブラウンの瞳の女性

 そう、亡くなった前王妃様は、ヴィユンディ侯爵家の娘だったのだ


 前侯爵夫妻は 私初めて会った瞬間

「私たちのことはおじい様おばあさまと呼んでほしい」と仰ってくださった

 私の髪色と瞳が前王妃様と同じだからかもしれない 

 セラお兄様も私と同じ色だから領地でも兄妹とよく間違えられてしまう

 今の私の色は本当の色ではないから、少し罪悪感を感じるが 今はヴィユンディ侯爵家の好意に甘えることにした。


 この3年間本当の孫のようにかわいがってもらい、使用人や領地の人達も優しくて みんな「姫様」と呼んで私をかわいがってくれた


 ぶどうの収穫祭り 、港町の市場それ以外にも数え切れない楽しい思い出ばかりだ

 5年間もここで暮らして育てていただき沢山のことを教育してもらった

 侯爵家の方が長く住んでいるせいかおじ様とおば様には申し訳ないが侯爵家が自分の家のように感じてしまう事がある

 でも、キャラウェイ公爵家のおじ様とおば様もいつもお忙しいのにお手紙をくださったりプレゼントを送ってくださったりして気にかけてくださっていた。

 

 侯爵家は、自然にも囲まれていた

 広大な自然に接することで契約する精霊も増え現在は全属性の精霊と契約することができ、全属性の魔法が使えるようになり、私自身も魔法の訓練に励んだ

 そして私と契約し仕える聖獣もいる フェンリルのロイだ。

 ロイは、北部に旅行中に出会ったのだがその出会いの話は、またつぎに……ね。


 侯爵家の近くにある森は、精霊達の住む森でもあるが薬になる素材が沢山あった

 精霊達が、どの素材がどういったものかを教えてくれる


 こちらに少し持ってきた両親の残した研究資料や本をみながら勉強をし簡単な薬もつくれるようになったが、知りたいことはもっとある

あの公爵家の離れの両親と住んだ家にある本達を早く読みたい


 精霊王とはあれから一度だけ 

ヴィユンディ侯爵家にきて間がない大きな満月の夜に私の部屋に来てくれた


「やあ、アリスご機嫌はいかがかな」

 いつものように優しくふわっと話はじめる


「精霊王様! ご機嫌も何もあれからウィルとも離れ離れになって・・・・・・

 そうだウィルの様子わかります? 

エリィに手紙を渡しても最初は届いたり返事があったのに今は連絡が途絶えてしまって」

 私は、ついつい前のめり話をはじめてしまったのだが

 精霊王様は、ふっと優しくわらったあとまたゆっくり話し始めた


「ああ、あの子ね そうね、元気だよ 

まあ、色々苦労はしてるみたいだけど彼にとっては必要なことだからね」


「元気ならよかった、でも苦労しているって・・・・・・」


「心配することない

彼なら乗り越えられる程度のものさ 

 アリス君の周囲も人もどんどん変わってしまうだろうが本質は変わらない 

 自分にとって大切なものとよく向き合ってその瞳でよくみて見極めるんだ

 決して、道を違えないようにね」


「わかりました」


「じゃあ、またね」とまたいつでも会いにくるかのように精霊王は消えてしまった


 姿は見せないけど私のこともウィルのことも見守ってくれているんだな きっと


 そんなことを考えていると外から賑やかな声がする

 ああ、そうか今日はセラお兄様がアカデミーから休暇で帰ってくる

 休暇が終わると今度は私も入学のためセラお兄様と一緒にアカデミーに行くことになる


 最後の夜、おじい様とおばあ様に抱きしめられた

「アリス、本当にあなたがきてくれてこの家に光が溢れたの ありがとう

 愛しているわアリス

貴女はどこに行っても恥ずかしくない最高のレディに育ったわ

いつも自信を持って前に進むのよ」


「アリス、どこにいても私達は、君の祖父と祖母だ わかったな

  何かあればすぐに私達を頼ってくれ」



「おじい様、おばあ様ありがとうございます。長い間本当に沢山の愛情をありがとうございます。私もおふたりの事愛しています」

 ふたりとのお別れは、辛いけど前に進まなきゃ、逃げてはいけない

 いよいよ、アカデミーへ 

ここからが本番 決して道を違えない 








お読みいただきありがとうございます

次回からは第2章アカデミー編となります

よろしくお願い致します

次回の更新は10月9日10時10分の予定です

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