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魅了の力は封印するのでお姉様!ざまあ展開はご遠慮します!  作者: 瑠璃
第一部 第一章 Start over

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突然の別れ

 本邸に帰るとちょっとした事件が起こったあとであった

 フェリックス王子が突然先触れもなく公爵邸にやってきたのである

 アイリーンに会いに来たという建前だがどうも、お茶会を欠席しまくっている私に会いにきたようだ

 公爵様もアイリーンも王城に行って不在のため(わざわざその時を狙ってきたようだ)

 ラッキーな事に私も一日中図書館にいたため公爵夫人が遅くまで対応してくださっていた


「アリス、離れのお家にいてくれて本当に良かったわ」


「おば様、お疲れになったでしょう 」

 ソファに掛けながら話ているとおじ様とアイリーンが帰ってきた


「サラ、お疲れ様 大変だったようだね」

とおじ様がおば様にキスをする

 キャラウェイ兄弟は、本当に奥さんが大好きなのが共通点である


「アリス、アイリーンも座ってくれ

 早速で申し訳ないが以前から考えていたのだがアリスがアカデミーに入学するまでの間私達が懇意にして頂いているヴィユンディ侯爵家に身を寄せるのはどうだろうかと思う

 アリスも静かに暮らしたいと言っていたのもあるのだが、実は現在の国王とアリスの両親とは色々とあってだな

ヴィユンディ侯爵家なら、王家も手出しできない

 アカデミーに入学すると寮に入るわけだしアカデミーには、王家であっても手が及ぶこともないし、アリスが卒業するまでには私も手をうつことがあるから

 私を信じてヴィユンディ侯爵家へいってもらえないか」


「ヴィユンディ侯爵家」


 その名前を聞いて今まで表情を変えることのなかったアイリーンの表情が変わった


「それは、アリスがセラお兄様の婚約者になるのですか! 」


 アイリーンが声を荒らげた

 アイリーンが、声を荒らげた事にその場にいた者がみんな驚いた


 すかさず、おば様がアイリーンに優しく言った

「ちがうわ、アイリーン あくまでも病気療養でということでお世話になるの 何より、 ヴィユンディ侯爵家なら王家は手出しできないし、侯爵夫人からアリスも色々教育して頂ける わ

なんといっても私達が一番信頼している家門ですもの」


「アリス、急だけど明日の朝ヴィユンディ侯爵家へ出発しては、どうかしら 最南端にある領地なのだけど港がある素敵なところよ

皆様いい方ばかりだから安心して」


「あ!おば様、私ウィルに…… ウィルともお別れも話もできていないんです」


「アリス……

それがウィルも、実はもう親戚の領地に旅立っているんだ」


「え!うそ さっきまた明日会おうと別れたばかりなのに 」


「ウィルも急だが副団長のリックと共にすでに公爵邸を離れているはずだ」


「まだ間に合いますよね」

 私は、席を立ち走って正門まで駆けていった。おじ様達が何か叫んでいたが、私には届かなかった。


 ウィル、どうか間に合って

せめてひとめ、ひと言でもいいから言葉を交わしたい

 その思いでいっぱいだった


 公爵邸の正門をでると遠くにウィルが乗っていると思われる馬車がみえた


「お願い!エリィ ウィルの馬車をとめて! ウィルをとめて 私の声をとどけて」


 私がそう叫ぶと青い光が浮かび上がり大きな鳥なり風となり馬車のもとに一瞬にして飛んでいき包み込んだ

 遠くの馬車がとまり、馬車から誰かが降りて私の方に走ってきた

 ウィルだ!ウィルは、懸命に走って駆け寄ってきてくれ私を抱きしめた


「アリス!アリス!」


「ウィル!私ね、私も明日南へいくの 離れてもエリィやフィルが手紙届けてくれるよね、また会えるよね」


「ああ、アリスきっと 絶対また会おう 俺それまでに強くなるから」

 お互いに抱きしめ合いそして両手で相手の顔を包み込みそう確かめあった


 ウィルは、赤い石のついたネックレスを自分の首から外し私につけてくれた

「アリス、お守りだ 俺だと思って」


「じゃあ私は」と右手薬指のあの指輪を外してウィルの右手の薬指にはめた

 指輪は、ウィルの指の太さに変化するとキラリと輝いた


「アリスだめだ、大切なものだろう」


「ウィルもきっとこのネックレス大切なものでしょ?きっと また逢う日まで大切にもっていましょう」


 そういうとまたウィルが私をだきしめた


「ウィル少しの間に随分背が大きくなったね 次会う時は、もっと大きくなってるね」


「ああ、きっとアリスがわからないくらい大きくなっているさ」


 馬車の方からリックがウィルを呼ぶ声がする


 わたしも後ろから公爵家の馬車が追いかけてきた


「アリス またな」


 ウィルが何度も振り返りながらリック師匠の方へと走っていく

 その姿を涙をぬぐうことなく私は、みつめていた


 ついさっきまで、一緒に精霊王にあってたのに、 どうして?

 フェリックスが急に来ただけではこんな事になるはずがない一体なにが自分達に起こったのか

 何も分からないまま、ただ言われたとおりにするしかなかった。

 私達は、まだ何もできない子供なのだから



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