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30話 次に進む!

す、すすめなきゃ \(゜ロ\)(/ロ゜)/

 

【闘技】

 剣や槍などを始めとした近接戦闘時に使える技の総称。

 攻撃時に使用し、威力を増大させる技や防御時に追加効果を発生させる等、アクティブタイプの闘技が主体。

 また瞬間的に肉体能力を向上させる技や身に付けたスタイル、受けたダメージから学習的に覚えるパッシブタイプの闘技もある。

 

 

 闘技と言っても色々あるんだ。さて闘気練精は

 

【闘気練精】

 己の肉体に受けたダメージを蓄積し、熟練レベルに応じた倍率で変換することが出来るようになり、次に攻撃する際に解放することで、変換したダメージを乗せた強力な一撃を放つ事が出来る。

(蓄積はパッシブ、解放はアクティブ扱いになります)

 

「『蓄積したダメージをパワーに変換し、強力な一撃を放つ技』だって」

「ぶっ! なにそれ、マゾに目覚めたリアにしか使えない技じゃない?」

「だ、誰もマゾに目覚めてなんていませんから!」

 

 なんだかあらぬ誤解を受けてるし。でも、これだけ成長してると素直に嬉しい! 痛い目みた甲斐がありましたよ……

 

 

「さて今日はもうログアウトするけどリアは?」

「あー、わたしもログアウトするよ、本当に何か食べたいし」

 今からこっちで何か作ろうと思うほど気力もないし。ただ、何か忘れているような気もするけど……

 

「お! じゃあ現実(リアル)でもご相伴に」

「はぁ、しょうがないなぁ。簡単なものしか作らないけど?」

 二人分だと何かあったかな?ま、良いっか。

 


―――◇―――◇―――


 

「うっわぁ……なにこのダルさ……」


 ログアウトすると、今までとは違う疲労感が全身で感じられた。

 いつもはどちらかというと局所的な疲れを感じていたので、今全身で感じている疲労感は慣れないというか、違和感というか……

 

 

 ピンポーン

 

 

「早っ」

 枕元に置いてある携帯端末(ポータブルデバイス)には、玄関のカメラに映る那緒が手を振っていた。

 

『ちょっと待って』

 携帯端末(ポータブルデバイス)から集中操作(ハウスコントロール)アプリを通じ、ドアロックを解錠する。

 

 

 ガチャ

 

 

『カギ開けたから入って』

『はーい。そうそう、あとで要っちも来るって。家誰もいないからご飯所望してたよ』

 

 お、おう。

 二人分も三人分も作るならあんまり変わらないからいいけど……

 

 

 とりあえずパスタを茹ではじめてっと。

 ニンニクと赤唐辛子を輪切りにして、オリーブ油を入れたフライパンでじっくりゆっくり炒める。

 良い色になったら二つとも取り出して、そこへ茹で汁を少し入れてから、湯だったパスタも投入!

 

 冷凍の唐揚げを温めて、パスタを逃がしたフライパンへ少量のオリーブ油と、さっき炒めたニンニクと赤唐辛子が入った中へいっしょに入れてから、最後にニンニクの匂いが染み付いたパスタを入れて和えたら完成!

 

「匂いだけでお腹が空きます」

「ちょっ、那緒ヨダレヨダレ!」

 

 暫くしてから要さんも来たので三人でパスタ。

 一応五人分ぐらい作ったはずなのに、すっかり完食してしまいました。

 

 

「やっぱり阿里沙が作るご飯は美味しいよね、ゲームでも現実(リアル)でも」

「誉めてもなんにもでないよ~」

「でも美味しいのは事実よ、生徒会の雑務が長引いて、夕食豚まんしか食べる暇なかったから助かったわ……早く復帰しやがれ生徒会長め」

「お、お疲れさまです」

 

 その後、要さんがお土産でもってきたアイス(このあたりが要さん、那緒にはできない)をリビングで食べながらPAWの話へ。

 

 

「おっ、やっと戦闘スキル覚えたのね。タイミングばっちり!」

「タイミング?」

 何かあったっけ?

 

「以前に話した西の森の件覚えてない?」

「あ、スポアが大量発生でしたっけ」

 あれがなくならないと、良質な魔物肉が市場に流通しないのよね。

 

「そそ、あれから進展というか西のボス狩りに行ったパーティが見事に全滅して強制戻り(デッドマーク)したんだけどさ」

「うわぁ、あんな痛い思いを全員したんだ……」

「よっ!痛みに強い阿里沙!」

「それ誉め言葉じゃないよねぇ……パスタ返せ」

 まったく。

 

「あー話続けるわよ」

「「すみません」」

 

「で、強制戻り(デッドマーク)したメンバーから情報買ったら、どうやらボスが複数いるパターンのようで、こっちも複数パーティ揃えて行った方がいいって事になったのよ」

「なんだか厄介な話ですね」

 

 まともに街の外に出てないからよくわかってはいないけど、よくあるゲームならボスって大抵一体しかいないと思うから、複数いるってかなりイレギュラーじゃないかなぁ。

 

「初期村の近くで高レベルの魔物が巣食っているのも例外的に感じるから、かなりのイレギュラーと考えた方が良さそうね」

「ガッツリ戦いたい気分だから暴れるよ~」

 

 那緒は相変わらずヤル気マンマンだなぁ、もしかしたら前より気合い入ってる!?

 

 

「とりあえずウチのクランメンバーと同盟クランに声をかけてあるけど、出てくる魔物が毒されてるから回復役はいくらいても助かるの」

「そこで阿里沙の出番ってことだね~」

 なるほど。

 

「回復ならキュアポイズンあるから大丈夫ですけど、MPが足りるかが気になるところですね」

「ま、阿里沙はパーティ同行じゃなく、中継地(ベース)での補助をお願いする予定だから、待機重視で回復率を上げる方向でやれば大丈夫だと思うわ」

 

 とにかく自分にできる役割があるならそれをこなすだけかな。

 

「いつボス退治に?」

「週末の土曜夜に行く予定だから、あっちの日付だと三日後かな」

 三日後か、ダレスさんに言って予定調整してもらわないと。予定……予定、何か予定があったような?

 

 

『貴様一人改めて明日の夜に来るがよい、いやそちらの世界に合わせたら三日後かの、予定を空けておけ』

 

 

『!』

 

 

「ヤバっ、完全に忘れてた!」

「どったの?」

 

 どどどどうしよう!?

 え~っと今が23時だからログインしたらギリギリ約束の今日に間に合う!

 

「要さん、那緒、ちょっとゴメン!少しだけログインしてくる!」

「あ、うん」

「いてら~」

 

 わたしは二人をリビングに残し自分の部屋に戻ると急いでPAWへログインする。


『遅い!とか言われたらどうしよう……』

 


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