すてーたす
「本当に!お見苦しいものをお見せしました!!僕、このステージで遊ぶようになってから一度もプレイヤーに会ったことがなかったものなのでつい...」
立ち上がったかと思うとすぐにペコペコし始める彼を見て、アザトースにはいまいち彼が何に謝っているのかよくわからなかった。対象が自分であることはわかっていたが、自分に謝罪する理由がない。むしろ彼は自分を助けてくれたのだ。混沌の邪神なら平身低頭するのは納得できるとはいえ、今のアザトースはヒトの化身。ニャルラトホテプ謹製のこの姿を恐れられることなどないはずだ。とにかくアザトースは話題を変えることにした。
「...コウタにしつもん。どうして、さっきまで「おれ」だったのにいまは「ぼく」なの?...もしかして「にじゅーじんかく」なの?」
「うっ...そ、それはですね、はい。何というかそのー...ロールプレイをしていたんです。はい」
「.........ろーるぷれい?」
欠片も理解していない様子のアザトースを見て、コウタは辿々しくもロールプレイについて説明し始めた。説明は上手とはいえなかったが、何とかロールプレイの概念を知らないヒトに理解してもらおうと彼なりに考えている様子が見てとれた。
「何ていえばいいのかな...ロールプレイってのは自分の作り出したキャラクターに合わせた演技をして世界に溶け込む、みたいな感じです。僕はさっきまで「絶対的力を持つ孤高の俺様系剣士」をやっていたんですけど...言葉にすると我ながら恥ずかしいですね...。もしかしてゲームの用語とかあんまりわからない感じですか?」
「...いぐざくとりー。...つまりききたいことはまだあるの」
その言葉を聞くなりコウタがビクッと震えたが、アザトースはあまり気にせず質問を続けた。さっきまでの彼の行動とは関係のないことを聞くつもりだったからだ。
「...わたし、あのヒキガエルにまじゅつをつかおうとした。......でもうまくでなかった。なんでかわかる?」
しばし考え込むようなそぶりを見せた後、コウタはおもむろに口を開いた。
「魔法を使用しようとして発動しなかった、ということですよね?「オグハの眷属長」は妨害系の能力を持っているわけでは無いので、多分MP切れですね。残りMPはステータス画面から見れますよ。......左手首が紫に腫れているじゃ無いですか?その中に赤い部分があるのですけれど、そこ押してみてください」
「...はい」
言われた通りにアザトースが左手首を押すと、ブニッとした触感とともに目の前に画面が現れる。画面には自身の名前の他にさまざまな数値が書かれていた。MPの欄をみてみると確かに0になっている。コウタによればMPとはマジックポイントの略称らしい。だったらわざわざ略さずそう表記してくれればいいのにとアザトースは少し思ったが、それよりもひとつ気になるところがある。
「...MPがまじっくぽいんとなのはわかったけど......じゃあ、このSANはどういういみなの?わたし、ここすごくたかいの」
「SANは確かSanityの略...つまり正気度のことですね。モンスターやひどい死体を見た時に減っていって、0になると死んじゃうんです。レベルをあげても変化しないのが特徴で、普通の人は大体60くらいですかね。」
「...たかいほうがいいの?」
「...低いよりはずっといいですけど、あんまりにも高いとチート扱いされますよ。例えば1000超えるとか」
嫌なことを思い出したような雰囲気を漂わせるコウタを見て、他にもいろいろ聞きたいことがあったけどやめた方がいいのかなとアザトースは考えた。
名前:アザトース
レベル:10
教義:なし
所持金:0
HP:30/30
MP:0/30
STM(持久力):10
STR(筋力):10
INT(知性):10
DEX(敏捷性):10
TEC(技量):10
VIT(耐久性):10
SIZ(体格):14
LUC(幸運):10
SAN(正気度):9999/9999
スキル、所持魔法、呪術:なし
頭装備:なし
胴装備:白のワンピース
腰装備:なし
足装備:サンダル
腕装備:なし
右手武器:なし
左手武器:なし
アクセサリー:なし
魔術と魔法はこの世界では異なる意味を持ちます。魔法がゲーム内でしか使えず、魔術は作品世界における現実世界でも使えます。ニンポとジツくらい違います。
追記 1000PV超えました...超感謝!!




