最後の四皇帝 ボゴルドゥ
「滝沢さんなぁ、ボクが空想の世界を彷徨った事で分かった事がるあるねん」川上 新次郎は、いつになく神妙な面持ちで滝沢に語りかけた。
「先生、大変な思いをさせてしまって申し訳ありませんでした」滝沢も川上准教授に吊られるが如く、神妙に返した。
「イヤ、そんなんはどうでもエエんや。この世界内は、言うてもうたらアンタのライバルとも言える、森のクマさんやらが心の中に宿してしもた闇が作り上げた世界や。せやから言う訳やないけど、そのクマさんやらを倒す事を目的にしてしもうても、根本的な解決にはならんやろう。アンタとはそないに長い付き合いとは違うけど、最後の最後はアンタの人を想う心が解決に導く…どうかお願いや!この世界首謀者をアンタの心で救ってやって欲しい。怨み辛みからは何にも生まれへん。どうかクマさんを救ってやってくれへんか?」川上の言葉を聞いて、滝沢は森野との過去のやり取り、関係に想いを馳せた。
「分かっています。森野は私の敵だとは思った事はありません。アイツがいたから今の自分があるんです。森野の考えは分かりませんが、同じゲームプログラマーとして、必ず通ずるものがあるはずなんです。先生!恐らくこれが最後の旅になるでしょう。研究室から見守っていて下さい。それから少しパソコンをお借りして良いですか?」滝沢は川上のパソコンデスクに座り、キーボードを叩き始めた。それを傍から見ていた三人の戦士たちも、互いに顔を見合わせて決意を固めた。
「滝沢さん!それじゃあ最後の聖戦に向かいますか?」
「先輩!アタシも命懸けでサポートしますよ」
「オ…オレだって絶対に可憐さんを助けてみせますから」
こうして四人は、最後の聖戦に旅立った。
再びタイガーストリームの前に立った四人の前に、最後の四皇帝 ボゴルドゥが立ち塞がった。
「貴様ら、良くここまで辿り着いた。それは褒めてやろう。しかし、貴様らの墓場は残念ながらこの地になってしまう事を先に侘びておこう。さぁ!地獄への旅立ちの手助けをして差し上げようぞ!」ボゴルドゥのサンダー・ウェイブが一行を襲った。
「ウグッ!クソッ」続いてウィンド・アタックがヘイグに炸裂した。それによりヘイグは残りのHPが8にまで下がった。
「マックス・ヒーリング」リューショーの全回復呪文でヘイグは持ち直した。
「ヘイグ!クリプトンアックスを掲げて!」スターシャの言葉に、ヘイグが武器を掲げた。
「アース・クェーク!」スターシャはヘイグのクリプトンアックスに土系呪文を帯びさせた。
「ヨッシャー!ありがとよスターシャちゃん!アース・アタック!」ヘイグの土系呪文を帯びた武器が、更に土系の斧攻撃をボゴルドゥに浴びせた。風属性を持つボゴルドゥにとって、かなりの効力があったようだ。
「オール・ヒーリング」続いてフィリップスが全体回復呪文をかけ、全員がHPを持ち直した。
「ぐぬっ、小癪な!アース・クェーク!」ボゴルドゥの土系全体呪文が一行を襲った。これには風系を帯びたフィリップスにとっては大ダメージとなった。
「そら、地獄へ送って差し上げよう。アース・アタック!」ボゴルドゥの土系攻撃がフィリップスを襲う。もはやフィリップスの命はここまでか?
「えーい!仁王立ち!」土系を帯びるヘイグが間に立ち塞がった。ヘイグにとっては多少のダメージを受けたものの、何とか持ち堪えた。
「ヨシ!チャンスだ。ウインド・スラッシュ」リューショーの風系攻撃がボゴルドゥに炸裂した。
「オール・ヒーリング」再びフィリップスが全体回復呪文を唱えた。
「サンダー・ボルテージ!」スターシャの雷系呪文がボゴルドゥを襲う。
「えぇい!クソッ、アイス・シャワー」ボゴルドゥが最後の足掻きを見せた。しかし、もはや1ターンに2回攻撃をする余力は残っていなかった。
「さぁ!全員でとどめを刺すぞ」リューショーの掛け声を切っ掛けに、一行の全力の攻撃がボゴルドゥを襲い、ボゴルドゥは呆気なく消え去った。
「み…皆んな大丈夫か?」
「あぁ、何とか生きてるぜ」
「危なかったね。正直ダメかと思ったよ」
「フッ、ボクのヒーリングが役立って何よりだね」
「皆んな、ブレイブ・エン・ズルァックは使わず、このまま行こう。全員回復をした後、ガイスト・メディシンでMPも全快にしてドルゲマを迎え討つぞ」リューショーが言わなくとも、一行の心は一つだった。
「さぁ!カリン姫、もとい可憐救出への最後の戦いだ」リューショー達は、タイガーストリームの重き扉を押し開けた。




