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変な恋路は犬に食わせろ

「なるほど、それでは今回の新作と今までの作品の違いは、倒すべき敵をモンスターにしている所なんですね」和倉 瞳のインタビュー相手への目線が熱くそそがれていた。

「えっ?まぁ、そうですね。ボクは何にも関わっていないんですけどね」和倉の熱い視線に照れてしまっているのか?後頭部をきながらしどろもどろに答えた。

「それで、次回作の構想についてお聞きしたいんですが、滝沢チーフは今作をもって退かれるとお聞きしました。当然、次の作品の指揮を取られるのは、貴方あなたですよね。弊社での情報でも、そうお聞きしています」何故だか和倉の視線は、益々熱く注がれていた。

「あの…どこ情報か知りませんし、何故、貴女あなたがそんなに熱心にボクにインタビューをするのか分かりませんけど、次のチーフは寺尾さんって決まっていますし、確かにボクは全体の総括的な役割は果たすつもりです。でも、総括するのと、全員を引っ張って行くリーダーとは違うんです。ボクはあくまでもリーダーをサポートする役割に徹するつもりなので、インタビューなら、滝沢さんか寺尾さんにお願いします」たかだか数時間、一緒にゲーム内を旅したからと言って、なんて馴れ馴れしいんだろうと小園は思った。

「そうなんですか?では、好みのって言うか、どんな女性がタイプなんですか?」この、ゲーム雑誌の記者とも思えない質問に、流石の小園も立腹した。

「あのねぇ!ゲームの内容とボクの好きな女性のタイプと何の関係があるって言うんですか?」語気を荒立てた小園の言葉に、和倉はふと、我に返った。

「あっ…ご…ごめんなさい。その…あの…私なんて興味ないですよね」和倉は頬も耳も真っ赤にして答えた。その姿を見て、鈍感な小園でも、やっと和倉が言わんとする所が分かった。

「あのー…別に、なんて言うか…今まで仕事が面白くて、一生懸命やって来て、尊敬出来る上司の元、充実感を感じてやって来たから、考えもしなかったです。その…まぁ、男らしくない言い方と思います。そんな感じで言われたら、第一印象からしたら、全然タイプです。なんて言うか、滝沢さんとの関係もありますし…」しどろもどろの小園の言葉を遮り、和倉が思い切って発した。

「好きです!小園さんが私にじゃないのは分かってますけど、美人だって言ってくれてから意識しちゃって、出会ってそんなに経ってませんけど、大好きです」和倉は精一杯に目を閉じて叫んだ。

「ゴ…ゴメンナサイ!…イヤ、そう言う意味じゃないです。女性に言わせてしまって…ボクも好きです。大好きとまでは言えないかも知れないけど、好きです」変な形で出会った二人が、変な形のパーティを組み、変な恋をしてしまった。まぁ悪くはないのかも知れない。


「オイ!お前ら、いつまでインタビューしてんだ?早く業務に戻ってもらわんと、小園の仕事がまって来てるぞ」普段から何事においてもスマートは滝沢が、この時ばかりは、藪から棒に、人の恋路を邪魔する悪役になってしまった。しかし、会議室に飛び入りしてしまい、二人の様子を見た滝沢は、直ぐに察知し、「おぉ、まぁ、インタビューを受けるのも大事な仕事だしな、もう少し続けてもらってもな…」と言って会議室のドアを閉めてしまった。

会議室に取り残された二人は、顔を見合わせて、笑い合った。

「仕事も溜まってる事だし、続きは今夜のミッションも休みだし、夜にお酒でも飲みながらにしますか?」と小園が照れながら言った。

「ハイ!そうですね。仕事ですもんね」和倉もまた、照れながら返した。

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