四皇帝ゾゲール
「アイス・トルネード!」火の属性を持つフォース五体に対して、スターシャの氷河系マジカルが炸裂した。しかし、土の属性を持つアウクシリア、一体には、全く通用しなかった。
「ヘイグ!頼む!」リューショーの指示により、ヘイグが先頭に立った。
「ウィンド・ストライク!」ヘイグの風属性による剣技により、アウクシリアLv4は一発で倒れた。
「ヨシ!フィリップス、行くぞ!」フィリップスのウィップス(鞭)が、弱った四体のフォースを一層し、残りのフォースをリューショーのアイアンソードが一閃した。
「ヨシ!戦い方はこんな感じだな。スターシャ、大体のコツは掴めたか?」初戦でいきなり大技を繰り出したスターシャに、リューショーは感想を聞いた。
「そうですね…なんか…物足りないって言うか?気分が乗ってなかった気がするっす」少し不満げなスターシャだった。
「そんな事はねぇよ!アンタのアイス・トルネード、凄かったぜ」ヘイグは親指を突き立てて、OKポーズをとった。
「そ…そうかい。まぁアンタがそう言ってくれるなら…もっと頑張るよ!」ヘイグの言葉に何故か元気になるスターシャだった。
そうこうする内にも一行は、アルフレックスの町に辿り着いた。そこにはタイガーストリーム軍の兵士達が、好き放題に暴れ回っていた。
「皆んな!用意は良いか?最終的な標的は、町の中心部にそびえ立つ見張り塔の最上部にいる四皇帝の一人、ゾゲールだ!」リューショーの指令により、四人の戦士達は、バラバラに散り、個々で戦いを進めた。見張り塔内部に入るまでは、そこら中にいる兵士は、ポーンLv1~3程度である為、一人づつでも十分に応戦出来る。そして地上のほぼ総ての兵士を倒した一行は、いざ!塔内部へと入った。
「一応、全員の回復をしておこう。オール・ヒーリング…」フィリップスが全体治癒マジカルを発動させかけた時、リューショーが、それを止めた。
「イヤ!待て、今は一人づつに回復薬で回復しよう。勝負は塔の最上部、五階だ!それまでは、出来るだけMPは温存してくれ。スターシャも攻撃マジカルに頼らず、出来る限りウィップスで応戦して我々の留めを刺す手助けに専念して欲しい。ゾゲール戦で徹底的に暴れてもらうからな」
こうして三階、四階と敵を撃破して行き、ついに一行はゾゲールの前に立ちはだかった。リューショーの見立て通りに、ここまで慎重にレベルアップを図って来た甲斐もあり、HPもMPもほぼ満タン状態での戦いとなった。
「ゾゲールは風属性にだけ抵抗力が弱いはずだ!フィリップス、頼んだぞ!」リューショーの言葉が終わるか終わらないか?の内に、フィリップスはマジカルを発動させていた。
「ウィンド・スプラッシュ!」ゾゲールはフィリップスのマジカル攻撃に半分近くのHPを失った。
「ウィンド・ストライク!」続いてヘイグの剣技が炸裂した。
「次はアタシに任せて!サンダー・ボルテージ!」スターシャのどの属性にも属さない、雷系マジカルが炸裂する。
「ヨシ!留めだ!シルバー・スラッシュ!」最後はリューショーのシルバーソードによる剣技でとどめを刺した。
こうして、いとも容易く四皇帝の一人、ゾゲールを撃破した。
「皆んな!お疲れ!そして、ありがとう。このまま一気に行ってしまいたい所だが、一旦、元の世界に戻ろう。それから、オレが一番に焦りたい気持ちは山々なんだが、明日は休みにしようと思う。この世界にはオレが一番多く来ているんだが、身体は眠っていても、精神的にはかなり疲れも出て来ているはずなんだ。最終決戦には万全の体制で望みたいから、これからは、中一日の日程で進めて行こうと思う」
愛する妻、可憐を一刻も早く救いたい気持ちを押さつつ、自分の我儘に付き合ってもらっている仲間達への思い遣りを見て隠れさせる滝沢だった。




