和倉の本性
「きっと、アッシの嫁は男でも作って、夜な夜な逢い引きを繰り返してるに違ぇねぇんですよ!昨夜も寝た振りをしてるアッシの目を盗んで夜中にこっそりとウチを出て行ったんすから!どうやったらウチの嫁を改心させてアッシの元に取り戻す事が出来るんですかね?スターシャ様!占いの方を宜しくお頼み申します」マッドストックの住人である木こりの男が、スターシャに扮する、和倉 瞳に懇願するように長々と話していた。
それを黙って聞いていたスターシャは、徐々にコメカミに青筋を浮き上がらせて、重い口を開いた。
「アンタなぁ!黙って聞いてりゃ、ウダウダと女々しいんだよ!そんなの、嫁の頬ぺたでも引っ叩いて『オレの女だったら何も言わずに、黙って家を守っていやがれ!』とでも怒鳴ってやりゃあ良いんだよ!」と屈強な木こりを恫喝した。それを聞いた木こりの男は、目を真ん丸くして「へ…へぃ!すいやせん、わかりやした」と言いながらその場から消えるように走り去ってしまった。
「はぁ…リューショーさん、本当にあんなんで良かったんですか?もう少し、スターシャのキャラクターについて説明した上で、スターシャのキャラに近付ける努力をさせた方が良かったんじゃなかったんですか?」近くで和倉、もといスターシャのやり取りを見ていたヘイグは、呆れた感じでリューショーに語りかけた。
「まぁ、少しイメージと違ったが、ゲーム内で重要になるのは、ストーリー展開そのものよりも、バトルの方が大切になって来る。和倉のあの性格が本領を発揮するのはバトルモードになった時さ!楽しみにしてろって」
間もなく四人のパーティが揃い踏み、戦いの旅路へと出かける前に、少しゲーム及び、キャラクターの説明をしておこう。
この先、パーティ達の前には様々な刺客が行く手を阻むべく登場し、四人の戦士達は、それぞれの特性を活かした戦いを繰り広げて行くのだが、主人公のリューショーは、呪文にも武器を使った白兵戦にも強く、万能タイプであり、パーティに指示を与えて、戦いをより優位に進めて行く役割を担う。
ヘイグは呪文は使えない代わりに力が圧倒的に強く、屈強さも飛び抜けていて、四つの属性(火・水・風・土)のどれにも耐性を持っている。その為、前線での戦いが期待出来る。
フィリップスはクールだが、ナルシストな面を持ち、後方から癒しの呪文やパーティ全体のステータスを上げる呪文でサポートする役割を担う。
スターシャも同じく後方からの役割を担うのだが、クールな一面を持ちつつ、強力な四つの属性の呪文を使い分け、敵全体を弱らせる事を得意としている。その為か、スターシャは主人公を、そのクールな頭脳によりサポートするのだが、二人の関係性が先輩、後輩同士な事もあり、イケイケな性格の和倉を、好きに戦わせて、自分がコントロールした方がスターシャの本領をより引き出せると考えた訳だ。
一方で属性にはそれぞれの強弱があり、
火<水<土<風<火…と言う具合になっている。敵兵にも、この属性を持つ者もいる為、上手く弱点を突いて、優位に戦いを進めたい所である。もちろん、自分達が装備する武具にも、属性を持つ物もある為、上手く使い分けなければいけない。
「次は誰だ…?て先輩達じゃないっすか?」スターシャは行列の順序が回って来たリューショー達を見て、驚いた。
「しっ!ここはスターシャっぽく行ってくれ!お前さんが我々の仲間になる重要な場面だ。そのタロットカードと六芒星を使って、適当にやったら、物語は進むはずだ」リューショーはスターシャを窘めるように囁いた。それを聞いたスターシャは言われるがままにタロットカードを混ぜ、一枚づつ表に捲っていった。そして、捲られた六枚のタロットカードと六芒星を見合わせて、目を見開いた。
「ダメだよ!次のアルフレックスからクラウドタウンに行く間に、カウンター達からの奇襲攻撃に合って、全滅させられちゃうよ!カウンターは火の属性を持っているから、火炎のマジカルと風のマジカルしか持たないフィリップスじゃ、不利な戦いは避けられないよ!」スターシャは顔を真っ青にして叫んだ。
「だろ?でも、氷河系マジカルを持つ君なら、どうなる?」リューショーは涼しい顔をして返した。
「決まってんじゃん!そんなのアタシの氷河マジカルで一層だよ!」スターシャはやや、興奮気味に返した。
「じゃあ、君がする事は決まってんだろ?」ストーリーを熟知するリューショーは両腕を組みながら答えた。
「なーんだ!そう言う事!それじゃあ、行きますか?せ・ん・ぱ・い」
こうして遂に四人の選ばれし戦士達が集った。リューショーのレベル40を始めとして、ヘイグが37、フィリップスが33スターシャが初期設定通りの31と戦力も装備も充実させる事が出来た。四人の戦士達はタイガーストリーム王、ドルゲマを討伐すべくマッドストックを旅立った。




