【第10話:安全第一】
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リアルの諸事情でWeb作家としての活動を休止しておりましたが復帰いたしました。
まずはこの『槍使いのドラゴンテイマー』の改訂版を公開&更新していく予定です。
下記に全文改稿&数万字加筆した改訂版を公開しております。
更新は順をおってになりますが、こちらをお読み頂けますようお願いいたします。
https://ncode.syosetu.com/n5238jw/
尚、運営様から旧版を残しても基本問題ないとは確認をしていますが、
読者様が混同する場合は旧版の削除を求める場合があるとも伺っております。
その場合、こちらは削除することになりますのでご了承ください。
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宴の数日後、オレは王城で王様たちと非公式の謁見に臨んでいた。
「申し訳ありません! オレも……いや、私もあそこまで凄いとは思っていなかったので……」
もちろん先日の『女神降臨の光』事件についてだ。
あ、もちろん女神なんて降臨してないぞ……? 世間でそう騒がれているだけだ。
「しかし、コウガたちはいったい私たちを何度驚かされたら気が済むのかしら……?」
今回ばかりはビアンカことゼシカ王女もご立腹のようだ。
なんでも王城から例の光を見て、本気で女神様が降臨したんじゃないかと思って、たいそう興奮したそうだ……。
しかし、転移ですぐ駆け付けれると言うのも、こういう時に簡単に呼び出されるので困ったものだ。
「コウガ……お主反省しておらんだろ……?」
「ハハハハ、そ、そんな事は……」
やっぱりアレン様鋭いな!? しかし、ジルだけでも手一杯なのに、妖精族の暴走まで制御しきれないです……。
「まぁ終わった事だし被害もない。もう良いわ。ところでコウガ……今の報告が事実だとすると、街がもう、たった一月ちょっとで完成したという事になるのだが?」
「あれ? 家庭教師さんから報告行ってないのですか?」
「ん? 儂のところにはそのような報告あがってきておらぬぞ? おい。どうなっている?」
……なんか、隣の質問された文官の人が、青い顔して何やら凄い汗をかいているぞ……。
「そ、それが……も、申し訳ございません!!」
話を聞いてみると、どうやら報告は上がってきていたらしいのだが、あまりにも荒唐無稽な報告が多く、王様まであげていなかったようだ。
気持ちはわかるが、ちょっとお粗末な話だった。
「はぁぁ……もう良い。ただし、コウガの所の情報は、どんな些細なものでも、どんなに信じられないようなものでも儂まであげるように……」
「ははっ! 承知致しました!」
何か微妙に酷い言われようだけど、無事に丸く収まったようで良かった良かった。
「で、コウガよ。何他人事のようにしておる?」
と思ったら、終わって無かったよ……。
「えっと、と言うと……?」
「惚けるでないわ!? 街が一月ほどで完成と言うのはどういう事だ? 既に1000人を超える者の移住が完了しているようだし、部分的に完成といった感じでも無さそうではないか!?」
「そ、そうですね。完成しましたよ?」
「えぇぇぇ!? コウガ! 1000人が住める街がもう完成したんですか?」
ビアンカが驚いているが、ちょっと違うな。
「ビアンカ。1000人は移住してきた獣人族の数で、街は1万人ほどは余裕をもって収容できますよ?」
「「・・・・・・」」
「あと、街を囲う第2城壁と、結構広い耕作地や畜産用の区画、それに周りが魔物がうろつく森なので、それらすべてを囲う第1城壁。それからリルラの精霊の力を借りて城内に……じゃなくて領主館内に水の湧き出る大きな泉。それから騎士団も既に結成しました。あとは獣人族の一部を衛兵として今編成中で、他の者も既に仕事について働いてもらっています」
「「・・・・・・・・・・・・」」
実際には妖精族が協力してくれて諜報部隊も結成されているんだが、そこはちょっと伏せておいた。
「あ。でも、冒険者を招致する予定なので、街道の側以外は魔物は残していますよ」
「待て待て待て待て待て!! 今の報告は本当なのか!?」
「はい? こんな場で嘘をついたりしませんよ。ちなみにもうすぐドアラの街に続く街道まで道も開通予定です。たぶん明日ぐらいには?」
街を作ったままだと孤立して誰もこれないので、街道をジルの竜牙兵とゴーレムの力業で切り開いたのだ。
「か、街道だと……しかも、明日開通……」
「あ。でも、冒険者を招致したいので街道付近の魔物しか討伐していませんよ?」
この後、他の町などにも新しい街の誕生を知らせる告知が出される予定なのだが、その際、冒険者を招致したいので、魔物は狩りつくさないように注意を払っているのだ。
「逆に言えば、街道付近の魔物は既に討伐済みなのね……」
ビアンカが何か凄く呆れかえっているが、人を呼び寄せるのだから街道の安全確保は当たり前の話ではないのだろうか?
「そりゃぁまぁ、街道は安全第一が一番ですから?」
「そういう意味では……まぁ良いわ。コウガたちに私ももっと慣れないといけないわね。……でも、コウガはちょっとジルに似てきたわね……」
最後何かぼそぼそと言ったので聞き取れなかったが、納得してくれたようで良かった。
「コウガよ……今度、視察団を向かわせるからそのつもりでいてくれ……。あと、一月で街を作った事は国の秘匿事項とする。関係者にもその旨徹底しておくように」
「え? は、はい。皆にも伝えておきます」
この後、いくつか報告と質問への回答を繰り返し、こうして王都への呼び出しは終わったのだった……1回目は。
このあと2回目、3回目、4、5、6回目と呼び出しをされるとは、この時のオレに知るすべはなかった。
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飼い主はペットに似るって言いますもんね(´ω`*)(ぎゃく
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