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【旧版】槍使いのドラゴンテイマー Ⅱ ~勇者が暴走したので邪竜で蹴散らしておこうと思う~  作者: こげ丸


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【第9話:幻想的な光景】

 その日の晩、ささやかではあるが街の誕生を祝して宴を開いた。


 場所は白亜の城(領主館)の大きな庭。

 これ以上人が増えればここには入りきらなくなるだろうけど、今の人数なら何とか収容できた。


 飾りつけは妖精族が大好きみたいで、喜んで買って出てくれたので全てお任せする事にした。

 かなり派手な感じの飾りつけだったが、どこか『妖精の呼子(よびこ)亭』を彷彿とさせて少し懐かしかった。


 うちの故郷の者たちが浮くんじゃないかと少し心配したが、3種族とも森の中で暮らしてきた事から共通の話題が結構あるらしく、暮らし方の違いや、自分たちの森ではどうだった、そちらの森では? のような会話があちらこちらから聞こえてきた。

 思ったより早く打ち解けてくれそうで、ほっと一安心だ。


 妖精族は数が多いので全員参加とはいかなかったのだが、残りの妖精たちも妖精界の方で別口でお祭りを開いていたようで、そちらで楽しんでいるようだ。

 それに妖精族は高位妖精以外は魔法音声での会話が出来ないので、今回こちらには高位妖精の数十人だけが参加していた。


「すごい光景……にゃ」


 リリーが感慨深そうに皆が楽しむ様子を眺めていた。


「なんか感傷的になっているね。どうしたんだ?」


 オレが少しおどけながら尋ねると、


「うん。私とルルーは村を出る時は神獣の試練の事があったから、半分死を覚悟していたし……。それが神獣さまに守護して頂いて、こうして新しい街で新しい生活を始めることになるなんて思ってもいなかったなぁって……にゃ」


 切れ長の目をさらに少し細め、嬉しそうにハニカミながら語るリリー。


「里を出る時、リリーが死ぬ覚悟をしているのはわかっていた。だから私が守ると誓いを立ててた。でも……私たちは結局二人ともコウガに救ってもらった。命も心も……にゃ」


 その言葉にルルーに目を向けると、慌てて恥ずかしそうに目を逸らし、オレの肩に寄りかかってきた。


「はいはい! 私もです! 私もコウガ様に救って頂きました!」


 しかし、ここには勿論3人だけでいるわけではない……。

 オレの後ろから果物を取りに行っていたリルラが戻ってくると、背中に飛びつき抱きついてきた。


 そしてまたルルーに引き剥がされるリルラ……。


 なんか最近リルラがルルーに引き剥がされる所までがワンセットになってる気がするな……。


「コウガさんは、みんなに好かれているのね……何だか遅れて出会ったのがちょっと悔しいですね」


 リリーとルルー、そしてリルラがわいわい騒いでいる所にどう入って良いかわからないようで、ヴィーヴルが少し寂しそうにそう呟く。


「遅くなんてないさ。これからはヴィーヴルも同じパーティーの一員なんだ」


「そ、そうよね!」


 少しいつもの調子を取り戻したヴィーヴルは、そう言うと「ちょっと飲み物を取ってくる」と言って走っていった。

 ちょっと恥ずかしかったのかもしれないなと、そう思いながら後ろ姿を見送っていると、広場の一角が急に賑やかになる。


「ん? なんだ?」


 そう思って目を向けると、高位妖精の『セイル』が中心となって何かをし始めたようだ。


≪はいは~い! みなさん、ちゅうも~く!≫


 そう言うと、他の高位妖精も集まってきて、整列して可愛らしくお辞儀をする。


≪え~! それでは僭越ながら、この高位妖精の私たちから皆様にちょっとしたプレゼントをお送りしたいと思いま~す!≫


 そしてセイルがそう高らかに宣言すると、凄い魔力の高まりと共に、宴を開いている庭を埋め尽くすほどの綺麗な光の玉が浮かび上がる。


「うわぁ♪ 凄い綺麗です♪」


 リルラがその光景に感嘆の声をあげる。

 いや、リルラだけではないな。宴に参加している皆が感嘆の声をあげて、その幻想的な光景に息を飲んでいた。


 そしてセイルたちがお互いに何か合図を送りあうと、その光の玉がふわふわと舞いながら、様々な色に変化していく。


「「凄い綺麗です……にゃ」」


「本当に……私こんなの初めて見たわ……」


 うちの女子力高めの3人も、その幻想的な光景にすっかり魅了されているようだ。


≪さぁ~♪ それではいっきますよ~!≫


 セイルのその掛け声に、他の妖精たちが頷くと、先ほどまでに増して魔力が高まっていく。


「だ、大丈夫だよな……?」


 若干心配になるオレをよそに、周りは大盛り上がりだ。

 そしてその歓声にこたえるように光の玉が膨れ上がると、一気に夜空を駆け上っていく。


「うわっ……しかし、これは凄いな……」


 オレの心配を上回る幻想的な絶景が広がっていた。


 光の帯をひきながら無数の光の玉が大空まで舞い上がると、前世で見た花火大会のフィナーレが霞むほどの光の奔流が、大空を埋め尽くしていく。


「「「「………オォォォ!!!」」」」


 これにはオレも含めて皆が大興奮だった。


 割れんばかりの歓声と拍手が巻き起こり、こうして宴は大盛況のうちに幕を閉じる事となった。


 ~


 後日、トリアデン王国を超え、アデリア大陸中から見えたと言う夜空に溢れる光の奔流は、大陸中を騒がす大事件になったのを付け加えておく。


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綺麗に終われないのが槍ドラ( 〃ω〃)੭ꠥ⁾⁾ ジタバタ


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