目的
最初は王子。その後はアオイです。
内戦から1か月が経ち新体制移行のために王城は騒がしい。
しかし同じ王城でも一か所だけは静けさが支配していた。
王城東塔。
5階層のこの塔は普段は無人だが今は内戦の主要人物が幽閉されていた。
「暇だね」
塔の最上階。
石で造られた殺風景な部屋。
そこのベットに寝そべっている人物は気が抜けた様な声をあげた。
「それにしてもこの国はどうなるんだろうか。おそらく宰相にはマリオ伯、将軍職にはブレイダー元将軍が就くだろうけど支えきれるだろうか・・・・」
脳裏にそれぞれの特徴と顔を思い浮かべてゆく。
外交のみならず政策にも通ずるマリオ伯。
その独特な戦術と突出した武で先代の王に重用されたブレイダー将軍。
「・・・無理だな。この後の国を背負うのがあの女なのだから・・・だが・・彼が加れば未知数になるな」
彼。
マリオ伯が帝国より連れてきた異世界人。
この国に来た時にいきなり宰相に喧嘩を売った彼を忘れることは出来ない。
「まあ、処刑が決まっている人間が考える事ではないな」
少し自虐的な笑みを浮かべ、目を閉じようとしたときこの部屋にあるただ一つの扉が開いた。
「失礼します」
そう言いながら先頭に立っている女性がお辞儀をした。後にいる方は何もしてはいない。
「・・・ミリアと異世界の者、確か名前はアオイ・エドガワだったね」
★
東棟最上階の扉を開けると目的の人物はそこにいた。
リスシオ・イニエスタ。
今回の反乱の首謀者兼イニエスタ王国元王子で処刑を目前に控えた男。
(会うのはこの国に俺が来た時以来。しっかしイケメンだよな~)
つくずくこの国にいる者の顔の良さにあきれてしまう。
決してうらやましいとか思ってはいない。ただイケメン早くクタバレと思ってるだけだ。
「面会人は久々でね。こんな格好で申し訳ない」
そういいながらベットから降りるがその様も絵になっている。
そして自らの死が近いにも関わらず表情はとても穏やかだ。
まるでこの世に未練がないような、自らの使命を達成したような顔をしている。
「それで要件は何だい。君たちとはそんな関わりが無かったから検討がつかない」
「今回はこのアオイ・エドガワが殿下「殿下はやめてくれ。もう違うから」・・・失礼しました。えーではあなた様にお話があるという事でやってまいりました」
「ほう、君が?」
「ええ。今回の反乱の目的について少し話がありまして」
「・・何を言っているんだい?今回の目的は私が王の座を狙ったという単純なことじゃないか」
「いいえ。それは表向きの目的であって真の目的ではない」
「・・・・・・」
「今回の反乱の真の目的は四公家の権力失墜と祖父にあたるミニシタ・べリスクの死。そしてこの目的を成すために、前国王及び王女派のマリオ伯爵と共謀していたんじゃありません?」




