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拾いのち

 どしゃぶり雨、下校道。公園の草むらをよりみちすると、ネコを見つけた。そいつはダンボールの中でぐったりしてて、ふみつぶされた虫みたいになっていた。それでも私がひょっこりのぞきこむと、うすい目をあけて必死ににゃーにゃ―鳴いていた。


 雨つぶが、黄色いアマガッパをたたいて音を鳴らす。それにまぎれて、色んな毛の色がまじったネコの声が、とぎれず私の耳にながれてくる。


 ――こいつは、私にたすけてほしいんだ――


 私はランドセルをあけた。算数とか国語の教科書が入ってて、体操服も入っている。一番大きくてじゃまだった体操服をぬきだして、空いたすきまにネコをいれた。


 ランドセルをしめると、雨がまたはげしくなった。あたりはまっ暗な夜になって、公園のライトが光りだしている。


 私はスクっと立ちあがった。なるべくいそいで歩いて、私の家のマンションにむかった。――きっとお母さんは、またおこごとを言ってくるだろう。それでも私は、はやくネコをあたたかい場所へつれていってやりたかった。


 ランドセルの中のネコは、ねむったようにもう鳴かなくなっている。それでも私は、あの必死なネコの鳴き声が耳からはなれなくなっていた。


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