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怪盗K  作者: Yuyu
9/17

カス途方に暮れる

スーパーカブは最強

前回街に向かっていた逆の方向に小次郎は向かっていた


まぁ、折り鶴の飛んでいった方向がそっちだっただけだが


それから、スーパーカブで走ること3時間が経った


途中何度も休憩したが、だいぶ遠くまで来た感じはする


「あーケツ痛ってぇ」


やっと新しい街の近くまで来ていた俺は、お尻をさすりながら悶えていた


その原因は舗装されていない道を長時間スーパーカブで走っていたせいだ


「あー、あのときの馬車よりはだいぶマシだけど、日本とは違ってマジでガタガタなんだもんなぁ」


いてて、としながらも回復役を見つけたらこの痛みもしなくて済むだろうと考えていた


そう3時間も舗装されていない道を走ったおかげで、やっと折り鶴がここに聖女の魔導書の適合者を見つけたことを示していた


もう少しで付与の効力が切れるかといったときに、折り鶴が点滅し始めたのだ


この点滅は適合者が近くにいたら、こうなるように設定しておいた


「ふぅ、意外と早かったなぁ。最初の街よりかは小さそうだけど結構賑わっていそうだな」


目の前の街は、賑やかというよりは下品な雰囲気がしている


こんな街にいる聖女ってどんな奴だよと思いながらも目的の者はすぐ近くにいるのだ、今度は折り鶴を手に持って、スーパーカブを運転していく


門のところでは、兵士がいて持ち物検査を一人一人しているが、結構適当にやっている感じがした


門を通る奴はみんなどこかかしらカタギじゃないような雰囲気を放っている


そして、街に入っても夜のお店関係の客引きやそれを使用するもの達が多いこと多いこと


「最初の街から2つしか街を挟んでいないんだぞ。それなのにこんな雰囲気が変わるもんなのか」


最初の街はお手本通りの異世界の街って感じだった。2つ目の街は学生っぽいのが多い街で、3つ目は商売人が多く最も多く最も活気があった街だった


そしてこの街はいわゆる大人のための街って感じだった


夜のお店が多く、あきらかに犯罪の一つや二つはやっていそうな輩が多い


本当に聖女いんのかよと思いつつも、スーパーカブをポーチにしまいつつ、大通りを進んでいく


歩くたびに、まだ昼だというのに、エッチな格好のお姉さんが客引きをしている


そこにだらしない顔をした男たちや酔っぱらった男たちが光に集まる虫のようにお姉さんと一緒に店の中へと入っていく


俺はいいなぁと思いつつも、性病とかやばそうだなぁと考えていた


ーーーー


歩いていくこと10分、怪しい雰囲気をしていたお店の場所を抜けて並んでいる家々がボロくなっている区域に入ると、手に持っていた折り鶴の点滅が大きくなった


折り鶴から目線を前に向けると、そこには他よりもさらにボロくなっている家、家?があった


建っているのが不思議なくらいボロボロの建物がそこにはあって、俺は本当にここに聖女の魔導書の適合者がいるのか?と内心思っていた


そう考えながらも、鍵が掛かっていていない扉を開けて、入っていくとそこにはガリガリに痩せた女性が貧相なベッドで寝ていた


その女性は見たところ、20代から30歳くらいであって、健康であったならばさぞ美人であっただろう外見をしている


最初に目に入って思った第一印象はそれだったが、次に思ったのは臭いだった


この世界はどこも一定に臭いが厳しいが、中でもここは臭い


例えると、何年も身体を洗っていない野良犬の臭いにプラス排泄物がそのままにしてあるような臭いもするのだ


原因はまぁ、目の前の女性ではあるだろう


この女性がピンクの魔導書の適合者である可能性は強いが、あまりにもな惨状に俺はどうしようかと途方に暮れた


ーーーー


私の名前は、ジュリア、ただの田舎の村で農家の娘として生まれた平民だった


私が生まれた村は毎年死者が出てしまうくらいには貧しいところだった


私は両親と姉、兄、弟、そして私の6人家族で貧しくとも何とか暮らしていた


毎日毎日、家族総出で畑の農作業や開墾をしていて、休む時間なんてないくらい働いていた


なんでこんな両親は子供を産んだのよと思いもしていたが、成長するにつれて、夜は暇なことが多く、やることがないってことはそりゃヤッちゃうよねとわかってきた


そんな日々を過ごしていると、ある日、徴税官が村に来たときに私を見てニヤケ顔になった


そうして、手切れ金もそこそこに徴税官と一緒に長い距離を馬車で移動して大きい街まで来た


私が13年間生きてきてこんな大きい街まで来たことなんてないので、びっくりしたが、徴税官が私について来いと言ってそのままこんな家があるのかと思うくらい大きいお城に連れて行かれて、領主様と言われる男の人の前に連れて行かれた


領主様は私を見て、笑顔になったかと思えば、徴税官に褒美を取らせると言っていた


徴税官はお礼を言っていたが、私はもう何が何だか分からなかった


偉い人に大きい街まで連れてこられて、さらに偉い人の前に出された


そして私の意思に反して、メイドに身体を身綺麗にされて、今まで着たこともない薄いドレスのような服を着せられて領主様の前に出された


そこからは領主様に無理矢理抱かれて私は初めてを迎えた


抱かれて以降は意外と普段の世話はしてくれるようで、村にいたときよりも裕福な生活を出来ていた


しかし、裕福な分もっと大変なことがあった


女の争いだ


領主様は貴族の中でも結構上の立場にあるらしく、同じ貴族の家から嫁いできた正妻、他の貴族の家から嫁いできた側室、そして領主様が収めている街の大きな商店から嫁いできた側室が3つの派閥をそれぞれ作って日々争っていたのだ


そして私のようなどこからか連れられてきた愛人たちがいた


愛人たちは、みんなそれぞれ3つの派閥のどれかに属していて、私はたまたま貴族の側室の方が私住んでいた村のことを知っていたので、派閥に入れてくれたのだ


それから5年間は特に何もなかった


相変わらず領主様には抱かれることは結構多かったが、子供が出来るということはなかった


子供を産めるのは側室までで、愛人たちはお家騒動の火種にならないように避妊の薬を毎回飲まされるのだ


私も子供が出来て、派閥内で危険な目に遭うよりかは出来ないで裕福な生活をするだけで万々歳だった


しかし、事件は起こった


正妻の方のアクセサリーがある日壊れていたのだ


その日は領主様の名前で有力者が集ってパーティーをする日だった


当然、以前からアクセサリーを自慢していた正妻は大恥をかいた


なんて言ったって、そのパーティーでそのアクセサリーを自慢するために方々にサロンで宣伝していたのだ


正妻の怒りはそれぞれの派閥が激突寸前なるほどであった


だがそれは回避された


何故かアクセサリーの壊れた部分の一部が私の部屋で見つかったのだ


その時の私の顔はこれ以上ないくらい混乱していただろう


まったく身に覚えがない私は必死に正妻の誤解を解こうとした


だが、その前に私が属している派閥の側室が私を犯人扱いしてきたのだ


側室の派閥の者たちも一緒に私を糾弾してきて、どれだけ違うと言っても、やっていないことまででっち上げられて犯人にされていく


私が普段から盗みをしていたとか、噂を流して派閥の対立を助長するしていたとか、あることないことをここぞとばかりに擦りつけられていった


その時の私は誤解を解こうとして、側室の意図に気づいていなかった


気づいたのは犯人として娼婦として売られていったあとだった


今思えば、正妻のアクセサリーを壊したのは側室派閥だったのだろう


そして、正妻の怒りが思った以上だったのでスケープゴートとして私は生贄にされたのだろうと思える


あることないこと罪をなすりつけられたのも、ここで一気に膿を出そうとしていたのではないだろうか


今となっては誤解を解こうとも解けないが、屋敷を追い出されるときに、女たちのあの子ちょっと綺麗だからって領主様に特別扱いされているの気に食わなかったののよねという言葉が全てを物語っていると思った


追い出されると決まっても、領主様は何もしてくれなかったし、多分どの派閥の女たちも私がやったとは思ってないだろう


ただ、ちょうどよく邪魔だった身分の低い女が消えてくれるからシナリオを作ったのだろう


追い出されたあとは大変だった。最初は高級な娼館に売られた


そこで私は人気の嬢になったが、ある時客から性病をもらってしまった


娼婦が性病をもらうことは珍しくないが、私が性病かかったことは人気だったこともあって、界隈の中で一気に広がっていった


それから、性病が治ったとしても以前のように客は買ってくれなくなって、私はランクの低い娼館に配属することになった


だが、ここでも運が悪く性病をもらってしまった


そして治っても客が買ってくれないから、さらに低い娼館に配属になる


この繰り返しが何回も続いて、最終的には暴力も何でもありのクズの客が来る娼館来てしまった


この場所まで来てしまったらあとは死んでいくだけだ


私は絶望の中で客の相手をしていった


そして、スラムのボロ小屋で私は最後のときを待っているだけになっていた


「(ああ、私の人生なんだったのかな。こんなことなら、村の中で貧乏でもいいから優しい人と結婚出来たら良かったのになぁ)」


もう、身体もロクに動かないのに涙は出てくる


ああ、家族の皆は元気にしているだろうか?徴税官に連れて行かれるときに好きだったと言っていた幼なじみは誰かと結婚したのだろうか?私を糾弾した人たちは幸せに暮らしているのだろうか?


もう考えることしかできないが、こうでもしていないと発狂しそうだった


ひたすら考えては、また次のことを考える。ずっとずっとその繰り返しをしているとボロ小屋の戸が開く音がした


何とか目を開けて、戸の方向を見てみるがそこには誰もいなかった


「?」


なんで戸が開いたんだろうと疑問に思っていると、急にどこの言葉かわからないが、声が聞こえてきた


「マジか。これ大丈夫なのかね」


そうして急に目の前に変な格好をした男の人が現れたのだった

女の争いはどこの世界でも醜い

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