表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
82/137

シロンの夏休みの会話 街の追いかけっこ編

狭い路地から、シロンが、そして『狼牙ろうが』が飛び上がり、追い掛け合っていく。

それを傍らのビルの屋上の隅から、あきれて見送る狐耳のママ。


「何とまあ、派手じゃのう」

「若さと筋肉にまかせた勢いにはついていけぬわ」

遠ざかっていく二人。


「九尾本体なら体力勝負は楽勝なのじゃが、この姿では…」

ふわっと身体を浮かせて、後を追うママ。

「移動は妖力頼み、付かず離れず行くしかないのう」追い掛けつつスマホを取り出す。


場面は変わり、「男」。

「…ええ。はい、分かりました。ママは引き続き追ってください!」

手下の角刈りと筋肉質が運転する車を呼び寄せる。

「ビルの谷間を追いかけっこって『パルクール』ですかね?!」


「お待たせしました」

「で、社長、どこへ?」

「…しばらくは待機です」


「何か派手にパルクールやってるらしいですから」


「へえ、それって、ビルの間を走って跳んで登ったりするカッコいいパフォ-マンスでしょ?」

「凄いっすねー」

「はは、でも追っかける方は大変ですよ」苦笑いの「男」。


「しかし、ヤツが真正面から攻めてくるとは思いませんでしたよ」

男のぼやきに返す手下。

「え、どういう事っすか」


「あの『狼牙ろうが』という男、何か卑怯な手を使って、シロンさんを引き離して…」

「…何か罠でも、仕掛けてくると思っていたのですがね」

…と、今の状況を手短に告げる。


「え、引き離してって…」

振り返る角刈りと筋肉質。

「…いま、その通りになってないっすか?」


「ーいや、それは…」

言いかけて動きの止まる「男」―


…そしてぱちんと自分の額を叩く。少しの沈黙。

「ありがとうございます」

「私がとれだけアホか教えてくれて」


にこやかな男の笑顔だが、手下たちはかえって押し黙る。

なんせ今のが、皮肉か本気かが全く分からないからだ。


しかし「男」は思索にのめり込む。


どこで間違えた?

狼牙ろうが』の今の行動にどんな意味が??

彼は親の敵を討つ、恨みを晴らしに来ると思っていた、そこからか?


そう、思いを込めて、感情的に来ると思っていた、そう、復讐に来ると!

狼牙ろうが』その本人が、親の怨念、自分の境遇…

そんなものをぶつけてくると思っていなかったか?

でも違う。なぜ、違う?


それは―

狼牙ろうが』その本人の復讐、ではなくなっているから?!


そうだ、集団『異能コトナリ』の幹部、『牧場主ファーマー』の元に彼は居たのだ。

敵討ちの、その意図が、ソイツによって歪められたのでは?


異能コトナリ』の『牧場主ファーマー』、ですか…

たしか報告では、人道を外れた人体実験、人と獣との交配、獣人の作成などなど…

…本当にイカレたマッドサイエンティスト、ですね。

他人を家畜としか見ていない…、ん?!

…まさか、その意図は?!


はっ、と顔を上げる「男」。


思わず振り返る手下たち。


…もし、そうだとすれば、『牧場主ファーマー』!

許しがたい、ですね!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ