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雪の女王の脳内 その37



空間に荒れ狂っていた音や熱波、乱気流



それが一瞬の後には消え失せていた。




熱気に満ちたカーニバルごと死後の世界に瞬間転移されたみたいに、



何もかもが動から静へと入れ替わっている。






ぴきいいいいいぃぃぃぃぃん………………





「なんじゃ、あれ」





後ろを振り返って、思わず愕然がくぜんとつぶやいた。




ドーム状に広がっていた爆炎。



それが、そのまま氷りづけになって空間に浮かんでいた。



噴火した瞬間の火山………………それが、瞬間凍結されて、氷のオブジェとして飾られているような絵ヅラ。




「火を………………爆発を凍らせる?


なんだよ、それ。


一体、どれほどの冷たさならそんな事が可能なんだよ」




爆風が生み出した、爆炎まわりのソニックブームさえもそのままの形で凍結して静止していた。




《火も爆炎も熱波も、人間の根源である魂さえも凍らせる。


それが【雪の女王の脳内】》





「……………物理法則を無視してんじゃねえよ」





氷のオブジェと化したドーム状の爆炎。




それが、粉々に砕け散った。




世界一大きなガラス細工が割れ砕けたみたいな壮大で幻想的な光景。




氷の欠片できらめく空間の真ん中に、黒い雪の女王が浮かんでいた。



水遊びをしてる少女みたいに無邪気な笑み。ほっぺに笑窪えくぼを作りながら。




無表情ながら、ちょっとムッとしてる気配がするレナ。



元気玉みたいに両手をうえにあげて、渾身のエネルギー弾を追撃しようとする。



本当にこの脳内空間ごと消し飛ばしそうな規模のエネルギー弾だった。




「ちょっ……………やめろ!!!さすがにそれはマズい」




また、後ろから抱きとめて全力で阻止。




《密かに、スレンダーなレナの抱き心地を堪能たんのうしているマサムネさん》




バラすな。





相手は【雪の女王】の脳細胞から生まれた癌腫、



いわば分身。



ただむやみやたらに討伐すれば済む話ではない。




《病巣だけを綺麗に切り取る方法があればいいのですが。


そうだ。ブラックジャックを召喚してみては?》




いや、それ、マンガのキャラクター!!!!



なんでもありってわけじゃないんですよ?



ルール無用じゃないんですよ?




《マサムネさんはなんでもありでやって来たじゃないですか》




…………あんまり強くは言い返せない。





「もし、あれが悪性の癌腫だとするなら、マズいニャ」




ニャンコ大先生が珍しくシリアスな表情になっている。




《いつもはどんな表情で解説してるんですか》




「あれを野放しにしておけば【雪の女王】はいずれ死んでしまうかも知れないニャ



それなれば世界は滅亡だニャ」




《【雪の女王】が死に、氷が溶ければ、


世界中に向けて発射されたという、独裁国家の最終破壊兵器が再び発動されてしまうのですね》





ずぐ……ずぐ………………ずぐ………………





黒い雪の土壌から生え出ている巨大な女の身体。




その下腹部のあたりから、《《何か》》が、樹木みたいに生え出てきている。




黒い卵みたいな形のモノが、女の腹から生えた樹木から生れ落ちると、



ふわっと空中に浮かび上がって来た。




俺たちの目線と同じくらいの高さに浮かんできた瞬間、それが割れた。





黒い卵が割れて、開きながら、別の形状カタチのモノに変化する。




二本の黒い翼が左右に開く。



それは、真っ黒い氷で出来たドラゴンだった。




黒氷の巨大竜が、こちらに向かって襲いかかってくる。





俺は、七闘神フルアーマーの七重の後光を背中に背負いながら迎え撃った。



神々の力が乗っかった右拳を、巨大な黒氷竜の額に叩き込む。





ど………………ぎゃっ!!!!!!!!





竜の形をした黒い氷が、空中で粉々に砕け散っていた。




待っていても、埒が明かない。



敵は無尽蔵に氷の魔物を生み出して攻撃してくる。





「……………しょうがねぇ。


ここは俺がモグリの天才外科医になり切って、神業脳外科手術と洒落こむか」





《あっちょんぶりけ》







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