軍艦遊郭の姫花魁 その13
リムルルが顔面に飛びついてきた。
エスメラルダが船員の目を気にしてやっと離れたと思ったら今度は別のヤツがひっついてくる。
「マサムネすごかったな!!!!!」
なぜか、ジトーッとした目でこちらを見てくるネコミミ眼鏡っ子。
「…………やけに海賊娘と息ピッタリだったニャ。
怪しいニャ。果てしなく怪しいニャ。
みんなに隠れて2人でコソコソ特訓してたに違いないニャ」
あらぬ疑いをかけてくるネコミミ眼鏡メイドっ娘。
《こうして改めて口にすると属性が渋滞してますね、ロゼッタ》
「「ええぇーーーーーーーーーーー!!!!!」」
なぜか食い付いてくる女性陣。
父親であるロリッ娘海賊王が小さな肩をプルプル震わせながら俺に迫ってくる
「…………真か?
2人だけで連日連夜、深夜の特訓をしていたというのは真か?」
圧倒的に可愛い美少女フェイスに父の涙を浮かべながら俺の視界いっぱいに迫ってくる。
「他人様にはお見せできないような過激でエッチでムッフンなトレーニングを連日連夜、深夜2時ごろおこなっていたというのは真か!!!!!?」
「「真なわけあるか!!!!!」」
エスメラルダのドロップキックと俺のドロップキックが、長年タッグを組んできたプロレスラーの合わせ技みたいに同時にさく裂した。
すぐにリムルルに抑え込まれて3カウントを聞くロリッ娘海賊王。
(なぜプロレスのルールを知っている?)
「…………やっぱり息ぴったり」
完璧なディフェンスで母船を守り抜くというMVP級の活躍をしていたミヤコがぽつりと漏らした。
ハッとエスメラルダと一瞬、顔を見合わせて赤面する俺たち。
《そりゃ、同じベッドで一夜を共にして体液を混じり合わせた仲なんだから息ぐらいピッタリになりますよね》
誤解を招く気満々の表現!!!!
ただとんでもない悪夢にうなされて2人してオネショしただけですから!!!!!
《2人でオネショって。むしろ、ノーマル淫行よりそっちの方がレベル高くないスか?》
「…………ちょっち、向こうで事情を聴かせてもらいましょうかね?マサムネさん」
妖しいオーラを漂わせながら拳をぽきぽき鳴らして近づいてくるリトさん。
なんか、最近のリトさん、オーラのダーク色がやたらと強い気がするんですが。
殺意の波動に目覚めてません?だんだんリュウから豪鬼に近づいていってません?
「…………深夜の闇トレーニング疑惑について、ゆっくり事情を聴かせてくださいな」
艶めく唇から謎のフレーズを紡ぎだすリトさん。
闇トレーニング!!!?
頭につけるだけで解雇までエスカレートする匂いがプンプンしてくるデスフレーズ、闇!!!!!
そのときだった。
神竜船ガネシャの縁を、巨大な手がつかんだ。
ググググググググ…………
ゴゴゴゴゴゴゴ……………………
海中からずぶ濡れの身体を引き上げて、
巨人族の女が姿を現してくる。
赤く充血した目。
ボロボロに砕けた黒い甲冑。
乱れに乱れた金髪の髪。
半死半生の姿でありながら、再び姿を現す。
「メアリー・ジェーン!!!!!」
お祭り騒ぎだった船上に、戦慄が走る。
嘘だろ……………どんな耐久力してんだよ………………。
アーちゃんでも一撃でKOできそうな超威力の大技をうけてまだ生きてる。
《あの甲冑…………即死回避の特殊効果がついていたみたいですね》
「このまま…………逃がすもんかよ………………ゴルディアスぅうううううううう」
船に乗り込んでくる巨人族の女。
ゴルディアスは半べそをかいている。
ズシ……………ズシ……………………
船が傾きそうなくらいの重い足音をたてながらゴルディアスに掴みかかろうとする。
なんて執念だよ。いったい、この巨人女海賊とゴルディアスの間になにがあったっていうんだ。
恐慌状態になる船上にあって、なぜかリトさんだけ冷めた眼差しを巨人女に向けていて。
「…………あの、ちょっとこちらの話が立て込んでますんで、今は邪魔しないでもらえます?」
冷めた表情のままそう言い放つリトさん。
ズギャギャギャギャギャギャ!!!!!!!!!
そして、巨人女にいつも俺に浴びせてる特大の電流を浴びせた。
感電しながら宙に浮きあがる海賊女。
もちろん、俺の顔は恐怖に染まって伊藤潤二のホラー漫画状態になっている。
ズシーーーーーーーーーーン………………
そのまま船のうえに崩れ落ちると、プスプスと煙をあげたまま動かなくなる巨人女。
完全決着だった。
……………………いや。
これ、別に俺がいなくてもリトさんが本気出せば巨人海賊団《パイレーツ オブ
タイタン》、皆殺しにできたんじゃね?
《リトさんは『マサムネさん嫉妬』関連の事でしか本気を出さないだけで、
実は最強キャラなのかも知れないですね》




