軍艦遊郭の姫花魁 その11
絶句している女巨人。
はっはっはっ。参ったか?
日本のニートを舐めるなよ?
《「邪眼の力を舐めるなよ」みたいな言い方やめてください》
「…………遊び球はいらねぇ。三球勝負で終わらせるぜ」
俺は、減るどころか、もうすでに最初の時点より遥かに膨れ上がってる魔力を、惜しげもなく浪費する。
【日本三大妖怪 召喚】
俺のまわりに出現する3つの巨大な魔方陣。
アーティストを映えさせるライブ演出みたいに美しい光景だ。
日本史上最大最強の鬼
鬼神王【酒吞童士】
日本最強の大怨霊にして天狗の王
金色天狗【崇徳上皇】
日本を幾度も滅ぼしかけた伝説の大妖
九尾の狐【玉藻前】
それぞれが、巨大宗教の神々にも匹敵する偉大な霊力を秘めた大妖怪たちが、異世界に顕現する。
本来だったら、このなかの一体が異世界に迷い込んだだけでも、その世界のパワーバランスを崩しかねない大事件だろう。
【チートコード入力】
直視するのも恐ろしいような威光に満ちた三妖怪が、ぐにゃりと紙粘土みたいに溶けていく。
俺の前に集まり、混ざり合う三大妖怪たち。
それは、5メートルは長さのある、砲身のオバケみたいな巨大なライフル型兵器へと姿を変えた。
戦艦の大砲をむりやり個人用の銃器に改造したみたいなバカげたスケールの銃身だった。
強大な日本三大妖怪の霊力を、そのまま宿した巨大兵器。
「名付けて【三極大妖メガランチャー】ってとこだな」
《相変わらずの微妙なネーミングセンス。
あんまりチート連発してたらネット対戦で毛虫のごとく嫌われますよ》
俺の足に吸い付いている海王トリトンのサーフボードが、命じてもいないのに形態を変えて、反動を踏ん張りきるための土台みたいな形に変形していく。
ひどく性能が良い人工知能みたいに気が利く。
俺の背後に、三大妖怪の3つの魂魄が浮かんでいる。
その3色の魂魄たちが回転をはじめた。球回しみたいに同じ距離を保ちながら楕円軌道を描いていく。
2本の神剣を亜空間にしまい、両腕にズッシリとくる重火器を支え持った。
砲身のなかに、異常な霊力が流れ込んでくる。持っているだけで血が燃え上がりそうな熱を感じる。
俺の後ろで回転する魂魄の回転速度に比例して、流れ込んでくるエネルギー量は加速度的に増大していった。
ヒイイイイイイイイイイイイイイイイイン……………………
砲身の先に発射寸前のエネルギーが光り輝く。
もう暴発寸前なくらいにまで溜まりにたまった霊力パワー。
「エスメラルダ、ちゃんと捕まってろよ」
目いっぱいに両腕に力をこめてしがみついてくる海賊娘。
背中が、エスメラルダの胸の形を記憶をしてしまうんじゃないかってくらい身体が密着する。
「……………貴様は
……………………いったい
何者なんだぁあああああああああああああ!!!!!!!?」
女巨人の絶望的な悲鳴。
相手をそんな気分にさせてしまうほど、凄いことをしてる実感は無いのだが。
何者なのか?
ごめん。正直なところ自分でもよく分からねえんだよなぁ、それが。
……………………ズドウッ!!!!!!!!!!!
巨大な砲身が火を噴き、
海の表面を神秘的な光がつらぬいた。
虹色のソニックブームを幾重にも空間に放ちながら
純白のレーザー光線がアダマンタイト・フルプレート船の中心を撃ちぬいた。
跡には、衝撃の余韻に震える海面だけが残った。
山脈みたいな巨人船団《パイレーツ オブ タイタン》の旗艦が、この世から跡形も無く消失している。
「…………三球三振。ゲームセット」
《…………完全試合ですね、これは》




