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自殺転生の溜まりカフェ  作者: 神果みかん
2話【始まりのカフェ】
9/19

土下座と再スタート

2話5部です。

男性がとった行動とは?

男性が土下座をし続けて約20分経った。


『お願いだ!頼むよ!話をさせてくれ!』


男性は、悲痛な叫びを繰り返してる。涙も止まる気配が無い。


そのたびにオーナーは、『できません』の一点張り


だけどその5分後、オーナーが別の言葉を放った。


『じゃあ、何で自殺なんかした!』


顔を下に向けて怒鳴っていた。


オーナーは続けて、


『自分が死んで傷つく人がいないと思ったら大間違いです。必ずあなたを大切にしてくれている人はいます。なのに、一時の衝動に任せて築き上げたものを自分で壊すのは間違っています。人間誰しも辛いと感じる経験をするのは、当たり前です。それを上手く利用すると人は、成長することが出来ます。その成長のチャンスを自分で壊してどうするんですか。世界は甘くない。考えや行動も出来ないような人が勝利を得られるなんて思うな!辛いのをそのままにして、何が辛いだ!何も手を尽くして無いじゃありませんか。少しでも救われようとする人は、あの手この手で努力してるんですよ。あなたが出来なかった努力を!生きるとは戦争みたいなものです。勝利を掴む為に自分は、どんな事が出来るのか。よく考える事があなたには足りなかったのです。』


『・・・』


男性は、口を閉ざした。


男性が何を思っているのか、私にはわかる。


何もできなかった不甲斐なさ。

逃げ続けた事への怒り。

考えを放棄した浅はかさ。

そして、自殺行為の後悔。


私も言葉にならないほど辛い。


全てに諦めてされるがままの“人形”だった私


もしかしたら、私も変われたのかもしれないと、後悔の感情が湧いてきた。


辛いことから逃げた事は、私も男性も同じだな、、、と


オーナーは、笑顔になり話した。


『残念ながら、彼女さんと話す事はできません。ですが、ここから再スタートをすることが出来ます。』


男性はきょとんとした


『どういう事だ?』


『この世界は、自殺して転生した人のみ生活しています。自殺して出来なかった職業や、やりたかった事をこの世界ですることが出来ます。簡単に言うと自殺した事の罰則みたいなものです。』


男性は、少し笑顔を取り戻していた。


『ほんとか!?自由に生活できるのか!?』


オーナーは、話す。


『このカフェの名前のxyzってカクテルの名前なのですけど、どんな意味か分かりますか?』


私も男性も耳を傾ける。


『“これ以上ない・究極”と呼ばれるカクテルですが、終わりがあるから始まりがある。と、私は思っています。これ以上ないなら、それを超える為に磨く。人生もそうです。卒業して入学するの繰り返しだったと思います。今ここにいるお二人は、人生をご自分で閉ざしました。ではここで、もう一度始める事が出来るのです。』


いつのまにか私も対象にされている事も知らず、聞き入れる。


すると男は、


『わかったから、早く外に行かしてくれよ。外を歩いてみたいんだ。』


立ち上がろうとしていた。


『お待ちください』


オーナーは、真剣な表情に戻って話を続ける


『ただし、この世界には10のルールがあります。必ず覚えて下さい』


『お、おうわかった』


そして、オーナー曰く


1、喧嘩をしない

2、辛い困難は、助け合う

3、争いは話し合いで行う

4、犯罪を許さない

5、人を見捨てない

6、噂の禁止

7、自由で選択できる生活をする

8、暴力禁止

9、自殺をしない

10、充実した良い人生を


これがこの世界のルールのようだ。


オーナーは、再び口を動かす。


『ルールを守ることはもちろんですけど、絶対に守ってほしいことがあります。』


私も男性も息を飲んだ。


『それは、自殺しない事です。』


男性は落ち着いてた。


『なんだよ、それを守れば自由にしても良いんだな?』


『ええ、もちろんです』


『わかった。じゃ行ってくるよ!相談乗ってくれてありがとな!あんたの言葉胸に響いたぜ』


『それは良かったです。お気をつけて行ってらっしゃいませ』


男性は出入口で止まり、オーナーの方を振り返った。


『また来るぜ。次来た時もさなの事見せてくれよ!』


『了解いたしました。またのご来店を、お待ちしております』


そうして男は勢いよく外に出て行った。


・・・


カフェの中は、静寂に包まれた。


今この空間には、私・メイド二人・オーナーのみ


私は、圧倒されていた


オーナーの言葉が全て私の心を刺す。


『あの、オーナーさん、、、』


咄嗟に引き留めた。


『どうされましたか?』


この人になら、私を理解して貰える。


根拠は無いけど、


このままにしてはいけないと


自分の中の何かが訴えている。


『私の事も相談させて下さい。。』


その時、オーナーは笑顔で言った。


『もちろんです』


その時の笑顔は、曇りない眩しいものだった。

次回2話6部

彼女の感情が・・・

お楽しみに

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