22話 全員同罪、殲滅だ
とても良い場所を発見した。
四方を崖に囲まれた、゛盆地のような場所。
その中には飛べないタイプの魔物がわんさか。
その中央にばかでかい岩を構築し、そこを覚える。
これで穴が開いたらここに落ちてくると。
立方体に近い岩なので、何人乗れるかな。
人数が増えたらきっと醜い争いが、クククッ。
詰めても30人が精々だとは思うけどな。
さて、穴を設置して、行き先は家の地下室と。
【ゲートオープン】
ピョンと飛び込めば家の地下室。
おおっ、行けるじゃねぇかよ。
こりゃ便利だな。
目視の短距離転移もいいが、これは長距離だな。
さてと、魔導具回収して、ゴブ石回収して戻りますか。
「さあ、明日には帰るぞ」
「ゴブリンの石が物凄い事になっているわよ」
「どれだけあるんだ」
「それがね、27万個だって」
「そりゃまた多いな」
「初級が張り切って集めたんだって」
「まあ、相場の倍だからな」
「あちこちの町でも集めてね、8枚買い取りとか」
「ああ、中間利益で稼ぐ奴か」
「そうみたい。でも、多くないの?」
「多くても安心」
「何の話よ」
魔導具のほうもかなりの数になっていた。
工房の数が国内で150ヶ所。
1ヶ月の生産量が100本ずつ。
それが半年だから9万本になる。
追加はもう良いと伝えておく。
今でちょうどだしな。
銀貨8枚の卸価格で王都に大集合って訳か。
全てを倉庫に収納したんだけど多過ぎたかな。
とりあえず、杖64本分に魔電池を入れておく。
さて、ちょいと試してみたいが、ミカに頼むか。
「え、この杖って、あはははっ」
「さあ、あの有名な発動キーを唱えるんだ」
「え、ちょっと、マジ?」
「ほれほれ」
「本当に火が出たらどうしよう」
「出なくてどうする、魔導具だぞ」
「あはは、でしたでした。では」
【**** **** *** *****】
「本当に灯ったぁぁ」
「向こうで売ろうと思ってな」
「あはははははっ」
そして警備とメイドにまた長期出張を告げる。
年棒の支払いはしていたが、休みばかりで不安そう。
そのうち忙しくなると納得させたが、根が真面目なのかもな。
それはともかく、地下への階段の途中に穴をセット。
後は階段を降りれば自動的に・・
「これで戻れたの?」
【ゲートクリア】
「周囲を見てから言え」
「あれ、そういやなんか」
「階段を登るぞ」
「今、降りたばかりじゃない」
「良いから登れ」
「はいはい」
実家の地下階段は汚れはあるが、破損は無いか。
だけど、1階の部屋は滅茶苦茶だった。
ミカは誰がやったのかを察して、哀しげな顔をしている。
とにかくどの部屋も土足で歩き回った跡が付いている。
やれやれ、やってくれたな、たっぷりと。
オレのPCは無くなっているし、周辺機器はボロボロだ。
家電も何かで叩いたように、修理も無駄な壊れ具合。
せめて風呂でもと思ったが、ボイラーも壊れている。
窓ガラスも何枚も破損しているし、窓枠も歪んでいる。
畳が何だか小便臭いし、壁に小便っぽいシミがある。
家具は全損、家電も全損、何もかも全損だ。
2階に上がると更に顕著になっていた。
窓がそっくり無いのだ。
風雨に晒されて畳は腐っている。
押入れの布団は裏庭に落とされていたし。
襖とか落書きだらけだ。
それもしねとかばかとか・・
どんだけ低次元の人間使ってんだ。
全員同罪、殲滅だ。
「半分冗談だったんだけど、本気で良いわ」
「構わないんだな」
「こんな事をやる奴なんて、死罪で上等よ」
「念の為、セーフハウスも見てみよう」
「ドア壊してたんでしょ」
「呼び鈴、ノック、そしてバールだ」
「救いようが無いわね」
「残して欲しい奴は居るか」
「そうね、最後の話し合いに両親と」
「後は誰だ」
「お嫁に行った姉さん」
「あれ、独りっ子じゃなかったのか」
「腹違いなの」
「どうにも乱れてるな」
「まるでうちみたいね」
「うっ、ゲホッゲホッ」
「あはははっ」
とても住めないのでホテルに宿泊する。
狐獣人達は変装魔法で人間の子供にしておいた。
ミカと姉妹とダイチを置いて、セーフハウスに行く。
しかし、マンションはこれもまた酷いものだった。
入り口のドアはバールのようなものでこじ開けられいた。
運べなくて置いておいた物資は全て無くなっていていた。
浴室のタイルは割られていて、シャワーホースは切れている。
リビングの壁の辺りに薬きょうが落ちている。
あれはやはり、撃たれたんだな。
まあいい、とりあえず戻ろうか。
【ゲートオープン】ピョン・・
「うわ、びっくりした」
「戻ると言ったろ」
「あんな風に移動してるのねぇ」
「凄まじかった」
「はぁぁ、救いようが無いわね」
「薬きょうまで落ちてたぞ」
「うわ、それって暴力団かな」
「下請けだろ」
「そんなのとも繋がりがあるなんて、終わってるわ」
「後な、代理人に買って貰った小さな部屋はセーフだ」
「そんなのがあったのね」
「普通は気付かない場所にあるからな」
「え、何処にあるの?」
「実家の近所の小学校の体育倉庫の地下室だ」
「え、何それ。そんな所、買えたりするの?」
「私立でな、知人専用隠れ家ってやつだ」
「じゃあそこに移動するのね」
「3畳一間だ」
「せまっ」
「そりゃ隠れ家だしな。男のロマンってやつだ」
「ああ、秘密基地みたいな、あれね」
「そうそう、あそこはオレの転移場にする」
「アタシ達、どうしよう」
「このホテルで良いだろ」
「ヤバいの来ないかな」
「追い返せよ、レベル51さん」
「あは、でしたでした」




