20話 競売
さらっと流したけどあるじか。
つまり、キツネとやらのご主人様が本来の依頼人ね。
彼はその手伝いと言うか、そんな感じの立ち位置なんだな。
んでもって、そのご主人・・それがサンガって奴か。
そいつは直接オレと話が出来ないのか。
それとも・・まあいいか。
言わないって事は知るべきではない場合と、
知ったら後悔する場合がある。
どらちかは知らんが、まあ、知らなくても良いか。
あっ・・しまった・・くっ、忘れてたぞ。
この身体の事を聞こうと思ってたのに。
唐突の依頼だったからつい・・はぁぁ、参ったな。
まあ、仕方が無いか。
また機会があればって事で構わんか。
それに、知ってどうなるものでもないしな。
ただ納得するかしないかが問題だけど。
そんな事より、戻れるとなれば競売だ。
倉庫のアッチの品を売りまくるぞ。
元日本人も何人かは成功しているだろうし、
そんな奴らが喉から手が出る程に・・
さてさて、まずは何を出してやろうかねぇ。
「えー、それも出すの?惜しいよぅ」
「多い日も安心、端数以外は出すぞ」
「ええ・・困るよ。この世界のとか。痛いんだよ、あれ」
「姉妹の分もあるから、3人で半年分は残してやる」
「あれは止めようよ。せめてあれだけでも」
「ふっふっふっ」
「ねぇ、良いよね」
「したくないか、里帰り」
「え・・嘘・・ま、まさか、また穴が見えたり」
「一度帰るぞ」
「う・・でも、親に見つかると・・」
「何だ、まだ殺されそうなのか?」
「うえっ?」
「ほれ、ステータスオープンしてみろ」
「う、うん、ステータスオープン・・嘘・・」
「どうだ、まだ殺されそうなのか」
「一族郎党、殲滅出来そう」
「クククッ、なら問題無いな」
「でも、アタシが帰ると騒ぎになると思うんだけど」
「体外受精、試してみたくないか」
「あああああっ、そっかぁ、それがあったね」
「探せよ、ケモナーな産婦人科の医者を」
「そうね、ケモナーなら口も堅いし、やってくれるよ、きっと」
「謝礼はケモミミ奴隷だ。連れくれば問題無かろう」
「まさか、ダイチちゃんは違うよね」
「オレ達の息子を誰にやるって」
「あはは、ごめんごめん」
「で、ケモナーなら受けそうか」
「断るケモナー居ないと思うよ」
「口の軽いのはお断りだぞ」
「絶対誰にも話さないだろうし、万全の協力体制になると思う」
「そっち方面は任せて良いか?」
「もしかしたら、佐代子が女医になってたら」
「そいつがそうなのか」
「重度のケモナーだから、見せたら、ふっふっふっ」
「まあ、こっちに移住が簡単だが、それは無理か」
「独身なら可能性は高いよ。異世界好きだし」
「行方不明をどうするかだが、異世界帰りでいけるか」
「何か証明する物が無いと」
「ダイチ・ミケ・タマ」
「あははっ、でしたでした」
結局、月の友は出せなくなり、その他の品のみになった。
ライス、カレー、白米、ふりかけ、出汁の素、コンソメ、味噌汁・・
ちなみにタマゴスープはミカに全部取られた。
そして缶詰と瓶詰めが少々と、100年物のワイン10本か。
後は、文房具の類が色々少しずつだな。
エンピツ、消しゴム、ボールペン、定規、レポート用紙・・
設計に少し使ったが、残りは出しても構わんさ。
ゴムと、後はお菓子類を出してみるか。
姉妹とダイチとミカにかなり取られたけど。
多少残ったからそれを出そうか。
乾電池どうすっかな。
まあ、出すだけ出して無理ならまあいいや。
「ええと、これは、何ですかね。但し書きが、ええと」
(おい、あれって、もしかして)
(ヤモヤのつくだにか)
(見ろよ、缶詰もあるぞ)
(セットか、どうする)
(共同購入と行こうぜ)
(うしっ、乗った)
「開始は銀貨1枚からです。それではどうぞ」
「金貨1枚よ」
「金貨25枚だ」
「え・・嘘・・26枚で」
「金貨50枚だ」
「そ、そんな・・51枚」
「金貨80枚だ」
「降ります」
やれやれ、共同で購入して分配作戦か。
瓶詰めと缶詰が少しずつあったからセットにしたが。
やけに高く売れたな。
まだあるが、金は続くかな、クククッ。
「次はですね。高級な紙です。これは3冊セットですね」
(おいおい、レポート用紙って誰が持って来たんだ)
(どうせ学生だろ)
(どうする、あれ)
(転売に持って来いだろ)
(よし、判った)
「では、銀貨1枚からです、どうぞ」
「白金貨1枚」
(なによそれ、買える訳無いじゃない)
「ええと、これは白い、何でしょう。穀物のようですが」
(キター、夢にまで見た米だぜ)
(美味いメシと、あれはレトルトカレーか)
(セット価格か、いくらある)
(残り白金貨7枚、金貨36枚だ)
(かなり持ってんな。オレの倍かよ)
(ふっふっふっ、分け前はオレのほうが多いか)
(はぁぁ、仕方ねぇか)
「開始は銀貨・・「白金貨5枚だ」・・えっと、はい、他には」
(酷いよ、ご飯、欲しかったのに)
そこまでして欲しいか、凄い情熱だな。
確かにウマメシ5つとレトカレ5つのセットだけど。
向こうで買えばかなり安いぞ。
まあ、行き来の方法は知らないだろうけど。
さて、次は腰の辺りが光る米の競売だな。
「今度も穀物ですね。見た事の無い穀物ですが、銀貨1枚から」
(うおお、どうする、あれ)
(まさか白米まで出るとは思わなかったぜ)
(どれだけ出せる)
(白金貨1枚までだな)
「金貨85枚です」
「白金貨1枚だ」
「くっ・・白金貨1枚と金貨10枚です」
(どうするよ、向こう、きつそうだが)
(しゃあねぇな、2枚までやるか)
「白金貨2枚だ」
「白金貨3枚よ」
(うげ、別の奴が出たぞ)
(ヤバいな、妙に強気だ)
「白金貨3枚と金貨5枚だ」
「白金貨4枚よ」
(ダメだ、おんり)
(仕方が無いか)
「それではソルト様最後の出品です」
(ソルトって塩だよな)
(日本人だろ)
「これは、但し書きには、今度産まれると書いてます」
(コンちゃんかよ)
(あれがあれば、娼館で)
(病気はヤバいもんな)
やれやれ、意外と言うか、何と言うか。
やたら高く売れたな。
ワインは結局、伯爵様への貢物になった。
遥か遠方の少数民族の作った酒って触れ込みで。
100年物を2本渡したら、1本開けて驚いていたっけ。
もう1本はどっかに持って行くとか言ってたが・・
商売上手な伯爵様だから、次の取引材料とかに・・
まあいいや、そんなのはオレには関係無い事だ。
さあ、帰りまっせ・・




