幼馴染2・叡智くん3
幼稚園から帰宅すると
ママからいつもの問いかけをされた
「ひなちゃん、今日は幼稚園で何して遊んだの?」
「叡智くんに英語教えてもらった!」
「あら?初めて聞く名前だね、新しいお友達ができてよかったわ」
「うん!ひな、叡智くんに英語教えてもらってお兄ちゃんみたいに英語話すの!」
「まぁ、素敵ね。でも、また男の子のお友達だとお兄ちゃんと涼くんが嫉妬しちゃうかな」
「しっとー?」
「ひなちゃんのことが大好き過ぎて、もっとひなちゃんと仲良くしたいって思うことよ」
「ひな、もっとお兄ちゃんと涼くんと仲良くなる!叡智くんとも仲良くなるの!」
「玲くんは?」
「玲くんは、」
あれは、もう
「玲くんはもう仲いいからいいの」
そう、もういいの
あれから
とにかく叡智くんとコミュニケーションをとらなければと思い、いつも以上に子どもらしくを心がけた
「ひなです。仲良くしてね」
「・・・」
予想はしていたが無視は嫌だ
外遊びの時間はずっと話しかけ続けようと意気込み、続けた
「叡智くん、えいごよめるんだね、すごいね、ひなね、この前パパたちとシンガポールに行ったんだけど」
さすがに無視できないと思ったのか
「うるさい」
「あっ、叡智くんきれいな声だね」
本当に綺麗な声だと思った
そこで初めて本から顔を上げ、私をみると
「あっちいけ」
「ご本読んでるから?でも今は外遊びの時間だからひなとあそぼーよ」
「お前、きらい」
ぐっと唇をかんだ
愛して欲しい人に言われたことが余計に悲しい
あみ先生は私が泣くと思ったのか
「叡智くん、お友達にそんなこと言っちゃだめでしょ」
と叡智くんを叱った
「お友達じゃない」
それでも
私は
叡智くんがほしい
次も叡智くんです。