仲間はずれ
「あ?建てて20年そこらだろ?贅沢じゃね?」
「いいの、今建てるとこ探してるから」
「あ?マンションからまた引っ越すのかよ?」
「うん、今度は2階はいらないんだって。人生半分まで来たからバリアフリーとか考えてるみたい」
「へぇー、なぁ、そいうえば」
「ねぇ、永井くんそろそろもっと馴れ馴れしい喋り方にしたら?」
「・・・」
「チャラ男ぽっくさ」
時間の早い時間に登校したからか今はまだ外部生ばかりだが、そろそろ内部生が登校してくるはずだ
お調子者の永井くんとひなはそんなに親しくないわけで
「あのね、鈴野さん、別に分けて喋ってるわけじゃないのよ」
「そうなの」
「そうなの」
神妙にうなづいてみせると永井くんも同じようにうなづいた
「おい、」
聞き覚えのある声がした
振り返らなくてもわかる
玲くんの声だ
「おはよ、玲くん」
隣に並んだ玲くんに視線を向けることなく挨拶をした
「あぁ、おはよ。・・・つーかお前らいつまで遊んでんだよ」
「遊んでるわけじゃないよ。クラス分けが見えなくて・・・ほんと、永井くんって使えないんだから」
「使えないって何!?えっ、身長?俺の身長のこと言ってる?別に普通だからね、特別低くないから、俺!」
永井くんは160cmって聞いたかな?
・・・ま、高校で伸びるんだろうけど
「ほんと、使えねぇーな」
棒読みにそう言う玲くんは180cm近くあったはず
「普通!俺普通!ってか俺より鈴野の方があれだからね!平均より小さいから!」
確かに150cmは小さい
高校でも伸びないだろうし
玲くんとは反対の隣に立っている永井くんの方を向き、右手を腰にあて、左手で人差し指を立て、可愛く言ってみる
「いい?永井くん、女の子は小さいほうが可愛いの!」
わかった?と聞くように少し顔を傾けるのもポイント
「あっそーですか」
目を泳がせながら、永井くんは雑に答えた
可愛こぶり私を見せたことがないから微妙な反応
「そーです」
調子に乗ってさらに可愛く言た私か、この会話自体の不毛さか、怒った様子で玲くんが言う
「行くぞ」
「まだクラス見てないじゃん」
その場を去ろうとする玲くんに慌てて永井くんが声をかける
「もう見た。ひなはB組」
しっかり私の組も確認してくれたなんて
「ありがとう」
ツンデレめっとにやにやしたいところだが我慢する
「えっ、俺は?」
「成績はいいんだから、AかBじゃない?じゃあね」
玲くんを追いかけるためにその場を去った
「・・・いつもの仲間はずれ、ね」




