表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/57

もう、いらない


父の声で起きたのか

薄暗い部屋でもわかるほど青ざめた兄と目が合った






その後、2階に上がってきたママに連れられて、そのままママの実家に向った


玄関で脱ぎ散らかした自分の靴を拾おうとしたとき見慣れない女性のブーツを見た


あぁ、お父さんはこれを見たから慌てて来てくれたんだなと思った



あの部屋でお父さんと兄とあの人が何を話したのかは知らない


夜、ママの実家にお父さんが迎えに来て、自宅に帰ると兄がリビングで待っていた


寝起きのぐちゃぐちゃの髪のまま、シワシワのシャツを着たまま兄はソファに座りこんでいた

完璧な兄らしくない


私の姿を視界に入れると声をかけてきたが

「ひな、ごめ」

「お父さん、ひなお部屋で寝たくない」

遮るようにお父さんに話しかけた

「どうしてだい?」

「だって、あの人、ひなの服着てた」

あの人か

ひなの服か

どこに反応したのかわからないが

兄は唇を噛み締めた


見慣れた服なのは当たり前

だって自分の服だったんだもん


「ひなのお部屋に泥棒さんが入ったんだよ。ばい菌つけられちゃったんだよ。お部屋に戻れないよ」


大げさなことを言っているのはわかってる

でも、無理なの


「・・・わかった、今日は和室で寝なさい」

お父さんがそう言うと、ママが提案してくれた

「ひなちゃん、久しぶりにママと一緒に寝ましょ?」

「ママと?」

「うん、ママ、ひなちゃんと一緒にいたいな」


ママは私と兄を分け隔てなく愛そうと努力してくれていた

本当はもう1人子どもが欲しいのにきちんと避妊をしてくれていた

血の繋がらない兄がこれ以上、孤独を感じないように

でも


今回は怒っているようだ


「・・・うん」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ