密談
あれから、みきちゃんに避けられるようになった
・・・私も避けるようになった
クラスのみんなも避けるようになった
始めは玲くんの仕業かと思ったけど
犯人はどうやら
永井くん
だったようだ
「これで安心だな」
携帯を操作しながら、永井くんは言った
「安心?」
「いじめられる心配がなくなった」
誰が、なんて
わかりきったこと
「女子って怖いよなぁ、1人に言えばどんどん広がっていくんだから」
「・・・私のためだって言うの?そんなの望んでないよ」
「望んでなくても、・・・嫌われるのは怖いぜ」
小学時代、永井くんはいじめられていたことがある
「好きな奴に嫌われるのも怖いけど、どーとも思ってない奴らに勝手に嫌われて、それが「そこまであの子のこと嫌いじゃないけど、みんなが嫌いだから」っていう理由でつーのは特に、な」
「・・・永井くん」
「なぁ、鈴野、お前が今一番知りたいこと教えてやろーか?」
「?」
「佐野が言ってた乙女ゲームにつ、い、て!」
「!」
「おっ、やっぱ、これか。鈴野が佐野に聞き出したかったことは」
またバレた
にやにやしながら永井くんは教えてくれた
「佐野の話だと、高校生になると可愛い転校生が来るんだって、さ。
で、玲とかがその転校生のこと好きになって、取り合い?するらしーぜ」
みきちゃんにとって、この世界はゲーム
未来を知ってる?
「鈴野は昔から玲のことが好きだけど、玲に嫌われてる。玲をヒロインちゃんに取られたことを妬んで、ヒロインちゃんを虐めるようになる、ってさ」
「それ、みきちゃんが言ってたの?」
「あぁ、言ってたぜ」
「どうやって聞き出したの?」
「いや、聞き出してない」
「?」
「隣のクラスの山本ってわかるか?」
「う、うん。えーとバスケ部のイケメンくん」
「おっ、やっぱチェックしてたか!」
「・・・王子さまは顔重視じゃないよ」
「わかってるって、あいつ付き合ったり別れたり激しいから王子さまじゃないよなぁ。あー、と、まぁ佐野が山本に話してるのを偶然、聞いてただけなんだけど」
「偶然?」
「偶然」
「ふーん」
「山本も攻略対象らしいぜ。でも、すでに話がおかしいよなぁ。鈴野、嫌われてないし」
「・・・一部には嫌われているよ」
「あーあいつら、な。ま、玲がいるから大丈夫だろ」
「みきちゃんの話、信じてるの?」
「ありえねぇーけど、他に佐野が言ってたことは合ってた。鈴野に関すること以外は」
「他ってどんな」
「どんなだろうなぁー」
「・・・教えてくれないんだ」
「全部教えてやるほど、優しくねぇよ」
「友達なのに?」
「おー、鈴野が言う?あのときは断ったじゃん。・・・まっいいけど。中学はこれで大丈夫だろ。高校はどうなるか、楽しみだな、お姫さま」
永井くんの言った通り
その後、みきちゃんと話すことも目が合うこともなく中学最後の冬をむかえた




